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出町座について。または上映作品、企画、あれこれについて。

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出町座について書かれた記事や投稿を集めます。みなさん、書いてくれてありがとう。
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#映画

『眠る虫』監督: 金子由里奈×音楽: Tokiyo 対談

東京、ポレポレ東中野で9月5日に公開された映画『眠る虫』。ポレポレ東中野では一ヶ月のロングラン。京都出町座でも10月9日から公開され、10月17日からは大阪ナナゲイで公開される。映画館を出た後、一駅分歩いて帰る人が続出している、不思議な魔力を持った映画だ。 監督の金子由里奈と、劇伴を担当したTokiyoは共に関西に住んでいる。『眠る虫』関西上陸を記念して対談を行った。 金子由里奈(かねこ・ゆりな)1995年 東京生まれ。立命館大学映像学部卒。立命館大学映画部に所属し、これ

【公開記念連載コラム】<『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?>(8)「『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』パンフレット内容紹介」

ニューディアー配給で9月12日公開の『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』。公開がせまる本作について、不定期コラムとして作品紹介をしています。第八弾は劇場で発売される大充実のパンフレットを特別に紹介します! 過去のコラムはこちら「【公開記念コラム】『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?」 『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』パンフレット目次P1【FROM THE DISTRIBUTOR 本作の配給にあたって(土居伸彰)】 P2-3【INTRODUCTION】 P4-5【STORY】 P

【公開記念連載コラム】<『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?>(9)「『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』劇場限定発売のブルーレイ紹介」

ニューディアーが配給を行う『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』。ついに本日公開となった本作について、コラムとして作品紹介をしています。第九弾は公開初日から劇場限定で販売されるブルーレイディスク(税込み3500円)の特典映像についての投稿です。 過去のコラムはこちら「【公開記念コラム】『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?」 『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』のBDには3つの特典映像が収録されています。監督のオンラインインタビューとメイキング映像は合計40分以上の大ボリューム、さらに

【『ゲーム「マイエクササイズ」発売記念 和田淳特集上映 私の秘かな動く愉しみ』公開記念】ブルーレイ『和田淳作品集 2002-2020』紹介

渋谷・ユーロスペースにて9/19から公開の『ゲーム「マイエクササイズ」発売記念 和田淳特集上映 私の秘かな動く愉しみ』。 和田淳にとって初のゲーム「マイエクササイズ」の発売を記念して行われるこの特集上映では、和田淳の18年間を凝縮したブルーレイ『和田淳作品集 2002-2020』(税込3,500円)を劇場限定で発売します! ベルリン映画祭銀熊賞受賞『グレートラビット』をはじめとする和田淳の代表作品が全網羅されているのはもちろん… 特典映像は、総尺なんと170分超! ・

【公開記念連載コラム】<『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?>(番外編2)「『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』と『マロナの幻想的な物語り』の意外な共通性とは?」

現在渋谷のシアター・イメージフォーラムにて絶賛公開中の『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』。今回の公開記念コラムは趣向を変え、偶然にも現在同時に日本公開されている海外アニメーション『マロナの幻想的な物語り』と『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』の共通性を探っていきたいと思います。 過去のコラムはこちら「【公開記念コラム】『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』はどんな作品?」 『マロナの幻想的な物語り』は、昨年のアヌシー国際映画祭でワールドプレミアとなり、日本でも今年3月に東京アニメアワードフェステ

ローリーのカッコ良さ!!!|September.3

子どもたちを連れて、遠くまで車を運転して、行った先の建物の鍵を家にいる夫が持っていて、せっかくここまで来たのに入れないという夢を見る。 昨日は、スピッツのコンサートがあることに当日気が付いて、今から急いで東京へ行けば間に合うのに、新幹線の時間がどうしても調べられない、東京へなかなか行けないという超絶もどかしい夢を見た。一緒に行くはずの友だちからも一切連絡がないし、そうしてる間にコンサートの時間は迫るし、なのに、どうやっても新幹線の時間が分からない、その場から動けないという、

いるかいないか

 『れいこいるか』という映画を観た。好きな映画監督が、Twitterで勧めていて興味が湧いた。派手な映画ではないし、何もなければ観てなかったかもしれない。でも、これがどえらく良い映画だった。  阪神淡路大震災で愛娘を亡くした夫婦が、その後どう生きているか描いた映画だった。この題材ならば感動モノにするのは容易いと思う。でも『れいこいるか』は、映画らしく味つけられた部分が一箇所もなくて、あまりの自然さに圧倒された。特別な台詞なんてひとつもなかった。でも強く惹きつけられた。それは、

映画『ひとつのバガテル』感想

この文章はネタバレを含みます。敬称略 監督・脚本・撮影・編集:清原惟  2年前に『わたしたちの家』を観てすっかり「ひとめぼれ」してしまい、清原監督の他作品も観たいと思っていたのだが、このたび出町座にて本作が待望の上映となった(〈肌蹴る光線 -あたらしい映画- 特集〉)。  あらすじ。アキは古い団地のマリという老婦人の部屋を間借りしている。マリのことは好きではないが、昔からこの部屋にあるというピアノを弾くのは好きだ。ある日「あなたにピアノをあげる」という手紙を受け取るが、

『シーズン・イン・フランス』レビュー【未確認映画解放同盟】8/28-9/3出町座で上映!

7月に続き、「未確認映画解放同盟」第二弾! 今月は 8/21-27 『アット・ウォー』https://demachiza.com/movies/6893 8/28-9/3『シーズン・イン・フランス』https://demachiza.com/movies/6890 の2本です。 今回も、私たち、映画チア部京都支部が映画の鑑賞体験を手助けするためのレビュー、解説を書かせて頂きました! まとめて冊子になり、出町座で8/21より無料配布されますのでぜひ! 今回は、前回からパワー

『アット・ウォー』レビュー【未確認映画解放同盟】8/21-8/27出町座で上映!

7月に続き、「未確認映画解放同盟」第二弾! 今月は 8/21-27 『アット・ウォー』https://demachiza.com/movies/6893 8/28-9/3『シーズン・イン・フランス』https://demachiza.com/movies/6890 の2本です。 今回も、私たち、映画チア部京都支部が映画の鑑賞体験を手助けするためのレビュー、解説を書かせて頂きました! まとめて冊子になり、出町座で8/21より無料配布されますのでぜひ! 今回は、前回からパワー

映画『ムード・ホール』から、2本のエピソードを公開するにあたって

COVID-19によって、今は社会、国際情勢、政治、経済、産業、文化・芸術はもとより、労働、教育、ライフスタイルなどあらゆる価値観に変化の兆しが見え始めた、世界規模の社会実験的状況といえます。 2020年2月14日から27日までの間、京都の出町座で『ムード・ホール』が上映されました。カワイオカムラの単独作品が映画館興行として上映されることは初めてで、劇場看板横にバナーが飾られた時は感無量であった一方、初の自主配給は、夜毎届くその日の興行成績に緊張し、一喜一憂し、SNSによる

京都・出町座で映画『HELLO WORLD』を観る

この記事はもともと、京都のミニシアター・出町座さんのハッシュタグ企画「#はじめての出町座」に賛同して書きかけていたものです。ただ色々あって、最終的にハッシュタグ企画にはごく簡単なツイートで参加しました。そして応募が締め切られ受賞作が発表された後にこの記事を公開しています。よってこれは応募記事ではなくて、企画にインスパイアされた独り言、ツイートの裏側、と思って下さい。 2019年10月末、全国で映画『HELLO WORLD』の上映終了が近づきつつある中、必死でセカンドランを探

2020鑑賞感想023 静かな雨

ジャンル:映画 作品名:『静かな雨』 監督:中川龍太郎 原作: 宮下奈都「静かな雨」 出演:仲野太賀 衛藤美彩 三浦透子 坂東龍汰 古舘寛治 川瀬陽太 河瀨直美 萩原聖人 村上淳 でんでん 他 場所:京都 出町座 鑑賞日:2020/02/22 14:55- あらすじ 大学で生物考古学研究助手をしている行助(仲野太賀)は、こよみ(衛藤美彩)という女性が一人で経営するたいやき屋に通ううちに彼女と親しくなる。しかしある朝こよみは交通事故に遭い、意識不明になる。奇跡的に意識を取り戻

映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

京都のいい映画館の出町座でみてきました「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」。まずは、出町座でみることが感慨深いというかですね、クラウドファンディングから始まって、少しずつ前に進んでいって、作品としての「この世界」と映画館としての「出町座(立誠シネマ)」が、装いを新たにしてお互い出会うというのがですね。うれしかったんですよねえ。 で、中身の話ですが。元の「この世界の片隅に」を「この世界」、新しいほうを「さらにいくつもの」って呼びますけどね、「この世界」のほうがシンプルな関