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【小説】あるある派遣社員(最終回)

登場人物
主人公:山野五郎(やまのごろう)、35才、普通の社会人
現場に入り顧客の望むものを生産するのが仕事
(初めての朝会に参加する。)

広告会社キャッチキャッチの社員
綱田道後(つなたどうご)主任

出向先課長:谷間忠雄(たにまただお)
現場での命令指揮者。

出向先社員:鬼瓦丸渡
現地に人を入れるのが仕事。

【案件進捗管理チーム】
スタッフリーダー  :猿野洲瑠(さるのすねる)
スタッフサブリーダー:股狩野勝(またかりのまさる)
スタッフ      :山本彩音(やまもとあやね)
スタッフ      :億燈時雄(おくとうときお)
スタッフ      :美香・ジョテ・金城(みか・じょて・かねしろ)
スタッフ      :真野信一(まのしんいち)
スタッフ      :細工大介(さいくだいすけ)
スタッフ : 黒崎 隼人(くろさきはやと)
スタッフ : 明音樹恩(あきねじゅおん)

コンサルタント :美恵子・セリーヌ・谷川

仕事の指南書:困ったら開く本、語り口調で書かれている。

第11章:打合せ

仕事の指南書
こんにちは、だいぶ時間が空きましたね。寂しかったです。でも戻ってきてくれありがとう。
「聞上手は仕事上手」
あなたは心が折れた人の話を否定せずに聞かなければなりません。カウンセリングの極意です。必要に応じて書き上げをさせてあげてください。心が楽になるかもしれません。
ではまた会いましょう。

相変わらず話しかけるような文脈だなぁ。誰か入ってる?話を聞くことと書き上げだね。よし試してみよう。

着任1週間ぐらいにコンサルタント会社の方から業務の説明のお話を受けて分かったことだが、今回の人員が余りにも素人過ぎてどうしていいか悩んでいたが、その中でも出来る限りの対応を考えてくれていた。それを今いるメンバーは実行している。

管理の人員削減と業務効率化も兼ねて進捗管理システムも構築しながらの作業との話だった。

人員を減らすことを宣言されてしまった。

部の会議では業務設計、進捗管理システムやその他の全てが同時進行で進んでいることを知ることになった。

チームとしては使う側としてのお願いなどを伝える程度で問題はないとの話を受けたのでそうすることになっていたようだが、リーダーとサブリーダーに内容を聞いたが自分達が口を出すことではないと意固地になっていた。

谷間課長には鬼瓦さん経由で謎のスパイから情報は入っているとは思ったが、会議の内容を伝えておいた。

人員的な件ではカウンセリングを行うことは会社から許可が下りたのでそれも合わせて伝えた。

谷間
「山野くん連絡ありがとう。私が知っている情報と大体合っているが一部伝えておくと、人員削減の件はコンサルタントからの提案で進捗管理システムがまだ対応できていないので今すぐにはない。」

山野
「谷間課長わかりました。ありがとうございます。」

谷間
「勤怠管理の件は猿野君が作っているのを確認して欲しい。本来は顧客しか行えない業務にわれわれ下請けを入れるということは、それなりに苦労があると考えて多少のパワハラは耐えてほしい。」

山野
「あまりにも酷いようなら相談させていただきます。」

谷間
「猿野君のカウンセリングよろしく頼んだよ。仕事ができないと連呼されて吊るし上げられた結果、本当におかしくなってしまった。出来るだけ話を聞くようにしているが、次が決まるまでの期間に時間がある、うまく有給を使わせて休みを取らせてほしい。」

面接の時の話とだいぶ違うな。

実際本当のことを言ったら誰も来ないだろうし、本当の意味で指揮官がいない、勢いで仕事をやっている。

吊るし上げをしたり、されたり現場でトラブルが絶えないのは、チームとしての「目的」を見失っていることの要因が大きい感じがする。

山野
「谷間課長、お聞きしても良いでしょうか?仕事の内容は【秩序】を入れるで変更はありませんでしょうか?多くの情報を谷間課長には集まるように見受けられます。差し出がましいようですが、私が判断を誤る可能性がないとも限りませんが、谷間課長の指示で人の観察をした方が良いとは思いますがその辺はどのように対応しましょうか?」

谷間
「情報取集に関しては、あくまで意見を集めているに過ぎない。秩序に関してはお客様からも言われているので進めて行く、使えない人員の根拠を集めて、修正可能なら対応して欲しいし、無理ならこちらで判断するので話をして欲しい。」

山野
「先月と今月分の出勤と簡易的な素行を確認することで良いでしょうか?」

谷間
「出勤と素行の件は今日までの分を来週の火曜日迄に欲しい。業務の引き継ぎをするように猿野君にはさっき話をしたので、今日にでも話を聞いてあげて欲しい。たまたま、仕事が合わなかったんだ。」

山野
「出勤と素行の件は今から全員分メールで送ります。猿野さんとの打ち合わせはいまから声をかけます。」

谷間
「分かった。よろしく頼むね。」

谷間課長と話しを終わり、勤怠データは3名は突然休みや遅刻が目立ち新しい常識を知るきっかけにはなったが、世の中では通用しないことを改めて認識した。勤怠が悪いことが何より問題視されていることがわかった。現場の社員は会社間の契約が業務委託であることをいいことに好き勝手やっていると思われたらしい。

資料を見ると成果ゼロである。どうしてもストレスは下請けにぶつけてしまうことが分かった。

猿山さんに声をかけたところ、資料らしきものを作っていた。

猿野
「谷間課長から電話があったから引き継ぎ表を作りますね。明日、自分休みなので何かあったら股狩野さんと相談してください。後この資料はお二人以外、絶対に見せないでください。あいつらは裏切り者だ。」

どうやら、用語集やらをまとめているらしい。猿山さんのイライラしている理由だよな、目が泳いでるしおかしくなる一歩手前だな。

山野
「猿野さん会議室に行きませんか?」

少し周りに良くない影響があるので場所を変えて話を聞くことにした。会議室に入ると猿野さんの顔が真っ青になった。

猿野
「山野さん申し訳ないけど、ちゃんと話せるか分からない。この会議室で吊るし上げに会ったんだ。」

山野
「そこなんですけど、理由は何ですか?」

猿野さんは仕事ができないのに多くの給料を貰っているのはおかしいと、チームメンバーとお客様から詰められた。

1時間ほど話をしてくれた。

そもそも、何故多くの給料を貰っていることが分かったのだろう。

リーダーでメンバーさんより安い人っていくらでもいると思う。

山野
「谷間課長からどのように私のことを聞いてますか?」

猿野
「海外でカウンセリングを学んだり経営哲学を学んだりしている珍しい人間だから助けてもらうようにと言われました。」

山野
「谷間課長は随分大袈裟に言ってますね。あくまでお話をお聴きして、話した分だけ楽になるというよくある方法を使います。」

本来は業務の書き上げをしてもらうのだが、吊るし上げに会った時のことの関係図と気持ちを書き上げてもらうことにした。

猿野
「思い出せない。あいつらが悪いんだ!」

山野
「わかります。ところでこれは心のゴミ掃除です。ゴミを残したまま別のところに行くのは猿野さんはどう思われます。」

猿野
「いやだ、あいつらを引きずったまま別の所に行くのは耐えられない。」

山野
「わかりました。では書きましょう。」

こんなやり取りを続けてさらに1時間掛かった。事務室に戻っても文句が出ないように、谷間課長が調整をしてくれていたので、いつもの喧嘩はなくて済んだ。

関係図は聞いていた話とほとんど会っていたが、リーダー経験は未経験であることがわかった。

観察をおこたり、正しい予測ができない状態で人と関わり人に反感を買っていたことが分かる文章であった。

もちろん、全て承認して聴くことにより更に猿野さんの考え方ている色々なことが分かった。

最終的に今日はだいぶ落ち着いたとの話ををしてくれたので、今後は業務終了後の1時間ほどを使い。愚痴聴き業務を行うことになった。

猿野
「今日は久しぶりにゆっくり寝れそうです。」

山野
「わかりました。また何かあったら教えてください。」

昼からそんなことをやっていたので、もう夕方になってしまった。

しばらくして、彩音さんからお声が掛かった。

彩音
「山ちゃん、猿野やばいでしょ。確実に潰そうよ。」

山野
「・・・彩音さん安心してください。完全に潰れています。お疲れ様でした。」

彩音
「やった。仕事できないやつの削除完了だ。」

山野
「猿野さんの件だけですか」

彩音
「あたし勤怠悪いけど、勤務表は遅刻しても9:00出社で許可されているから念のために伝えておくね、もちろん遅刻した分はちゃんと残って時間を稼ぐからさ。他のやつはあたしの特別制度は使えないんでよろしく。」

山野
「そうなんですね。覚えておきます。」

正確な勤務表は毎日関係者に送られていることを知らされていないらしい。

遅刻の改善をするように派遣会社に依頼しても改善は一向にない。

仕事の正確な統計も知らないだろうな。

彩音さんと直接話したこともあるが、遅刻してもよいと言われたと契約したと話をしてくれる。

谷間課長に確認したがそんな契約はしていないと言ってくる。

理由は子供がまだ幼いので面倒を見なければならない。

この手の話については遅刻してもしなくても良いと思っている。

契約が基本になるのでその資料があれば何も言うことはない。

そこで、派遣会社と直接話をして貰うように促し谷間課長から方針が決まったと連絡を受けた。

【事前連絡】
谷間課長から連絡については顧客の要望があり「猿野さん」40日後に業務完了「細工さん」20日後に業務完了「億燈さん」50日後に業務終了「彩音さん」50日後に終了との計画が提示された。

「細工さん」については既に会社には通達されていて本人もなんとなく分かっているとのことだった。

細工さんの引き継ぎなどを形だけでもやるようにと、綱田さんのデスクの脇に座らされて言われた。

綱田
「中身がなくてもいいので、形だけでも引き継ぎして下さい。もちろん、内容が分からなければ吊しますよ。」

この人は何と戦っているんだろう。

そんなに気に入らないなら使えない理由を並べて新しい人材を用意すればいいと思う。

綱田
「新しい会社入れ替えて、新しい人材を入れればいいじゃないか。とか思っているかもしれませんけど、そう簡単じゃないんです。業務委託会社さんにはちゃんとしたプランを出して依頼をして下さいって言われちゃったんですよ。本当は入れ替えたいんです。私にその力が有れば全員クビです。」

ここの会社の人はこれだけ感がいいのに使えていない、なんだか人材の持ち腐れのような気がてならない。なんとなく、闇が大きいかな。

彩音さんが業務中他のチームの業務を取ってくる事件が発生した。

ここで、お客様は完全にブチ切れた。

特にコンサルの姉御とお客様が恐れられている、美恵子・セリーヌ・谷川と綱田さんいつもいないはずのお客様の部長さんの耳に入り、チームは風前のともし火のはずだが、綱田さんが言ったとおり代わりはいないので、猿野さん、彩音さん、細工さんが辞めるのでおとがめは無くなったが、業務を誰もやりたくないとのことで山野が巻き取ることになった。

セリーヌ
「彩音!何やってんの!なんで一言断らない。もう助けてやらないぞ!」

彩音
「私は悪くない。何もしない人間が悪い。山ちゃんがやるから大丈夫!」

彩音さんやめてーそれを言ったら残る人間は大変なことになる。

と言ってもとまらないだろうなぁ。

セリーヌ
「ここの業務設計誰がやってるか知ってるわよね。」

彩音
「仕事もっとできる!」

セリーヌ
「いつも、遅刻早退の人間が何を言っているの!仕事は人間関係でちゃんと回るようにやってるのよ。遊びでやってんじゃない!」

彩音
「山ちゃんムカついたから帰っていい。」

山野
「彩音さん、ここは耐えて謝ったほうが良いと思いますよ。自分も謝りますから」

もはや、制御不可の状態に立っていた。業務より完全にカウンセラーのようになってしまっている。

頭を下げてその場はしのいだが後の祭りである。

この後にお客様の課長5人衆とコンサルのセリーヌさんから谷間課長と山野は呼ばれ、半分脅されながら、仕事の体制を維持することを約束した。

課長5人衆
「バカじゃないのか!彩音は使えるんだろう!業務に穴を開けてみろ、承知しないからな…」

2時間、責任者がいる様でいないので何も決まってないから文句ぐらいしか言えないのかもしれないが、谷間課長の凄いところはちゃっかり3名の補充を確約したことである。

彩音さんの引き継ぎ資料は意外と良くできていて、役立てようという意欲があった。本人も本気を出していないが、クレームを言われて契約解除を宣告されてからは勤怠も良くなり仕事をするようになった。

ちゃんとした才能があるのに使わないと結果的に不用品扱いされる。

細工さんはすぐにでも辞めたがっていたが、そもそもなんの仕事をしていたのか皆目分からないと本人から聞かされ暇つぶしには「画面縮小と拡大がお勧め」と説明された。

問題は猿野さんである。

彩音さんが問題を起こした時は休みだったので、休み明けに知らされて大層、頭を抱えていた。

話は付いているので特に困ることはないと思うのだが、精神的にダメージが既にある分、谷間課長の話しか聞かないと言っていた。

猿野
「彩音さん、やってくれましたね。これで、自分も終わりです。トドメ刺されました。」

山野
「そうですか。わかりました。」

猿野
「彩音だけは潰したい。」

山野
「わかります。潰したいんですね。」

猿野さんのご意見はどうでもよくなっていた。

同意することはカウンセリングの一つの技術に過ぎずあくまで彼を異常者から正常な人に戻す作業だが、タイミング悪く彩音さんが近づいてきた、ガッツリ遅刻してきた。が全く反省の色はなく気さくに話しかけてきた。

彩音
「山ちゃん、調子はどう、仕事してやってるから文句はないか」

山野
「もちろん、色々助かってます。」

ジョテ
「タバコ室でばったり会って連れてきたよ、彩音ちゃんがいないとつまらないわ〜」

人生は柔軟性も必要なんだろうなぁ、ジョテさんありがとう。

怒りに震えて歯ぎしりが止まらない猿野さんを引き継ぎと称して会議室に連れて行き、カウンセリングを開始した。

猿野
「一生懸命に仕事していたのに、俺は上の命令でしか動けないんだ、決定はしてはいけない。」

そう、リーダーとは周りが同意して初めてリーダーになる。

一つの要因でしかないが必要なことだ。

山野
「なんてことだ、猿野さん頑張っているのにひどすぎる」

ここはわざとくらいじゃないと、怒りで満たされている猿野さん自身に向き合えないし本心を言わないので、吐き出させる為のテクニックを使い続けた。

猿野
「俺のどこがダメなんだ。全部俺が悪いんだぁ」

人を攻めた後に自分を責め始めた。頭をかきむしり始めたが、猿野さんの一言一言を承認してとにかく引き出した。

2時間ほど話が続いていたが、自分責めが酷いので、自尊心を取り戻させる。一言を打ち込む。

猿野
「全部俺が悪いんだぁ、俺が悪いんだー、もうダメである〜」

山野
「よく分かりました。猿野さんの一つ聞かせてください。」

猿野
「どうぞ」

猿野さんのマシンガントークが終わり聞くようになっている。

山野
「一体、誰が貴方を悪いと言っているんですか?」

猿野
「彩音とか他の人間が言っています。」

山野
「なるほど、そうですか、では、猿野さん自身はそれを言っているのですか?」

顔色が変わる、不安と狂気の顔から、突然泣き出す。

猿野
「うえ、奴か、うえ、おれは、うえ、うえ、」

1時間ほどであろうか寄り添い嗚咽も承認して、落ち着いたところで質問をする。

山野
「猿野さん、あなたをダメだと本当に思っていますか?」

猿野
「思っていません。」

山野
「今気分はどうですか」

猿野
「信じられないくらい。スッキリしてます。」

山野
「素晴らしいです。ありがとう、カウンセリングを終わります。」

猿野
「ありがとうございます。だいぶ落ち着きました。」

山野
「分かりました。」

かなり攻撃はされていたことが分かったが、猿野さんは落ち着きを取り戻した。

対処法としての場しのぎにはなるだろう。

環境が変われば問題も落ち着いていくと本人が言っている為、移動までカウンセリングは必要な時に続けることになった。

真面目すぎる人には楽観的には慣れないのと、輪に入れない人間を見つけるとストレス解消に集中的に潰す癖があるのかもしれない。

狩猟民族の癖が抜けていないのか、このカウンセリングで因果応報が起きないことを期待するしかない。

こんな時は、仕事の指南書でも開くこととする。

仕事の指南書
「お帰りなさい。カウンセリングの技術初級編をお使い頂いてありがとうございます。あなたは1人の人生を助けました!素晴らしいです。とにかく続けることです。またお会いしましょう。」

誰か見ているのだろうか、次のページ開けないような仕組みになっていて、ちょっと怖いけど深い事を考えるのはよそう。

前のページを見ると細かくカウンセリングの方法や統計の取り方などが記載されている。

続ける方法が載っていた。
「仕事をしていて実際に数字を挙げている人を味方にする」

谷間さんから連絡が入り、更に人事の詳細分析が欲しいと依頼された。

勤怠に加えて勤務態度や顧客との信用度などを報告するようにと言われた。

スパイがいるのに何故そんなに情報を欲しがるのかなどど思うこともあるが、渡して喜んでもらえるならそれでよしとすることにした。

仕事の指南書が曰く「成果の数字を元にする」と「勤怠」のグラフを作成して顧客との信頼関係は自分では見えないところがあるのでと伝えたところ、谷間課長かその件ならこっちでやるので大丈夫と言っていただいた。

細工さんの話はかなり綱田さんがブチ切れていたが、綱田さんの話を聞いた時にチーム内の、ある人物から依頼をされてると言っていた。

さらに綱田さん曰く股狩野さんのこともかなり嫌いらしく、直ぐにでも切ると言ってきたが、技術的に対応できなくなる事を伝えると、怒りをあらわにしながらひたすら嫌味を言い続けていた。

正直、ありえないことが多いような気がするが、世の中はそんなものらしい。

細工さんの代わりに、黒崎 隼人さんという人が入ることが言い渡され、彩音さんの代わりに、明音 樹恩さんが入ることになり、事前に資料が渡されたが、雰囲気が悪くなさそうなのできてもらうことになった。

細工さん出勤最終日に黒崎さんとの引き継ぎが行われたが、そもそも黒崎さんはデータ整理で呼んだのであって、業務で呼んでないことが分かった。ご本人が大人になり頑張ってくれることになった。

結局、細工さんこの仕事最悪ですよ、早く辞めた方がいいですよと言って会社を去った。

億燈さんが突然攻撃的になり態度がおかしいと思い、周りのスタッフに話を聞いたところ、仮想通貨の暴落で人格が変わったことが分かった。

人が辞める時に行われる行動があるとすると、突然の業務改善を促すような現場を混乱させる動きがある、なんとかしたいのはわかるがトレードをする時間が欲しいためにいきなり休むようになり、せめてチームに貢献して辞めようと思ってくれたことは有り難がった。

億燈さんの辞め方が昭和のアイドルのようで、晴れた日に会社に行くとカードが丸めて置いてあり、「探さないでください」と置き手紙が置いてあった。

昔、ステージでマイクを置いた伝説のアイドルがいたような気がする。とチーム内で話題になった。

ご本人はコミュニケーション障害があると言っていたらしい。

十分コミュニケーションはできているとおもったが、好きな事をして生きていける人はそれをした方が良いと谷間課長から話があり戻るように促すのは辞めることになった。

業務の負担を被ったのが、股狩野さんであったがそんなことは本人は気にしないで仕事を続けていた。

彩音さんが面白い話があると珍しく資料を手にしていた。会議が終わったら打ち合わせがしたいから残ってくれと言われた。

彩音さんからくる打ち合わせは勤怠の件が殆どで、デスクに置いてあるカレンダーを見れば分かるようになっていたが、その件以外もあると言われた。

彩音
「山ちゃんあのね、山ちゃんの給料全部知ってるよってか料金表持ってるんだよね。」

山野
「えー、なんですってー」

ここ最近は、驚く内容が多過ぎてもはや驚くことが馬鹿馬鹿しくなっていた。

彩音
「見せてあげる。」

しっかりとしたリストになった料金表。

山野
「非常に興味深いですね。これを何処から?本物?」

彩音
「本物だよー、出どころは教えられないけどね。安すぎるからやめようと思っているんだ。山ちゃん仕事できないけど、良いやつだからうちの会社で仕事の面倒みるけどどう?」

山野
「お気遣いありがとうございます。叔父の紹介で入った会社なので辞められないです。」

彩音
「人間関係めんどくさいよね。わかるよ。料金表はどう?」

山野
「金額が高いですね。会社間の料金表ですよね。」

彩音
「山ちゃん、その通りだよ、ちなみにこれはチームみんな知ってることなんだ。これで賃金交渉したけど、無理だったから私が展開した。」

山野
「斬新なことしますね。」

彩音
「そんなに、褒めないでよう。」

褒めてない。

成る程これがチーム内のギスギス感と荒れまくっている原因か、表をよく見ると人員の名前も書いてあり、情報収集係に丸が入っている欄もありあっけなくスパイは判明した。

谷間課長には全ての話を行い事実確認をしたが、料金表の存在は認めたが、スパイの件はスルーされた。

まぁ、当然の結果である。谷間課長に対して知っていることは話せる範囲で話してほしいとのお願いを行なったところそれについては受け入れてもらえた。

仕事の貢献度というのは一概に測ることはできないが、お金はその人の価値を図る一つの手段、今は売り手市場ということだろうか?

なんとなく、仕事の指南書を開いてみる。

仕事の指南書
「おかえりなさい。顧客の望む価値を出した者が収入を得る権利がある。これは、人間性も非常に重要です。さらに全体決定に基づきます。」

そりゃそうだ。それが意外と難しい。

もう一枚開い開けた、「もし秩序が入らないようならあなたは新しい場所に行く必要がある。あなたの人生です。身を削ってまで悪意の中で仕事をすることはできないでしょう。」

いざとなれば、必要かもしれないな。

「そうならないように是非、仕事の指南書を今後ともよろしくお願いします。」

宣伝機能付き!?まぁ、いいか。

数日後データ整理を行うために新しい人が入ってきた。

そして、新しい人の対応は必死に猿野さんが行ってくれている。

仕事以外で関わることのなかった真野さんが話しかけてきた。

真野
「山野さんを観察させて頂き信用に足る人間としてお話をさせてもらいたです。」

このフラグが立ったとはこのことを言うのだろうか。

山野
「良いですよ。真野さんその前に寝てますか?」

真野
「まさに、そのことなんです。自分死ぬかもしれません。」

いきなり、死亡フラグですか⁈

山野
「何かあったか説明をしてください。」

真野さんはある一族の末娘と結婚をして幸せに過ごしているのだが、一族と仲の良い社長が3人いてそのうちの1人の会社に入社した。そこがどうやらブラック企業らしく休みが取れなくて死んでしまいそうだと話をしてきた。

人間関係があるのでやめられないどうしたものか、ざっくり言うとそんな感じの話であった。

山野
「真野さんはどうしたいですか?」

真野
「休みを取りたいです。でも、妻が…」

ガチで取り憑かれたような状態。。

山野
「真野さん、なぜ私に声をかけてきたんですか、他に相談できそうな方、リーダーやサブリーダーがいると思うのですが?」

真野
「リーダーは吊るし上げられて斜めにジャンプしながらフロアー歩いているし、サブリーダーはとても大変そうなので話しかけられないし、それにみんな秘密を守れない人ばかりだし、きっと火に油を注ぐだろうし、その他に山野さんならわかると思っんです!」

こ、怖い。斜めにジャンプしながらフロアー歩いている人がチームにいる事が怖い。

山野
「真野さんが洞察力を持っている方なのはわかりました。」

真野
「あと、まともな朝礼をしてくれました。毎回怒鳴り合いでどうなるかと思いました。」

朝礼がなかったのはわかるが、怒鳴り合いってどう言う社風なのだろう。

山野
「一度お話を聞く時間を取りたいと思いますが、何か希望はありますか?」

真野
「仕事は続けたいです所属会社は辞めたいです。あとあまり他の人には話して欲しくないです。特にチームのメンバーには聞かれたくないです。」

山野
「わかりました。契約なども関わってくるので話す人は厳選します。時間をください。」

真野さんはお礼を言って、作業着と部品が入ったバッグを持ち着替えに行った。

ダブルワークでも給料は一緒っとも言っていた。

真野さんの会社って工事屋なのか今度聞いておこう。

次回に続く・・・

翌日死んだ目が際立った真野さんと話をすることになった。

彼はまず自分がまともかどうかを確認するために会社と自分とその他の相互関係を話したいと言ってくれたが、会話がループし始めた。

真野
「自分これから遠くに逃げようと思います。」

山野
「分かりました。でも仕事は来てくださいね。」

真野
「仕事はもちろんします。」

山野
「どうやって」

真野
「どうやるんでしょう⁈」

そんな感じの押し問答が続いて、少し心の壁が取れたのか話し始めた。

山野
「『6回の』どうやってやったら良いと思いますか?」

真野
「私と会社の人間関係について話をしてみたいと思うのですが?」

山野
「分かりました。お話ししてください。」

真野
「その前に、仕事が終わってさらに仕事をするのはおかしいですよね?」

山野
「たしかにそうですね。内容にもよると思いますが話せますか?」

真野
「今の仕事が好きです。人間的に問題がある人がいますが、自分ができていないところがあるのでそれは仕方ないと思っています。」

山野
「そうなんですね。」

真野
「続けたいのですが、仕事が終わったあと事務所に戻りまた仕事をします。殆ど徹夜で仕事をしています。朝、7時に事務所を出て、ここに出勤して20時まで仕事をして22時から書類の山を片付けて3時に寝る」

比べる基準が違うが〆切前に追われている作家か漫画家のような仕事をしてるな。

山野
「大変そうですね。興味深いです。」

真野
「はい大変です。これってブラック企業ですよね⁈」

ブラック企業⁈久しぶりに聞いた。

お金が欲しく仕事しているようには見えなかった。

睡眠不足の顔の理由はその為か。

山野
「そうですね、一気に話すことができそうですか?」

真野
「少し休みたいです。」

休憩の代わりに仕事に戻り業務終了後に話すことになった。

真野
「リフレッシュルームに居ます。今日夜仕事するかどうか考えて決めます。」

山野
「分かりました。」

そろそろ、指南書を見てみよう。

仕事の指南書
「初心に戻り、あなたの仕事を見返しましょう。あなたはどのような仕事を依頼されましたか?そしてその作業の最終結果は全体決定で出してください。業務内容は、チームに秩序を与え維持することです。」

真野さんを残すか切るかを決めるように決断する必要があるということか、情報を集めて彼がどうしたいのかを再確認してそ谷間課長に相談しよう。

真野
「すいません。実は仕事をやめようと思っています。本心は辞めたくないです。正確には逃げようと考えてます。」

山野
「なるほど、困ります。」

真野
「へ?あの〜」

山野
「困ります。」

真野
「困りますか?」

山野
「はい。困ります。」

真野
「それは、困りました。」

山野
「逃げ出したい理由話してもらえますか?」

真野
「わかりました。実は…その前に山野さんってスパイですか?」

山野
「スパイならもう真野さんはここに来れないと思いますけど?どうでしょう。」

真野
「たしかにそうですね。上の人には内密にできませんか?」

山野
「真野さんの置かれている状況次第です。命に関わることに聞こえるので判断は私にさせてもらえますか?」

真野
「そこまで、危険な状態なんですね。」

山野
「ここで聞くの辞めてもいいですけど、どうしますか?十分巻き込まれた気分を捨てきれないですが、話すかはお任せしますよ。」

真野
「話します。会社と私と家族の関わりなぜここにきたのかの物語を…」

山野
「お願いします。」

真野さんのざっくりなプロフィールから始まった。10人家族で上に双子の兄と姉がいて3つ子の真ん中として誕生、18才の時に結婚して、現在27才になり、まだ子供はいない。奥さんとの出会いはハンカチを拾って渡して電気が走った。

前職の給料が安いので奥さんの紹介で今の会社に就職した。

初めはそんなに厳しくなかったが、事務所に戻ると毎日取り憑かれたように仕事をしている人がいて、自分も約1〜3ヶ月休みなく働くそれを約5年程続けてきたが、2年前から辞めたいと思い妻に相談すると何故だか決まって社長から呼び出され食事に誘われる。と話をしてくれた。

それは多分奥さんがスパイだと思うがあえて、そこのところをほじくると話が面倒になりそうなのでやめた。

そして、数ヶ月前突然呼び出され今の会社に派遣された。

真野
「社長どんなお話ですか?」

社長
「ここのところ仕事が忙しくて大変だと思ってな。」

真野
「お食事にご招待いただいてありがたいのですが、そろそろ4週間連続仕事をしているのでお休みを頂きたいのです。」

社長
「気持ちはわかる。俺も若い時はそう思った。でもな、真野くんが入社した時に「自分頑張ります!」あの言葉は自分に重なったよ。」

真野さんは心底言わなければ良かったと今に思うと話してくれた。

真野さんの会社の社長と話を聞いていないのでなんとも言えないが、何も考えないで身内の知り合いだから入社して痛い目に会う、ありがちな話だ。。

真野
「社長…」

社長
「真野くん仕事を休みたいとか、野暮なことは言っちゃいけないな。」

仕事の話で辛いなどの話をすると「野暮なことは聞くな 」と言われる。

家族ぐるみの付き合いに違和感があると伝えてくれたが、ある日、帰えると玄関に能面が飾ってあり、不思議な張り物が貼ってあったが奥さんにあえて聞かない、そしてあまり気にしないようにしていると話してくれた。まるで、既読スルーのような印象を受けた。

まぁ、なんとなく寝てなくて睡眠が取れていない激しい会社にいることが改めてわかった。

山野
「壮絶ですね。知り合いの会社で好き放題やっているという話は聞きますが、、」

真野
「最近は、奥さんの料理を食べると目眩がしたり吐き気がするんです。」

山野
「その話はあまり答えが出しにくいので、真野さんご自身はどう思いますか?」

真野
「ほとんど、仕事で家に帰っていないので嫌がらせだと思います。」

山野
「・・・ところで、仕事は続けますか?」

真野
「続けたいです。」

山野
「わかりました。こちらで手を打ってみますが、上の人に信頼できる人がいるので試しに探りを入れてみます。」

真野
「わかりました。」

家に帰る頻度が10日に1回であること、結構、真野さんの周りは危険が多いような気がする。

実際は本人次第なのでもう少し外に注意を向けるような会話を進めるとしよう。

真野さんが地獄のような日々を続けている中、真野さんの奥さんとその他の家族一同は楽しく夕食をしている。とメッセージが入る。

真野さんを観察していたので、本人の事情はなんとなくわかったので資料を作り谷間課長に渡した。

谷間課長も真野さんの挙動に疑問を思っていたらしく、谷間課長が別ルートで真野さんの会社を調べてくれた。

真野さんの会社からいくつかの会社を経由して谷間課長の部署で仕事をしていた3名程の勤怠が急に悪くなり、調べたところ不眠不休で仕事をしていることが発覚し、注意を促したところ全員来なくなるという事態が発生していた。

谷間課長
「山野君、真野君の状況については大体分かった。この短期間でよく調べたね。」

山野
「ありがとうございます。これも、谷間課長のご尽力を頂いたお陰です。」

谷間課長
「良いか悪いかは別にしてチームにとって真野君がいなくなると支障がでると思うかい?」

山野
「今のところは実害はでませんが、谷間課長の人事のスケジュールを踏まえますと将来的には支障が発生します。」

谷間課長
「私の提案は2つある。①今すぐに辞めさせてこの業界とは別の業界で就職。②この前様子を見守り自然にいなくなるのを待つ。そして、山野君の提案を聞きたい。」

谷間課長もお人が悪い、3番目の提案をさせる気だな、指南書にも書いてあったけど人助けがリーダーの務めらしいのでここは乗っておくか。

山野
「③真野さんを、今の会社から自分自身の意思で辞めさせ、人格を取り戻し、業務を行えるようにし、人生を送れるようにする。というのは如何でしょう。」

谷間課長がわる〜い、笑顔を浮かべる。

谷間課長
「いいですね。それで行きましょう。作戦名:自由な翼フリーウイング」

山野
「さすが、谷間課長です。全てお見通しですね。よろしくお願いします。」

はい。突っ込みどころ満載でました。もはや今更どうこう思わない。

作戦内容は、谷間課長が状況を深掘りして聞く。

真野さんの事情や下心は山野の方で確認し真野さんの現実性に合わせ、谷間課長に報告、今の会社から別の会社にスライドさせる方法を考えている。

チーム内の人事については人がいなくなるので安定する。との谷間課長の話だった。

新しく入った隼人さんはまさに職人レベルで仕事をしてくれ忍耐の塊のようであった。

人脈も豊富で無理しない程度に仕事をしてくれ時間になると帰る、素晴らしい。

真野さんの件は約2週間の後に問題は片付いた。

仕事の指南書
「お帰りなさい。人の人生を助ける。素晴らしいです。さらに、助かりたい人だけ助ける。そして、利害関係者を巻き込む作戦はこれは原理原則に沿っていますね。」
「次は1回自社に戻り、トレーニングを受けてください。」

トレーニングの名前は「素晴らしい精神力をつけましょう」です!

そして、「素晴らしい精神力をつけましょう」を自社に戻りトレーニングを受けた。

そして、ひと段落ついた頃に、綱田さんに呼び出された。

綱田
「猿野はいつになったらここからいなくなるんですか?」

山野
「申し訳ありません。契約等もございまして、日時をまだ確定できていませんが14日以内には移動になると聞いております。」

綱田
「誰から聞いているんですか?」

山野
「谷間より聞き及んでおります。」

綱田
「場合によっては部署をなくしても良いと思っています。」

山野
「お客様の考えの一つとしてお伝えして方がよろしいでしょうか?」

綱田
「そうですね。一つの案です。」

山野
「承りました。」

綱田
「・・・とにかく、猿野を早く追い出すようにお願いします。」

山野
「上にはお話を伝えておきます。」

綱田
「なんで、あんな奴らばっかりなんだ。」

そう言いながら、その場を立ち去っていった。

そのまま、上に伝えるしかないので一応伝えると、谷間課長が怒りを通り越して呆れる以前の問題と伝えてきた。

谷間
「会社同士での契約で決まっている。話している内容は分かると思う。」

山野
「その話はなんとなくわかります。」

今回はいつも以上に詳しく分かっているがここはお互いになんとなくで進めていく話だ。

谷間
「綱田さんの上の方にはもう既にはなしをしている。が、伝わっていないのかもしれない。」

山野
「わかりました。綱田さんには上に確認して頂くようにお伝えします。」

谷間
「それで、いいですよ。ありがとう。それにしても猿野君の仕事が中々次が決まらないんだよね。」

山野
「早く決まるといいですね。」

綱田さんの本気度がわかるの内容だが、すっごく根回ししたらしく同じプロジェクトの別部署に猿野さんを配置できないようにしたと後から聞いた。

そのしわ寄せが山野に降りかかってきた。

数日後、帰ろうとすると綱田さんがやってきて話があると行ってきた。

綱田
「山野さん、あえて山野てめーと言わせてもらいます。」

山野
「礼儀は必要かと思いますがなんでしょう。」

2日前から様子がおかしかったので何かあると思っていたが、タイミングを見計らっていたのだろう。その日はメンバーの全員が「頑張ってください」言って少し早く帰った。

綱田ショーの始まりである。彼は下請けを助けることはなく潰すことに定評がある人物だった。

綱田
「なぜ奴が猿野がいるんですか!!」

恫喝モード綱田フルバースト!!って感じだった。

テーブルに斜に構えてすわり、本人はカッコいいと思っているのだが、足が短いので笑うのをこらえた。

山野
「お話ししたとうりです。」
同じ恫喝モードで答える。と綱田さんは更にパワーが上がり答えて来る。

綱田
「話したとうりって言ってることが違うじゃないですか!!取り敢えずあやまれー!!」

茹でたタコという表現がぴったりな状態。

山野
「申し訳ありませんでしたー!」
理不尽だが謝るパワーは合わせてあげる。

綱田
「山野君君が悪いわけではないのは分かっているがこの怒りは収まらなーい!!」

山野
「わかりました!怒りは収まらないですね!!」

綱田
「猿野を首にしろー!!チームは解散しろー!!」

山野
「なるほど!!上に伝えておきます!!」

綱田
「猿野を早くこのフローアーから出せ!!」

山野
「上に伝えておきます!!」

こんな感じで、綱田さんは怒鳴り続け謝ったり承認したりを繰り返し約二時間半たちゴールが見えてきた。

綱田
「はぁ、はぁ、はぁ、山野さん私は何をあんなに怒っていたんでしょう。もう十分です。上ともう一度話します。」

山野
「かしこまりました。ご指導ありがとうございます。」

綱田
「なんかスッキリした。明日もよろしくおねがします。」

山野
「こちらこそよろしくお願いします。」

世の中ではパワハラなどと言われるが、そんなことはどこの世界にもある。

ただ、ビデオに撮られなくて綱田さんは良かったと言ってたら、監視カメラには音声付きでバッチリ残っていたらしく社内コンプライアンスその他諸々に情報が行き色々大変だったらしい。

それからプロジェクトの終了まで言われることは服装や仕事のミスに対しての改善と普通になった。

責任が発生するのでこのことはすぐに文章を作り、谷間課長に報告を入れた。

綱田砲を防いだ研修は、「素晴らしい精神力をつけましょう」であった。

使える研修ってあるんだ…と思った。

仕事の指南書
「どうでしたか?「素晴らしい精神力をつけましょう」を使った感想は?分かってますよ話さなくても、上手くいったそれは良かった。あなたが忠実に内容を実行したからこそ上手くいったんですね。この副産物はあなたを相手からの攻撃から守るだけではなく相手のストレスすら軽減させる!うん。アーメジングです。」

この本は人の思考を読む機能があるのかな?

仕事の指南書
「特に人の心を読む機能は有してませんよ。上司に対する報告も見事です。あなたのメンタルを保つ為に必要な行為です。」

もう驚くのはやめよう?

仕事の指南書
「さて、次の作業は直面をさせるです。あなたは上長から依頼されている内容をグラフにする準備をしておきましょう。もう一つ新しい人を観察するです。どんな人が来るのか楽しみですね。では、また会いましょう。」

翌日、山野が出勤してることにメンバーは驚いていた。

そして、思いのほかみなさん仕事をするようになった。分かったことは目標に向かい動いていることに気が付いた。

【入って出て行くいなくなる。】
新しい人が来るっていってたな。谷間課長は業界未経験だけど勤怠を守れるひとだから大丈夫との話しをしてもらった。

どんな人が欲しいか残るメンバーと辞めていくメンバーにも聞いたところ、「勤怠守れる人」と即答だった。

それが基準になる職場って一体なんだろう。

仕事をする上での基本は残る人にあることがわかっただけでもありがたい。

新しい人については、スキルシート持ってきてくれると言っていたのでそれを見てから考えるとしよう。

ジョテ
「山ちゃんスキルシート持ってきたって谷間課長が呼んでる。私が決めていいって言ってるから同席するわね。」

山野
「ありがとうございます。」

ジョテ
「私はリーダーじゃ無いのに新人のお守りするの嫌だわ〜」

山野
「私にその人任をせられますか?」

ジョテ
「変な癖がつくとよく無いから私が私色に染めることにする。プロフール写真はとっても白い色なの〜」

遅刻してきた彩音さんが写真を見て一言。

彩音
「ババーじゃない⁈」

ジョテ
「彩音ちゃん、おはよう。」

彩音
「ジョテさん、おはよう。あ、山ちゃんもおはよう。」

山野
「おはようございます。」

はいがっつり遅刻です。現実に直面させる人ご出勤です。

自由な人だからあまり周りのことは気にしないんだろうなぁ。

彩音
「山ちゃんちょっと相談あるんだけど時間取れるよね」

山野
「もちろん、でもこれから谷間課長とお話があるんです。」

彩音
「終わってからでいいよ」

ジョテ
「さすが、彩音ちゃん山ちゃんのこと考えてる〜」

山野
「いつも、ありがとうございます。」

ジョテさんの無茶振りに近い振りもだいぶ慣れてきた。

彩音
「私は出来る人だから、真野に仕事教えてくる」

山野
「よろしくお願いします。」

彩音
「誰がリーダーかわからないね。」

山野
「おっしゃるとうりですね。」

彩音
「山ちゃん任せておいて」

彩音さんはそう言ってその場を去った。

そして、谷間課長との打ち合わせが始まる前に突然不思議なことを言ってきた。

谷間課長
「人を見る目がないので、資料を見て決めて欲しい。名前は明音樹恩さん」

ジョテ
「写真は美白て普通の感じの人、時間守って、仕事さえしてくれればいいわ〜。勿論、写真で何がわかるかなんてわからないけど〜」

山野
「谷間課長はもう見たんですよね。どんな方でした。」

谷間課長
「う、うん普通の子だよ業界の経験はないけど、まぁ慣れてきたら癖が出るかも知れないね。」

嫌な予感しかしない。この前振りは多分フラグですね。

山野
「普通の人なんですよね?」

谷間課長
「写真とは多少印象が違うと思うけどねほとんど変わらないよ。」

この話を聞いた日に猿野さんは業務から解放されることになった。

次は決まっていないが大分楽になったようだ。廊下も斜めでジャンプしながら進むこともなく。

まっすぐには歩けていないが足を怪我した人程度には歩いている。

ここであったことは夢だと思って全て忘れて次の仕事まで休める事を心から祈るばかりである。

黒崎さんはただ淡々と、ジョテさんに怒られながらも無事にある程度内容を把握して仕事を進めてくれている。

ある時、ジョテさんからスパイであることを告白された。

正直なところジョテさん以外にも5名いたが馬鹿しくなり、報告どころではないと業務に打ち込み始め為、人の様子を聞かれたら答える程度の話はするがそれ以上のことはなくなり、スパイ合戦は終了したと聞かされた。

元々が顧客の情報を仕入れて人を入れる為のスパイだったと思うが、いつの間にかに趣旨が変わってしまったようだ。

派遣会社から来る人はかなり入れ替わ名前を覚えてもすぐにいなくなる事が多かった。

仕事の指南書
「情報を仕入れ事実確認をしてから行動に移す。新しい人が今日からやってくるらしいじゃないですか、先日は観察をすることをオススメしましたが、それは相手とあなたのより良く物事を進める為の方法です。」

期待の新人、明音樹恩さんの登場⁈

あれ?何処にいるの?フレッシュルームにいない。

彩音さんとジョテさんが固まってる。

真野さんか作り笑顔を浮かべながらこっちに近づいてきた。

新リーダーの股狩野さんもこっちに近づいてきた。

連れてきた、鬼瓦さんが盛り上がってサッっとこちらに2人を追い抜いてさっとこっちに近づいてきた。

鬼瓦
「ジョテちゃんに言われててさまともな子連れてきたから宜しく頼むな。久しぶりに人を入れられて嬉しくてたまらないよ。」

情報収集と称して現場引っ掻き回してたメンバー動くのやめたから、大変だろうなぁ

山野
「ジョテさんも彩音さんも固まっているように見えるんですが、何かあったんですか?」

鬼瓦
「きっと女子が増えて嬉しくてたまらないんだよ。彩音ちゃんの代わりにきたこともあって本当に姉妹みたいだ。」

立場が変われば見方も変わるそれはよくわかっているが、どう見ても仲よさそうに見えないし、姉妹なんかには見えない。

明音さんに至ってはマスクが目の下まで表情がわからない。

山野
「そうですか。」

鬼瓦
「なんだ元気がないな、別のチームが作られるからまた人入れるな!よろしく頼むぞ!ここだけの話、谷間課長から勤怠が良くない人間を新しいチームに入れたから勤怠は山野にやらせろとの指示があったんだ。すまんなでも給料は上がらないから安心してくれ。」

思わず、心の声が溢れてしまった。

山野
「何故だろう不安しか襲ってこない。」

鬼瓦
「困ったことがあったらなんでも言ってくれ助けてやるからな。電話番号は今度教えるからな。」

今教えろよ。と思うのは心が狭いからに違いないと自分に言い聞かせることにした。

鬼瓦さんは意気揚々と固まっている、ジョテさんと彩音さん、引きつった笑いの谷間課長の元に戻り大笑いをしていた。

順番を待っていたのか、股狩野さんが近づいてきて話しかけてきた。

股狩野
「山野さん彼女がみんなに馴染めるように頑張るよ。」

山野
「わかりました。うまくやりましょう。」

股狩野
「先に戻って場を温めておくね。」

この人は一体何を言っているのかわからないことがある。

パソコンの準備や筆記用具の準備をしてもらえればそれで良いだけなのだが。

入れ替わりに会社を移籍することを決断し、人として人格を取り戻しつつある、真野さんが近づいてきた。

真野
「山野さん、ヤバイです。どのくらいヤバイかと言うと「偽造」ってくらいヤバイです。」

山野
「わかりました。やばいんですね。彩音さんとジョテさんが固まっている理由はそれですか?」

真野
「はい、6割はそうだと思います。」

山野
「そうですか、残り4割は何かありますか?」

真野
「人が出す雰囲気だと思います。」

山野
「ありがとうございます。確認してきますね。」

真野
「行ってらしゃい。ご武運を!」

驚いた、そんなに何かあるのか?と思いながら固まっている、ジョテさんと彩音さんのところに向かった。

山野
「はじめまして山野です。サブサブサブリーダーをやってます。」

樹恩
「初めまして、よろしくお願いします。」

物事は第一印象が大事だが何か職務経歴書と違う。肌色が違う?写真とあまりにも違うので驚いた。

ジョテさんと彩音さんがまるで別の生き物のようにその場から立ち去った。真野さんが偽造と言ったわけが分かったがそれにしても顔違いすぎるだろう。

ジョテ、彩音
「山ちゃん、頑張って。」

あれ、自分色に染める話はどこにいった?それは後で聞いてみよう。

色々、あったが気にしたら止まらないのでオフィスに連れて行き簡単な勉強会だが、彩音さんが固まってる。

ジョテさんが固まってる⁈一応聞いてみようかなぁ

山野
「彩音さんどうしました。」

彩音
「山ちゃん私嫌な予感がする。彼女誰の代わりなの?私の代わりだったらかなりスペック低いよ。」

ジョテ
「山ちゃん私もしかして、ワタシ色に染めるっていったかもしれないけど、かなりスペックが低くて無理かも〜」

これは、もしかして丸投げコース⁈

股狩野
「こんな時はみんなでサポートしましょう。私が簡単だけど用語集や基本をお伝えしますよ。」

そして、業界はじめての樹恩さんに用語の勉強会や仕事の流れが伝えられたのだが…股狩野さんの様子がおかしい。

山野
「股狩野さんのどうしました。」

股狩野
「私はあまり人に物を伝えるのは得意では無いのですが、教えたことをはっきり「わかりません」と言われてしまうとどうして良いか困りました。」

山野
「教える人をジョテさんに変えますか?」

股狩野
「いや、私が言うのもなんですか、相性が非常に悪いです。」

しばらく股狩野さんのヒアリングを行なったがわかったことは、本当に仕事が合わないレベルではなく、人の話を聞いているのか分からない。と話をしてきた。

今はメンバーのチェンジはできないまずい状況ということがあり、基本のところが終わるまではお願いしたが、真野さんも同席して研修を始めたが、そこで樹恩さんの周りのせいにするような発言がでだと言う。

樹恩
「この、用語集の意味がわかりません。」

股狩野
「どの辺がわかりませんか、業界的に特種な用語が多いので教えてもらえますか?」

樹恩
「セルの位置が分かりにくいです。」

真野
「どの辺がですか?」

樹恩
「A列とB列は逆じゃないとわかりません。」

真野
「そうなんですね。」

股狩野
「すぐ直せるので」

樹恩
「この用語の意味がわかりません。」

股狩野
「ここ隣のセルに意味が載っているので読んでもらって良いですか?」

樹恩
「なんで私が読まなきゃいけないんですか?」

真野
「山野さん読んできますね。」

樹恩
「読めます。意味わかりました。」

こんな感じであると真野さんから報告を受けた。

樹恩さんの研修と仕事が始まり結局、真野さんとコンビを組んでもらうことになったが、普段チャットを使わない真野さんから彼女やばいです。かなりもの覚えません。

次に何と彩音さんからやば樹恩のやつ文字が見えてないかもしれない。

念のために山野もモニターを確認、画面を大きくしたり、小さくしたりしている。

前に同じような人いたなぁ。

山野の目の錯覚かも知れないけど念のため股狩野さんが偵察してくれてチャットが入った。「前にいた細工さんみたいに画面を大きくしたり小さくしたりしています。」

試しにどうして大きくしてるの?と聞いてみようということになり、真野さんが冷たく(クールに)仕事の説明をし始めた。

真野
「樹恩さんもう少し画面が全体が見えるようにしてもらえませんか?流れがわからないので。」

樹恩
「大きくすると文字が見にくいんです。」

真野
「メガネして下さい。」

樹恩
「・・・お金がないんです。」

真野
「なるほど、分かりました。業務に支障が出ているので次のお給料で買ったほうがいいです。」

樹恩
「鼻に当たって痛いので嫌です。」

真野
「分かりました。後は私がやります。」

マジか、聞き耳立てている山野的に真野さんやる話じゃないよね。真野さんからチャットが入ってくる。

真野
「一応聞いてたと思いますが、5分後にリフレでお話ししたいです。」

山野
「了解しました。」

そんなこんなで、呼び出された山野だが…真野さんは愚痴を言いたいだけだったのだが、できれば問題を解決したいと行ってきた。

山野だって解決したい。

結論から言うとどうやら着任の時に「座って入れば良い」「お願いされたことをやれば良い」と言われたように見受けられる。

最初のオーダーが「勤怠」守れれば良いですよ。自分も含めて「勤怠守る=仕事」する。と思っていた。そもそもの間違いではある。真野さんから事情の説明が始まった。

真野
「樹恩さんは覚える気がないと言うよりも基本的に常識が抜けているかもしれません。」

山野
「それはどのように抜けていますか?」

真野
「例えば教えたことをすぐ忘れる。時間を書いて書かせるが同じことをまた書いている。30分前に教えたことをまた聞く。パソコンの設定が自分の知っているものと違うので壊れていると言ってくる。」

山野
「なんと言いますか、ちょっと難しいですか?」

真野
「かなり難しいです。」

山野
「そうですか。」

谷間課長の人を見る目がないことはよく分かった。

想像以上に今まで着任したメンバーがおかしな状態だったがとりあえす人を入れてそれから入れ替えると考えだったのだろう。

このご時世良い人はお給料の高いところに行ってしまう。

人が集まらない状態が続いていた。

真野
「それから一番問題なのは、どうやら画面の文字が見えていないようです。」

山野
「そうですか、それはよくないですね。」

真野
「仕事ができな上にメガネをかけようとしない訳が分からないです。」

山野
「そうですか、本人と話しますか。」

真野
「お話ししてくれると助かります。」

山野
「メガネの件もそうですが、仕事の中身を毎日書かせるようにしましょう。」

真野
「そうですね。自分が何をやっているか分からないと言うことがあるのでそうしましょう。」

一応、ジョテさんと乗り気でない彩音さんや股狩野さんとも話をしてみると、彩音さんからは真野さんと同じことを思っていたらしくいつ話そうかと思っているうちに忘れたらしい、そろそろ辞める時期も近づいてきたので気合も入らないようだった。

問題は彩音さんは樹恩が自分の代わりというのが気に入らないと伝えてきた。

彩音
「山ちゃんおかしいよ。あれ(樹恩さん)が私の代わりなんておかしいよ!」

山野
「分かります。そうだと思います。」

そこは、正直そう思う。でも、現実はそうなんでしょうね。

彩音
「山ちゃん悔しいよ。あれ(樹恩)が私の代わりなんて、世の中が間違っている。私の思うとうりの勤怠で、仕事しなくてもお金もらえる環境が無くなるのはおかしい!」

山野
「分かりました。色々おかしいですね。」

彩音さんも中々の自論を展開する。

彩音
「何で首なのかちゃんと知りたいよ〜勤怠だって悪くないはずなんだ!!」

山野
「勤怠表を確認してみますか?」

彩音
「たのむ。絶対にグラフもつけてね。」

山野
「かしこまりました。」

話がずいぶんそれだが、彩音さんは樹恩さんが自分の代わりであることが納得できないことはよく理解できた。

彩音さんに資料を見せたところ彼女は病気でやめようと思っていたらしい。

彼女は自分が休みの申請を出していたが全て嘘であること教えてくれた。

彩音さんはその月末にチームから卒業していった。

ジョテさんに至っては樹恩さんと関わり合いたくないけど、メガネ買わせないと仕事にならないから、連れてきた鬼瓦さんに話をすると言ってきた。

そこで、メガネの件とその日の作業を記録させる話を本人にすることにした。

仕事以前の問題であるが、真野さんが若いので話を聞かないように見受けられる。

股狩野さんが一生懸命に作ってくれた資料についてケチをつけるなど、人として欠落していることが判明したが、一番の問題はメガネがない「文字が見えない」ことを理由に仕事ができないと言っていたことだった。

人を選んでとにかく仕事を回避する能力には長けていた。

念のためにメガネが本当に必要かの確認をするために、仕事中に真野さんと同じことをやってみた。

樹恩
「すいません。ここはどうやって書き込んだらいいですか?」

山野
「ちょっと待ってくださいね。樹恩さんもう少し画面が全体が見えるようにしてもらえませんか?流れがわからないので。」

樹恩
「大きくすると文字が見にくいんです。」

山野
「いつからですか?」

樹恩
「ここ最近です。だけど、メガネがなくても大丈夫です。」

山野
「なるほど、分かりました。ここまで、これをコピーして下さい。」

樹恩
「ショートカットキーが使えないんです。使えないのはおかしいです。」

思い通りにならないとパニックになるタイプ、というより決まったものをなぞっているように見えるので、この場合は丁寧に話をしてみよう。

山野
「樹恩さんの言うとうりですね。確かにおかしいですが、ここのシステムは多くの人が使うので、うまく動かなくなることがあるんです。樹恩さんが悪いわけではないですから、少し待ってやってみましょう。」

樹恩
「わかりました。このシステムは得意ですが決まったとうりに動かないと仕事にならないです。」

山野
「わかりました。コピペしてもらっていいですか?」

樹恩
「わかりました。多分出来ないと思います。」

やったらできた。樹恩さんは納得していない。そりゃそうだわな。自分が1人でやって上手くいかなかったのに、人が指導してそのとうりに動くなんて信じたくない。

これは、山野が研修の中にスタッフの扱い方の項目に入っていた。

書類によると「仕事の問題の殆どがヒューマンエラーでありそれはその問題を起こした人の何かしらの問題である」と書きてあった。

山野
「あ、できましたね。保存してください。」

樹恩
「保存しました。」

山野
「ありがとうございます。少しお話をしたいので、リフレッシュルームに行きましょう。」

作業を真野さんに渡して自分と樹恩さんはリフレッシュルームに向かった。

本来なら会議室を取り教えるところだが、相手が女性のため2人で会う時はオープンな場所を使うのが基本である。

今回は着任して今の感想を兼ねたヒアリングかあるとこと山野が業務態度を見ての感想を伝えることを話した。

山野
「樹恩さん、仕事を始めて2週間経ちましたが、何か困っていることやかゆじてることはやそれ以外でも調子はどうですか?」

樹恩
「感想と言われましても困ります。」

山野
「なるほど、確かにそうかもしれませんね。普段から声をかけるようにしたいのですが、気が付いたことがあればお話を聞かせてもらうと助かります。」

樹恩
「質問の意味が難しくてよくわかりません。」

山野
「そうですね。わかりました。仕事の調子はどうですか?」

樹恩
「皆さん教えてくれるので仕事が早くできると思います。」

山野
「いいですね。ほかに何かありますか。」

樹恩
「難しい用語か多くて勉強するのが大変です。」

山野
「確かにそうですね。用語を理解するために用語集、やインターネットで調べることも良いことにしていますが調べて読んでますか?」

樹恩
「難しいので読んでません。用語集は作った人がおかしいです。」

山野
「そうなんですね。教えてくれている人についてどう思いますか?」

樹恩
「教え方が厳しいと思います。優しくないです。」

山野
「なるほど、私も一緒についてやってみましょう。樹恩さんにはなにをやったか分かをちゃんとノートに記録してください。」

樹恩
「わかりました。」

山野
「文字が認識できないのは仕事に支障が出るのと思いますがどうやったら見えるようになりますか?」

樹恩
「私、見えてます!!!間違っていません。」

逆ギレというごく一般的なコミュニケーションですね。権威をぶつけて頭を冷やさせよう。

山野
「そのまま会社に伝えますね。」

樹恩
「え⁈あの、え⁈」

山野
「念のためもう一度聞きますが、文字が認識できないのは仕事に支障が出るのと思いますがどうやったら見えるようになりますか?」

樹恩
「メガネを買うことです。でもお金が無いんです。」

山野
「派遣元の会社に話をしましょう。」

樹恩
「わかりました。」

山野
「残念なことに私がこの話をすると言うことは、業務に支障が出ていると判断されています。樹恩さんが動いて対応すればこの件はそれで終了です。」

樹恩
「わかりました。」

次の日からノートをつけるようにつたえたが、やる気配がなかったそれどころか残業をするようになり、真野さんは時間の無駄だと言って定時で帰り相手にするのをやめた。

当然ながら後処理をすることになったが、谷間課長にその伝えたところ、直ぐに鬼瓦さんに話が行ったらしく、樹恩さんの件で何かあった時は鬼瓦さんを通してように言われた。

この結果はなにも改善されないがメガネは直ぐに変えるように手配はしてくれた。

メガネを手に入れた後樹恩さんは日報をつけるようになった。

樹恩さんがメガネを買ったはいいがメガネをかけない。

マスクを外したことがあり、顔が黒ずんでいることに気がついた。

文字が見えていないので業務に支障が出る。

真野さんは定時以外は樹恩さんの対応はしてくれた。

真野
「メガネを掛けてください。」

樹恩
「鼻に当たって痛いので嫌です。」

真野
「分かりました。後は私がやります。」

ここは、相変わらず変わらないままだが、まぁしょうがないだろう。

少しおかしなことが起きた、樹恩さんがPCを扱うとクラッシュしたり動かなくなったりする。

マクロを動かすととまることはよくあるので。マクロを使うのをやめても現象は変わらなかった。

こんな時はあれを開くしかない、だがそんなことが書いてあるのだろうか?

仕事の指南書
「ヒューマンエラーです。人的ミスです。そうなんです。やっと帰ってきくれましたね。ストレスフルです。でも開いてくれてありがとうございます。」

絶対誰か住んでるよこの本!!

次のページが自然にめくれる。

仕事の指南書
「あなたはその人を観察していていくつかの矛盾を発見しているはずです。自意識過剰で、マイナス思考の方の特徴で常に周りを意識しているために、仕事には集中していません。そこで自分で使いこなせるものすらできなくなります。注意散漫な状態です。対策についてはカウンセリングご必要ですが精神が不安定のため基本的に効果は見込めません。」

少し過激になっているな。結構危険なのかなぁ

仕事の指南書
「ルーチンワークをしていただきましょう。そうすれば相手は安定します。」

何度か鬼瓦さんや配下の人間に事情を説明して人員の交代をお願いしたがダメだった。

樹恩さん山野のカウンセリングを受けることになったが、最終的にお客様からの指摘を受けて退場の危機に瀕する。

樹恩さんは別のチームに移動する予定だったができなかった。

樹恩
「私今度そっちに行くことになったの〜」

利害関係女子
「へーそうなんだ聞いてない。良かったねー」

樹恩
「うん、よろしくね。」

正直、言わなきゃいいのにと真野さんが呟いていた。

それは、3日後に契約解除確定という形で現れた。

樹恩さんをかばっていた利害関係のあるメンバーですら彼女が自分たちのチームに転籍できないように手を回したと聞いた。

「それでも居れば金になる。」

これは、調整してなどを行なっている部署の方が力を込めて放った言葉であった。

同じことを利害関係者も言っていたが、自分のところに「問題」が来ることは嫌だったらしい。

思うところはあるが、それが世の常だと思うようになった。

谷町課長が新たに補充で人を入れてきた、ずっと貧乏ゆすりしている。

過去はバンドマンだったのかもしれないが、目が死んでいる。生気をかじられなく常に何かに追われている。以前に精神を病んだらしい。

仕事はしてやってなくてもやっていると言うし何かあると人の悪口を言い続ける。かなり被害妄想が激しい。以前は良かったと過去に浸り続ける。

貧乏ゆすりマンは山野に対して早くやめた方がいいと、アドバイスしてくれた。

きっと目に見えない何かと戦っていたのかもしれない。

2ヶ月ほどいたが現場を引っ掻き回すので去っていただいた。

この被害妄想な方を股狩野さんにお任せしたが、ある意味これがトドメになったらしく股狩野さんが本格的に壊れ始めていた。

口頭でお願いしたことをやっていただけなかったのをチームのメンバーが代わりにやっていたのだが、顧客が指示したことすら出来なくなっていた。

簡単な指示書を渡すとミスなく作業を行ってくれていたのだが、それすらある時点で突然ミスを連発し始めた。

ある時点とは多趣味な股狩野さんの副業が功を奏したと言うか、災いしたと言うか、お客様から切るように指示があった。

念のため、例の物を開いてみよう。

仕事の指南書
「ズバリ、その方々は人に言えない悪いことをしていると思い込んでいるかもしれません。人は悪いことをするとそこから立ち去りたくなるんですよ。」

おいおい、そんなことないだろうよ。

自分の好きなことをやって、仕事でミスしてお金に困ってなくて、自分の好きなことやって…あれ?仕事でミスしたことかな。

仕事の指南書
「そこです、そこなんですよ。仕事でミスをしたことが彼にとって悪いことなんです。彼自身が自分を許せないんです!」

そんなもんかね。人によっては嘘ついても平気な人もしいると思うけど?

仕事の指南書
「研修で人を見抜く方法をやりましたよね。嘘つきは…嘘しかつきません!彼は正直者でした。ただそれだけです。」

あっさりしてるな。

そして、股狩野さんも現場から去った。

そして、初めて本来の機能を取り戻していたチームだがプロジェクトが終わりに近づいて人が次々といなくなりチームの解散が決定した。

最後までいると宣言した人は誰1人残らながったが、唯一良かったことは山野の収入が格段に上がった。

勝手に例の物が開いた。

仕事の指南書
「目的を見失わず最後までやりとうした結果です。」

随分、偉そうだ。

おしまい。

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