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ニンジャラクシー・ウォーズ

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邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
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2021年1月の記事一覧

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【レスト・イン・スペース】

【#3】←  ゴーン、ゴーン、ゴーン……夕日に染まる礼拝堂から、厳かな弔鐘が鳴り響いた。周囲に広がる地衣類めいたキャンプに、もはやそれを聞く者はいない。避難民は一人残らず姿を消していた。天災を察知した小動物の群れの如く。  ニンジャトルーパー小隊を率いるイワビトは、放棄された雑多な仮住まいを蹴散らしながら、丘の上の礼拝堂へ歩を進めた。クノーイの情報によれば、レジスタンスの主要メンバーは今まさにダンの葬儀を執り行っているはずだ。  イワビトの目が怒りに細まった。避難民を

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【レスト・イン・スペース】

【#2】← 「両親? 俺は生まれつきの孤児だよ。親の顔も知らんのさ」 リュウは宇宙ライ麦パンを咀嚼しながら言った。「すまん。つまらぬ事を聞いた」ダンが頭を下げた。「気にすンな。慣れてる」 「ま、強いて言えば、俺にインストラクションをくれたセンセイがオヤジみてェなモンかな。ガバナスに殺られちまったがね」  そう語るリュウの表情に、ダンは複雑な感情の影を見て取った。「ハヤト=サンには内緒だぜ」リュウが冗談めかして唇に指を当てると、ダンは厳粛な面持ちで頷いた。 「アノ……もしや

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【レスト・イン・スペース】

【#1】← 「アイエエエ……もう歩けません……」  死んだマグロの目をした労働者は、肩から滑り落ちた鉄パイプに杖めいて縋り、我が身を支えきれず崩れ落ちた。 「甘えた事を抜かすな! 歩けーッ!」ガバナス下士官が叱声を飛ばす。「アイエエエエ……カンベンしてください……」「何がカンベンか貴様ァーッ! 神聖なる宮殿建築資材を地に着けおって!」 「もういい! 貴様もカロウシの前倒しだーッ!」下士官がレーザー拳銃を労働者の口にねじ込もうとしたその時、ヤジリめいた宇宙スリケンがどこから

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【レスト・イン・スペース】

(これまでのあらすじ)銀河の彼方、地球連盟第15太陽系に属する3つの惑星は、突然襲い来たガバナス帝国のニンジャアーミーに制圧された。しかしここに、平和を愛し、正義を守らんとする人々の戦いが始まったのである。 「15番目の太陽が/変わらぬ光を注ぐ/変わり果てた3つの惑星に」  身長7フィート超の宇宙猿人は、ハイクを吟じながら第2惑星アナリスの大地を踏みしめ、第15太陽系の主星・グローラーへ手を差し伸べた。 「ポエット! バルー=サンは詩人だね」スマートな宇宙ファッションに

《分割版#4》ニンジャラクシー・ウォーズ【ザ・ニンジャ・ウィズ・ア・ミリオン・アイズ】

【#3】← 「イヤーッ!」  第3惑星ベルダの地上を連続バック転で高速移動する宇宙ニンジャあり。レアメタル採掘場から脱出したメビトだ。  クノーイがどこからか見ているであろう。作戦の成否を報告するために。存分に見届けるがいい。鉱山労働者の攻撃など前座に過ぎぬ。フーリンカザンはこれから訪れるのだ。  追ってくるのは一人か、二人か。メビトはベルダの大地に立ち、待ち受けた……そして! 「イイイヤアアーッ!」  力強いカラテシャウトと共に、宇宙民族衣装が宙に舞った。「アイ