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【小説】あるある派遣社員②案件紹介

第一章: 案件説明

登場人物
主人公:山野五郎、派遣社員、35才、普通の社会人
現場に入り顧客の望むものを生産するのが仕事
(案件担当と仕事を決めて研修を受ける。)

案件担当:川上善人、案件担当
案件をスタッフに紹介するのが仕事

川上
「山野さんですね始めまして案件担当の川上です。」

山野
「はじめまて、宜しくお願い致します。」

川上
「山下からリーダー適正が人材分析テストと面談で確認できたと承っています。」

山野
「人材分析テスト?いつ終わるか分からないWEBテストですか?!」

川上
「いつ終わるか分からないWEBテストです。ちなみに400問あります」

山野
あのテスト400問もあったのか・・・
テストは適性検査も兼ねていると受付の女性が言っていたな。
面談の時に適正の参考にでもなったのかな?

川上
「20の項目から現時点の状況、具体的には強みを弱みが分かるのでスタッフさんに合わせた効果的な研修プログラムを作るのに役立てています。併せて弊社の面談は社会性を知ることができる質問をさせていただいております。」

山野
「はぁ、効果的な研修なら受けてみたいです。」

川上
「わかりました。はやる気持ちはご理解できますがまずは案件の詳細をお話しさせていただきたいと思います。研修は必須で受けていただきます。」

山野
「宜しくお願い致します。」

川上
「業界は広告代理店で、業務内容は工程管理になります。ジャンルは紙媒体~Webまで幅広く扱っているお客様になります。」

山野
「全体の工程管理を行なうのでしょうか?」

川上
「全体では範囲が非常に広くなるので、現場にて管理の弱いチームに入っていただきリーダーをサポートするサブリーダーを行なっていただきます。」

山野
「今回は初めての業種になるので用語などの不安もあるのですが大丈夫でしょうか?」

川上
「はい、初めての業種との事で本来はリーダー職に就けたいところをサブリーダーにさせて頂きました。現場にて身に着けてください。」
「金額は今回の案件について最大48万までお支払いが可能です。」

山野
「最低金額は幾らですか?」

川上
「15万円です。」

山野
「他の仕事はどの様なものが・・・」

川上
「冗談です。38万円です。」

山野
「・・・・・・」
この案件何か妙だ金額の幅もさることながら、なにか違和感がある。

川上
「山野さんには大変申し訳ないのですが、一般スタッフよりも安い金額で引き受けていただくことになります。一般スタッフより高いと勘違いされた場合つるし上げに合います。もちろん顧客面接を受けていただきその結果を基に回答いただいて問題ないですよ。」

山野
「説明内容が自分が仕事していた中で初めてなので戸惑いますが、給料交渉は受け付けますか?」

川上
「そのようなお話しは良く聞きます。交渉の件は顧客がYESといえば可能です。ちなみにお話しを聞いてお断りになる方がほとんどです。」

山野
「そんな案件紹介するんですか。」

川上
「そんな案件だから仕事になるんです。あなたは自分自身を売らなければなりません。本案件で好成績を上げればお支払いする金額は上がります。」

テストの結果は忍耐力は上級、観察力は中級、倫理力は上級、協調性が低級総合評価_秩序を取り戻すリーダーこれは金になります。

山野
「なぜ、最低ランクなのでしょうか」

川上
「野暮なこと聴かないのが大人です。そんなに弊社も頂いておりませんからご安心ください。」

山野
「御社にどのくらい入っているのですか?」

川上
「野暮なこと聴かないでください。今回の業務を快諾していただいたものとして商流をお伝えしたいと思います。」

山野
「選択権はないんですね。」
ご縁とは時に非情なものなり、我、売り出し中の派遣社員昼夜を問わず働くものなり。もはや物珍しくもなし。

川上
「では…」
川上さんは満面の笑みで資料を映し出し説明を始めた。

山野
「自分が6段下の会社に所属することになり、それ以外のメンバーは4段したの会社からの出向で且つ素人の集まり人間関係は普通であるが全メンバー10人中多少癖のあるメンバーが3人がいる。クライアントには1名感情的てきになりやすく派遣や業務委託を敵視、気に入らない場合はつぶすまで追い込む習性がある。」

川上
「そのため、業務内容は「〇〇に関わる業務一式」になります。」

山野
「野暮じゃないですから聞きますよ。「〇〇」ってなんですか?」

川上
「それは、現場で確認してください。秘守義務がありますのでこれ以上はお伝えすることができません。もう1つトップダウンの案件の為、今回は本当に腹を割った話をしたつもりです。」

山野
「・・・・・」

川上
「あまり、ご自身を追い詰めないでください。」

山野
「追い詰める要素は何もありませんのでご安心ください。」

北上
「安心しました。ご紹介者の叔父様には無事に研修に進むことになったことをご連絡入れさせて頂きます。」

山野
「・・・・・ありがとうございます。」

結局何をやるのかは行ってみないとわからないってことか。紹介である以上、逃げ道はないからどうしようもないね。

次回に続く

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