見出し画像

議会報告①大津市の情報公開のあり方について

8月通常会議の一般質問が終わりました。

議会ってどんなことしてるの?
どんな質問するの?など、興味をお持ちの方もいらっしゃると思います。

そこで、議会報告として、私の質問原稿を紹介したいと思います。
少し長いですが、良かったら読んでみてください。

執行部の答弁も最後につけておきます。
では、1問め「本市の情報公開のあり方について」です。
どうぞ ↓

大津市は市政情報課で市民からの情報公開請求に応じています。
私は、今年度から大津市民会館及び大津公民館の指定管理を受託した事業者が、どのような提案をして選定されたのかを調べるために、応募時の事業計画書を情報公開請求しました。
ご承知のように大津市民会館と大津公民館は同一建屋に在る複合施設であり、両施設を合わせて一事業者が指定管理を受託することになっています。
情報公開請求を行った事業計画書は、新たに受託した事業者が、市民にどのようなサービスを提供してくれるのか、計画のどのような点が評価されて選定されたのかを知るために、欠かせない資料です。

情報公開請求の結果、市政情報課から公開された資料がこちらです。
スライド①

B03-14.補足資料(出町明美議員 R03.08一般)_1

スライドをご覧ください。
左が大津市民会館、右が大津公民館の事業計画書です。
一番肝心な基本方針ですが、レイアウトはほぼ同じですが、大津公民館については、タイトルの言葉以外すべて黒塗りされています。
スライド②

B03-14.補足資料(出町明美議員 R03.08一般)_2

定性目標です。どのような施設であるべきかを定めている部分です。
左の市民会館の事業計画書では、一部写真等を除き公開されています。
しかし、右の公民館の方はほとんど黒塗りで、何が書いてあるか分かりません。
これでは、どんな事業をしてくれるのか全く内容が把握できません。
スライド③

B03-14.補足資料(出町明美議員 R03.08一般)_3

ご覧のように、見出しやレイアウトは全く同じで、内容についても同じようなものだと推測されます。
私は、これでは選定の理由が分からず、また同じような内容なのに、公開のものと非公開のものがあるのかと疑問に思いました。

市政情報課に問い合わせたところ、公開の範囲は原課が決めている。市政情報課では特に基準等は設けていない、とのことでした。
そこで、黒塗りでの情報公開を決定した生涯学習課に聞くと、指定管理者の営業上の秘密に当たるので開示できない、公開して真似されると事業者が不利益を被る、とのことでした。
もう一方の文化青少年課に聞いたところ、事業者からは、多くの部分を黒塗りしてほしいとの意見があったが、最終的に個人が識別できる写真などを省き公開することにしたとのことでした。

しかし、そもそも市民福祉の向上のために設置された施設で、税金を使って運営する事業者を選定する際に提出された書類が、十分に公開されないのであれば、市民はその指定管理者がどのようなサービスを提供する計画であるか知るすべがなく、指定管理者が適正に審査されたか、また受託した後に、提出した事業計画通りに施設の運営をしているかどうかを確認することができません。
情報公開は民主主義の根幹にかかわるものです。本市の情報公開に対する姿勢を明らかに示していただきたいと思い、以下に質問します。


①大津市民会館は文化・青少年課、大津公民館は生涯学習課、と担当課は違っていますが、事業者は同一です。
一体となった複合施設の指定管理者なのに、このように開示の格差があるのはなぜでしょうか。
原課任せではない、市としての統一された基準や判断が必要だと考えます。今回の開示の格差についてどのようにお考えでしょうか。また、今回の件を踏まえて、今後何らかの対応をする必要があると思いますが、見解をお伺いします。

②事業者が営業の不利益を理由に開示を拒む事態に備えて、今後の指定管理者選定においては、市に提出した事業計画書等は、公開を原則とする旨、事前に同意を取るべきと考えますが、見解をお伺いします。

【市政情報課 答弁】
出町明美議員のご質問についてお答えいたします。
本市の情報公開のあり方についての1点目のうち、まず、市としての統一された基準や判断の必要についてでありますが、請求に対する公文書の公開の可否等については、その文書を保有する実施機関が判断し最終的な決定をすることとなります。
このような中、実施機関による決定が適切に行われるよう、情報公開制度の運用に係る担当課にあっては、実施機関に対し、情報公開条例等の規定の解釈、適用の基準のほか、非公開情報の適用にあたって参照すべき同種の事例を示すなどの助言等を行うことにより、各実施機関が共通の基準に照らした判断となるよう、その調整に努めているところであります。
次に、今回の開示の格差についてでありますが、今回の、類似の文書に対して非公開となった範囲がそれぞれの実施機関において異なる結果となったことについては、非公開とすべき、法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものの適用の判断にあたって、同条例の規定により聴取した、指定管理者からの意見をどのように取り扱うかの判断において、それぞれの実施機関の判断内容が異なったことによるものと考えております。
次に、この件を踏まえての今後の対応についてでありますが、職員用に作成した情報公開事務に係る手引きにおいて、情報公開条例等の規定の解釈及び適用の基準に関し、できるだけ具体的に表記するなど、各実施機関が共通の基準に沿った判断となるよう改善に取り組むとともに、情報公開制度の運用が「原則公開」の観点により、適切に行われるよう、引き続き、職員研修に努めてまいります。
以上、私からの答弁といたします。

【行政改革推進室 答弁】
ご質問にお答えいたします。
2点目の、市に提出した事業計画書等は、公開を原則とする旨、事前に同意を取るべきであるかについてでありますが、「指定管理者の情報公開の推進に関する指導指針」には、施設所管課及び指定管理者に対し、情報公開の請求があった場合には、公開の実施が適正に行われるように努めることと定めています。
しかし、情報公開に当たっては、指定管理者制度に限らず、大津市情報公開条例第7条の各号の「非公開情報」に該当するか判断した上で対応することとなるため、指定管理者の選定時に関係書類の公開の範囲を定めた上で、契約締結を行うことは困難であり、同意を求めることは考えておりません。
今後は、「指定管理者の情報公開の推進に関する指導指針」などに規定される情報公開の取扱いについて適正に運用されるよう、担当者会議等を通じて関係所属に周知・徹底を図ってまいります。
以上、私からの答弁といたします。

【出町 再質問】
再問させていただきます。
問題があった、開示に格差があったっていうことお認めいただいた上で、今後は改善を図るというお答えだったかと思います。
もちろん実施機関の判断ということでありますけれども、今回、原課の判断を市政情報課としてどのように調整を図るか、情報公開条例に沿った運用になるよう働きかけるか、そういったところは今後、もうちょっと積極的にやっていただけるということでしょうか。
今回のように、余りにも開示に差があると、もうそれだけで市民の側からすると不信感が募る、ということが実際にございますので。
今後このような格差がないように、運用していただけるということを、もう一度確認させていただきたいと思います。
 それから2点目ですけれども、事前に同意を取るとか、範囲を決めるというようなことはしないというお答えだったかと思いますが、原則公開であるということと、適正に情報公開していくということについては、改善が図られると理解してよろしいでしょうか。
ちょっと確認させてください。

【政策調整部長 再答弁】
再度のご質問についてお答えをいたします。
今後改善する具体的な内容をなどについて、今、今回ありましたような、大きな判断の差異が生じないようなことに対してどのように対応するかということ、だったと思います。
先ほど答弁申し上げました、規定の解釈、或いは適用の基準などに関して、今においても、手引きといったものはございます。
ただ、それぞれの規定において、解釈の仕方、例えば、何々についてできるという表現の規定があったとするならば、それは権限が付与されたものであって、という理解なのか、できるということなので、するという前提、というふうな、解釈がそこで差が生じる可能性もありますし、またそういったことを行った際に、例えば今回のような、第三者からいただいたご意見をどのように取り扱うかについても、そのまま取り扱うのを前提としてか、一定、執行機関において、裁量を、或いは前例等の同様の事例を見て判断するといった取り扱いにおいて、差が生じる可能性があると。
今回そのようなことがあったと。
今回の決定を否定するわけではありませんが、将来に向かいまして、そういったことが大幅に解釈の差が生じないように、できるだけこのことについては、具体的な例示、非常に難しい部分であるのですけれども。
具体的な例示、或いは運用について、できるだけわかりやすく解説をするなど、そういった手引きをもとに備えることによって、今回のような裁量の幅が大きくなるといったことを防いで参りたいと、考えております。
以上私からの答弁といたします。

【総務部長 再答弁】
再度のご質問にお答えいたします。
指定管理者の情報公開に対しての、職員の認識をどう深めるかということであったかと思います。
先ほど申しましたように担当者の会議を通じましてですね、指導指針を作成してますので、その周知をして、しっかりしていくということ。
またあらかじめですね情報公開があることを前提にですね、公開範囲をあらかじめ検討しておくとか、そういったことを、周知をしていきたい。
あわせて、事業者の意向を尊重することは大切ですけれども、一方でやはり公開の原則に従ってですね、その重みをですね、しっかり認識した上で、安易に公開の範囲を決定することがないように、こういった担当者会議を通じて、周知徹底を図っていきたい、このように考えております。
以上です私からの答弁といたします。
==================================

言い回しが分かりにくいですが、今回の同一複合施設に関する情報公開の範囲の格差は間違ってはいないが適切ではなかった。今後は改善を図るために、詳細なマニュアルを作る。職員研修をして「公開の原則」の周知徹底を図って行く。
という答弁だったと思います。

情報公開は民主主義の根幹です。しっかりと改善していただきたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?