【小説】あるある派遣社員⑩情報収集
登場人物
主人公:山野五郎(やまのごろう)、35才、普通の社会人
現場に入り顧客の望むものを生産するのが仕事
(情報を収集する。)
広告会社キャッチキャッチの社員
綱田道後(つなたどうご)主任
出向先課長:谷間忠雄(たにまただお)
現場での命令指揮者。
【案件進捗管理チーム】
スタッフリーダー :猿野洲瑠(さるのすねる)
スタッフサブリーダー:股狩野勝(またかりのまさる)
スタッフ :山本彩音(やまもとあやね)
スタッフ :億燈時雄(おくとうときお)
スタッフ :美香・ジョテ・金城(みか・じょて・かねしろ)
スタッフ :真野信一(まのしんいち)
スタッフ :細工大介(さいくだいすけ)
仕事の指南書:困ったら開く本、語り口調で書かれている。
第9章:情報収集
彩音
「そろそろ、話ししてあげるからタバコルームに行こう。」
彩音にビルを案内すると言われて、設定作業をしているPCは更新プログラが走っていて何もできないので放置してタバコルームに行くことになった。
山野
「わかりました。よろしくお願いします。」
彩音
「ほかのメンバーは基本的に何も知らないバカが多いし、この情報は金で売ってもいいぐらいだけど、山野さん挨拶普通にできる人だから、ただで教えてあげるよ。」
山野
「ありがとうございます。」
彩音
「山野さんって言いにくいから、山ちゃんで良いかなぁ」
山野
「チーム内 は良いと思いますよ。お客様がいるときは、山野でお願いします。」
彩音
「山ちゃん、猿野は本当に猿だよ使えないやつだからつぶしておいたから安心してね。」
山野
「え、彩音さんそんなことやったんですか?怖いなぁ」
ここは弱気に行かないといけないかな。
彩音
「仕事やって出来ないならしょうがないよ。何もしないんだよ、そうすると私がジャスティスだから対応することにしたんだよね。綱田さんと話をして使えないやつをリスト化してあるよ。因みにあと一人首になるんだ。」
山野
「それは、私ですかね。」
彩音
「着任したばっかりでさすがに切らないでしょ。因みに元受会社は何もしないから、注意してね。後で紹介するけど、コンサルタントの天野雀さんってのがあたしほどじゃないけどできるから、仲良くしたほうが良いね。」
山野
「後ほどご紹介して下さい。」
彩音
「あたしが言っていいのか分からんが、天野さん勤怠悪いんだよね、お客さんのお気に入りだから詰められていないけどね。」
山野
「メモ取ります。彩音さん凄い情報通ですね」
彩音
「まーシングルマザーだからさスエットで伊達に出勤してないよ。」
山野
「・・・確かにスエットですね。」
シングルマザー関係ないし、入り口のドレスコードあったけど見てないのね。
彩音
「ドレスコードなんて関係ないから、そこのところは宜しく!!」
山野
「・・・気が向いたらドレスコード守ってみると良いかもですね。普通の洋服長にあうと思いますよ。」
これが、モラルハザードってやつですかね。
彩音
「考えとく」
山野
「宜しくお願いします。」
まんざらでもないのね。
ジョテさんがタバコルームに入ってきた。
ジョテ
「彩音ちゃん、ちょっと聞いてよ。猿野最悪なのはデフォルトだけど、細工も人の話し聞かなくなったのよね。どうしてかしらまったく、あらサブサブリーダーの・・」
山野
「山野です。彩音さんから山ちゃんのニックネーム頂きました。」
ジョテ
「彩音ちゃんマジ、そのニックネーム良い。あたしも山ちゃんと呼ぼう。」
彩音
「山野さんて言いにくいから、山ちゃんにしたの良いでしょう。山ちゃんさっき言っていたもう一人いなくなるやつが細工さんね。仕事遅すぎで使えないから首になるって決まったんだ。」
山野
「ありがとうございます。メモります。」
ジョテ
「山ちゃんあんたも仕事しないと首にしちゃうよ。それともこのピンヒールで踏んでおく。」
山野
「・・・いたいのは不得意です。」
美人だし人によっては踏まれたいんだろうな。
ジョテ
「そう、せいぜい頑張るんだよ。とは言っても何も分からないんじゃまずいよね。」
彩音
「大体の話はしたかな。あと、億燈は携帯いじってるから注意したほうが良いね、後であたしが注意の仕方の手本を見せるから参考にしてくれれば良いよ。」
ジョテ
「真野くんね彼は仕事できないんだよね。顧客の資料作成の経験があるといっていたけど、あれは素人だね。」
山野
「ありがとうございます。山狩野さんってどんな人ですか。」
彩音、ジョテ
「気持ちの悪いオヤジ」
山野
「声はハモましたね。情報ありがとうございます。」
小奇麗にしているとは思うが、業務内容は直接本人に聞いてみよう。
彩音
「まあね。因みに私とジョテさんは山ちゃんのプロフィール元受の谷間課長から入手して、業界未経験なのは聞いてるよ。今回集まったメンバーって実は全員素人だから、マジうけるね。」
山野
「そうなんですね。」
契約時の対応が早かったのはこのためか、10ちゃんねる時間がるときに一読するか。だいたい、女子の意見は収集できたから次はメンズの意見だな。
30分程タバコルームで過ごし情報収集を行い。億燈さんはどこかに行ってしまったらしく、残りのメンバーから情報を収集することにした。
まずは細工さんを観察どのタイミングで話ししようかなぁって表計算ソフトの画面を大きくしたり小さくしたりしている。忙しそうにしてるけど仕事どうしたらいいかわけわからないのかもしれないなぁ。タバコルームの話は信じられなかったが少し信憑性がでてきた。と言っても今日だけかもしれないし話しかけてみるか。
山野
「細工さん調子はどうですか?」
椅子から転げ落ちる細工さん。ビビリすぎだろ普段何か悪いことでもやっているのかな?
細工
「いきなり声かけないでください。誰が狙っているか分からないでしょ。」
山野
「誰に狙われているんですか?」
細工
「スナイパーに狙われることもあるんですよ。」
山野
「分かりました。気を付けます。」
最近は物騒になったんだなぁ
細工
「分かっていただいて助かります。」
山野
「話しかけても良いですか?」
細工
「大丈夫です。」
山野
「細工さんはどのような仕事をしているんですか?着任時の資料には名前も仕事内容も現場で確認するように言われてて。」
細工
「自分は最後の開通日の確認と完了報告書の受領です。」
山野
「開通日⁈ですか、作成完了の納品日確認ではなくて⁈webとか、紙などの広告代理店じゃないですか?」
細工
「山野さんのところもオーダー違いますね。詳しいことはわからないですけど、今回の仕事は通信回線のリプレイスらしいですよ。ちなみにドレスコードはここ関係ないらしいんで自分趣味に走らせて頂いております。」
軍服なのは趣味なんだ。ダメでしょう。聞かないと思うが一応話すか。
山野
「そうなんですね。綱田さんが睨んでいるのはなぜでしょう。」
細工
「きっと自由な服装ができないからだと思います。」
山野
「たしかに、もしかしたら自由すぎるのが気になったのかも知れませんね。」
谷間課長に確認しよう。業務内容が違うような気がする。契約書「案件進捗に関わる一切の業務」だから限定はされていない。
細工
「自分、今日は定時で上がりたいです。お客さん残業しないと起こるんですよ。仕事何してるか正直わからないです。綱田さんには首にするよって脅されちゃいました。」
実際、首らしいけどこれも未確定情報は流せないから要確認だ。
山野
「そうなんですね。また何かあったら声掛けさせてください。」
細工
「よろしく。」
億燈さんとサブリーダーの股狩野さんに話を聞いたが、億燈さんが現場調査(現場に行って情報を確認する作業の報告書回収)股狩野さんは事前工事(事前に機器や配管をつけに行く工事)を行なっているとのことで全体の件数は分からないと言っていた。
猿野
「真野さんと山野さんは一緒に業務お覚えてください。」
山野
「よろしくお願いします。」
真野
「こちらこそよろしくお願い致します。」
次回に続く・・・
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