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【小説】あるある派遣社員④研修制度

第三章:研修制度

登場人物
主人公:山野五郎、派遣社員、35才、普通の社会人
現場に入り顧客の望むものを生産するのが仕事
(研修を乗り切りスタッフとしての能力を上げる。)

研修担当:大田士道
スタッフが研修で学んだ技術を実践で使えるようにさせるのが仕事

大田
「今日は登録で来たのにとんとん拍子で案件まで決まり研修にきました。と顔に書いてますが、山野さん本日このまま研修をおこなってよろしいですか?」

山野
「良く分かりますね。」

大田
「弊社の営業は、多少強引なところもあるので、皆さんお疲れ気味の表情を浮かべます。どうされますか?」

山野
「このまま続けてください。」

大田
「分かりました。ごあいざつが遅れました。研修担当の大田と申します。」

山野
「宜しくお願いします。」

大田
「あまり構えないで研修を受けていただけると助かります。」

太田さんはパワーポイントを開き研修のルールを説明をしてくれた。鉄板ルールは「分からない言葉ある場合はメモを取り必ずその言葉を調べる事。」

山野
「名刺交換とか挨拶とかですか?」

太田
「はい、それも含まれていますが、山野さんに研修のメニューが作成されました。」

山野
「研修のメニュー?!」

大田さんはリストをプロジェクターで映し出した。

ベーシックプログラム
・スペシャルコミニケーションプログラム(SCP)
追加のプログラム
・リーダーシップ

大田
「皆さんには、スペシャルコミニケーションプログラム(SCP)を受講して頂いております。」

テキストを開くと勉強の仕方、コンプライアンス、コミュニケーションや簡単なドリルが記載されていた。

リーダーシップは管理を行なう術が記載されている。

大田
「山野さん、これから新たな時間で研修を始めていきます。まずこのテキストを読んでいただいて読み終わったら声を掛けてください。」

経験上、会社の説明を聴きコンプライアンスを口頭で説明があり入力テストなどの最低限の事務テストを受ける。良いか悪いかは別問題としてどの様なストレスに弱いかを調べて認識をする。

どうやら、今までと違うようだ。

山野
「読み終わりました。」

太田
「ありがとうございます。世の中は理不尽です。そして現場は混乱しています。どうしようもないと思っても学んだなんだ事を思い出してください。あなたは一人ではありません。忘れないでください。何かあれば弊社にご連絡ください。」

山野
「派遣会社でそんなことを言われるとは思いませんでした。」

大田
「そのように言われる方もいます。あと、この研修を受けるとお客様に気に入られて契約書にサインをしたくなると思いますが、焦らないで良いのでじっくり考えてお仕事を決めてください。」

研修は全部で2日20時間で半分は座学で半分はドリルという個別とグループワークの約20名から構成されていた。

研修の一例として社内であった人に片っ端から挨拶を行い名詞を交換しお礼をその場で考え5分以内にメールで返信する。「自分を知って貰う」は新鮮味があった。リーダーシップに関しては仕事のモチベーションを上げる為に作業のメインを数値化するトレーニングを行なった。現場に必用な情報しか行なうことはなく、「気合で起立」はなかった。

太田さんからこの研修内容は一般企業にも提供していて評判が良いらしい。

大田
「研修を受けられた皆様にはお手元に手引書を配らせていただきました。その中には皆さんを助けるツールが入っています。是非ご活用ください。」

スペシャルコミニケーションプログラム(SCP)リーダーシップそれぞれの修了証が渡され、同意書にサインを行なった。

次回に続く・・・


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