見出し画像

Whyを重視した教育の実装をしたい(いつか)

私は、以前教育業界に携わりたいと思っていました。(今もまだ少し思っているが)。自分が大学生・予備校講師をやっていた、2010年頃からずっと思っていることとして、「HowよりWhyを重視した教育を社会実装したい」というのがあります。

例えば、中学校でやる因数分解。授業でまず何をやるかといえば、
" x2 - 5x + 6 という数式があります。この5と6に注目して、掛け算で6になり、足し算で5になる数字を探しましょう。すると〇〇・・・"
といった具合です。

生徒からすると、最初は「なんでこんなことやるんだっけ?」と疑問に思ったとしても、段々そんな事は考えなくなり、とりあえずドリル問題をこなして、問題が解ける様になったから、よしとする、といった状態になります。

でも、実際は、日常生活の中で、因数分解が必要となるような、疑問は色々考えられます。例えば、ボールの投げ上げ問題。
参考)

直感的に、ボールを速く投げ上げたら、落ちてくるまでの時間がかかることはわかるけど、具体的に何m/sでなげたら、何秒で返ってくるのか。
まあ実際にこんな疑問の持ち方をする人は多くないかもしれないが、少なくとも、x2-5x…といった記号遊びをするより、手触り感のあって、興味を持ちうる問の設定だと思います。

それで、この問題を解こうとすると、高さ=0となる時刻tを求めることになり、t2-5t = 0 といった式を解くことになる。すると、二次の項がでてきた途端に、そのままでは解けないから、掛け算に分ける(因数分解)というプロセスが必要なんだな、と理解できる。

で、ついでに、高さ=0となる、tを求めると、t=0, 5といった形で2つの答えが出てくるが、「あー、たしかに投げ上げた瞬間も高さ=0だから、2つの解が出てくるのか」といったことも理解できる。

こういうレイヤーで理解しておくと、例えば高校数学の微分積分の話になったときに、その必要性が高校力学の観点からも認識できて、極めて具体的なイメージとともに学ぶことができると考えます。

まあもちろん、今のこの議論の中でも、「中学校で因数分解やるときには、高校物理の投げ上げ問題なんてわからない」とか「そんなこと一々やってたらカリキュラムが終わらない」とか色々突っ込みどころはあるかと思います。
ただ、ビジネス界で生きている中で、普段どんな人と話すときも、その人にとって唐突感のないように、「なぜこの話が大事なのか?」といった背景認識をあわせたうえで、会話をするわけですが、学校教育においてそれがおろそかだったなぁと改めて思います。とにかくカリキュラムにあるからやるのです、的な。

自分自身は、今の自分の気候変動関連の事業で手一杯で全く何かできる気はしないですが、いつかこうしたテーマにも関われたらなと思います。

※ここ10年位の教育業界の動きはあまり把握できていないので、自分の認識はもしかしたら古いかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?