書評:寿命ハック - 献血で寿命がのびる!?
健康に長生きはAround60の年代には重要なテーマ.この本,寿命ハック(ニクラス・ブレンボー著,野中香方子訳,新潮社)は最新の研究成果と長寿のための具体的な実践方法も書いてあり,不老や若返る生物の話などもあり読み物としても面白いのでおススメ.
実践方法は昔から言われていることや,この手の本に書いていることとほとんど変わらないが順不同で列挙する.
・運動する(ランニング,高強度インターバル,筋トレ)
・断食する
・食物繊維を多く摂る
・体重を減らす
・禁煙する
・歯のメンテナンスをする,歯周病を治療する
・献血する
・良好な社会的な人間関係
なお,「献血する」は初めて知った.本には出典が載っていないので,調べたところ以下の参考文献[1]が見つかった.これによると,献血頻度と死亡との相関を調べたところ,年間の献血が増える毎に死亡リスクが7.5%減少している.文献[2]では,文献[1]の著者が定期的な献血が寿命を延ばすと結論づけるまでの根拠はないと述べており,献血が効果のある理由の一つは,血液に鉄分が多い場合はそのレベルを下げることができるそうだ[2].
また,ラットを使った最近の研究によると,適切な献血はコラーゲンの再合成を促進し,皮膚の老化を改善する可能性が示唆された[3].人間による研究成果が待たれる.
参考文献
Sedsel Brøndum Lange: Frequent blood donors live longer, ScienceNordic, 2015
Liu et. al.: Blood donation improves skin aging through the reduction of iron deposits and the increase of TGF-β1 in elderly skin, 205, Mechanisms of Ageing and Development, 2022, https://doi.org/10.1016/j.mad.2022.111687
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