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技術革新と現場の調和 〜介護リビングラボが切り開く新たな可能性〜

現代社会における介護現場において、ロボティクス化、IoT化、デジタルトランスフォーメーション(DX化)が着目されている一方で、実際の進展は遅々としているというのが現状です。しかも、その進行が見られるのはごく一部の施設に留まっています。

特に日本では、「テクノロジー」のイノベーションに重点を置き、一方で「社会の変え方」を規定するイノベーションに対する配慮が足りない傾向が見受けられます。結果として、新しい技術が社会全体に普及するための施策や活動が十分に展開されていないと言えます。

技術の進歩によって職務の進め方や組織の体制が変わり、技術が適切に活用されるようになるためには、各業務やプロセス、フェイズをサポートする機能が不可欠です。いわゆる「補完的イノベーション」を引き起こし、促進する機構が存在しなければ、先に進むことは難しいでしょう。

国などでは介護リビングラボの実施を推進していますが、医薬品開発のフェーズ3におけるCRO(Contract Research Organization)の役割に相当します。医療現場ではSMO(Site Management Organization)が不可欠であるように、介護施設や在宅介護の現場でも、SMOに該当する機能がなければ、現場における実証は円滑に進むことはできません。

介護現場では、スタッフは常に多忙であり、実証の協力など余裕がある状況ではありません。即応が求められる日々の業務に追われ、未来の必要性を理解していても対応できないのが現状です。

我々の介護リビングラボは、このような課題を克服するためのSMO機能を有するプラットフォームを提供します。具体的には、直接介護施設の現場に入り込み、スタッフと共に実証を進めます。合意取得、説明、具体的実施、データ収集など、現場で必要となる多岐にわたる作業を行うことが我々の目標です。そのため、我々は単に新たなテクノロジーを提供するだけではなく、それらが現場で適切に活用され、実際の結果につながることを追求します。

このようなプラットフォームの存在は、単に新たな技術の導入を促進するだけでなく、その技術が現場でどのように機能するかを評価し、さらに改良するための情報を提供するという重要な役割を果たします。

これにより、介護業界全体がイノベーションの波を乗り越え、新たな段階に進むことが可能となるのです。

介護リビングラボは、技術革新と社会の変化を同時に支援することで、介護現場の挑戦を共有し、解決するための強力なパートナーとなります。

これは技術と現場が共生する新たな介護サービスのモデルを創出し、全体的な業界の向上に寄与できると考えています。

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