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オフィストイレ実証リビングラボの構築 〜働きながら健康になる〜

「オフィスにおけるトイレ空間のヘルスケア型リビングラボ化」を考えるとき、今まで見過ごされてきた機会が垣間見えます。オフィスのトイレが単なる生理的なニーズを満たす場所でなく、一種の健康診断所として機能することで、未来のオフィス環境がどのように進化していくのかを想像することが可能です。

まず、オフィスのトイレならではのサービスとして、尿検査キットや便検査キットの自販機設置により、尿や便の検査がいつでもできるようになります。さらに、これらのキットを専用のポストに提出することで、診断結果を迅速に得ることが可能となります。そして、尿の勢いを測定できたり、便の状態を把握できたりすることができるスマートトイレが、健康管理に役立つ具体的な情報を提供します。

ある雑誌で読んだのですが、興味深いことには、スタンフォード大学で研究されているスマートトイレには個人肛門認証機能が搭載されているとのことです。このトイレでは、尿や便を動画で記録し、流量や状態を計測することが可能です。しかも、尿や便の外観だけでなく、成分まで分析し、白血球数や特定のタンパク質の量を測定できます。これにより、感染症や膀胱がん、腎不全といった病気の早期発見に寄与する可能性があるのです。(ちなみに2020年時点の情報なので、現状は確認できていません)

また、ヘルスケアという視点だけではなく、オフィス・トイレ空間の空気清浄、脱臭・香りに関するシステムの導入や、個室の満空状況を利用者にサイネージで提供するなどの利用時における快適性を追求するモデルの創出にも発展できます。(部分的には現状でも事業化されているものもあります)

これらを総合的にプロデュースし、オフィス・トイレからのさまざまなデータをクラウド上に集積し、プラットフォーム化することで、さらに新たなサービスモデルの開発も可能になっていくと思います。

また、ビルマネジメント会社にとっても、トイレを実証リビングラボ化することで、そこに関与したい入居企業を集めることにもつながり、また、トイレが収益を生むモデルも構築できるかもしれません。

このようなビジネスモデルについては、ニーズがない、ナンセンスである、コストパフォーマンスが悪い、法律的な制約があるというさまざまな批判もあるでしょう。

しかし、これはあくまで未来を描く一つの試みであり、可能性を探るステップです。

月に行こうというビジョンがなければ、人類は今でも月に辿り着けていなかったでしょう。そうした視点から、この提案を見ていただければ幸いです。


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