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ミニマリストとかいうヒトビト

昔から整理整頓が苦手だ。それなりに不要なものは捨てているつもりだが、明らかにモノは増えている。夫婦揃ってそれは同じで、4DKの二人暮しがちっとも広く感じない。なかでも本やCDは容易に捨てることのままならない最たるもので、こちらは増える一方(今の世の中買わなくても読めるじゃない、聴けるじゃないという人はそもそもの出発点・価値観が違う)。整理上手な人はかなりうらやましい。整理上手は捨て上手というのも本当だと思う。

数年前から増えた言われている(畢竟メディアが増殖させるわけだが)ミニマリストという人種が、この環境下で減ったとかなんとか。曰く備蓄が必要になったので、曰く「おうち時間」を有意義に過ごすためにとか。何のこっちゃい、どこまで崇高なphilosophyをお持ちでいらしたのかは知らないが、なかなか現実的な対応でいらっしゃる。物を持たなすぎて友人に借りまくり人間関係まで断捨離した何ていうのは、もう完全にネタですな。ともあれ、現実社会に戻ってこられれば、それはそれでよろしかったではないでしょうか、と思う。

生活に支障をきたす極度の断捨離や「持たない」行為は、捨てられずにゴミ屋敷になる人と同様広義の依存症だとは思うが、これも社会のひずみの一つであるからして笑ってばかりもいられない。ひずみを食い物にしてまんまと踊らせているのはメディアだ。

そもそも自分でミニマリストと言いはじめたところから、もう消費される対象として、しっかり世俗の枠組みに組み込まれてしまっているのに。さらに一歩進んで「ミニマリスト・シズの素敵な生活」なんてものを発信しだしたら・・・。人間の一番やっかいな承認欲求や自己顕示欲はしっかり捨てずに持っていらっしゃるじゃないですか。

さあ、来年こそ思い切って捨てるぞ!


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