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小説ネタ:取り敢えず帰る。

「問題はどこにもありません。」

「帰れば良いんです。」

とある課長に

人事部からの連絡が飛んできた。

多少の残業はしているが、

1日1時間程度である。

自宅やカフェでの

リモートオフィスをしたり

上手く残業もごまかしてはいるのだが(笑)

人事部に確認したところ、

「そこじゃない。

隣のチームを確認してほしい。」

あれ?

確かに残業が多いように感じる。

どれどれ、勤務表と
カードの出入りデータを確認してみよう。

12名の勤務表の残業時間は多くて1日1時間から2時間

リモートオフィスの6名は定時になっている。

カードの出入りデータは?

おやおや、12名のうち6名が1日平均6時間

出勤してきている6名が何故か数字が多い。

うちのチームで関わっている人にヒアリング、
残った人たちに次から次にオーダーが飛んできて業務が回らないとの話、
そして6名は残業が無くて業務が完結して給料が上がる会社に
引き抜かれることになっているらしい(笑)

なるほど、身を粉にして働くのは意味がない。

とある課長は仕事を始める。

指揮命令系統が崩壊していたので、

内容確認を行い不要な業務をカットする。

臨時にとある課長が上長になり、

適切な担当者を人事部に依頼し

方向付けをする。

各メンバーのやっている業務を箇条書きにさせ、

リモートオフィスのメンバーと共有させた。

それにより残業が激減した。

念のために人員を3名ほど入れて引き継ぎが

可能なようにバックアップを作った。

とある課長はただ方向を決めただけである。

3日後普通にみんな定時で帰られようになった。

とある課長は書類の処理が増えたが、

部下に任せて決済だけを担当していた。

業務の中身を知っている人がチームを

率いれば全ての問題は解決する。

勿論、決定する力や権限を持ったいる必要がある。

とある課長は「取り敢えず帰る」のが特徴だった。

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