「TechCrunch CTO Night 2017」にてCTO大竹が語った全貌を大公開!
<この記事は2017/11/24に旧delyブログで公開された記事です>
クラシルのプロダクトを牽引するCTO大竹が、11月16日に行われた「TechCrunch CTO Night 2017」にて登壇し、優勝いたしました!!
弊社にとって欠かすことの出来ない存在である大竹ですが、実はこれまで紆余曲折しながら、試行錯誤してプロダクトを作っていました。それもすべては、ユーザーさんを幸せにしたいという思いから。今回は、大竹が「TechCrunch CTO Night 2017」で語った全貌を大公開いたします!
僕がCTOの堀江とdely株式会社を創業したのは、二十歳の頃で、当時はまだ学生でした。実は、delyにとってクラシルは3つ目のプロダクト。その前に2つの事業を行っていました。最初の事業はデリバリーサービス事業で、メンバーは15人ほど集まりましたが、なかなか伸びずにチームの雰囲気はだんだん暗くなっていき、ついにはサービス撤退の決断を下しました。
そしてここからが、苦しい毎日の始まりでした。事業の失敗により、メンバーのモチベーションは下がり、毎日一人ずつ会社をやめていく日々だったのです。最終的に残ったのは自分のみで、そこからたった一人で開発を進めていくことになりました。
でも、そこから感じることが出来た部分もあって。サービスを伸ばすことが出来なかったら、社員もユーザーも、誰も幸せにすることが出来ないんです。だから常に、プロダクトの成功にコミットするという自覚を持っていないといけませんでした。
二回目の事業は最初とは違うメディア事業。この時も、インフラからデザインまで、全て自分でやっていて、ゴールデンウィーク時にサーバーがダウンした時も、その対応に一人で追われたこともありました。けれど、これもうまくはいかなかった。やはりたった一度失敗しただけでそんなに簡単に成功するほど、甘い世界ではなかったんだな、と痛感しました。
その後に試行錯誤していく中で、ついにレシピ動画事業であるクラシルが誕生します。最初はとても小さなオフィスで、プログラムを書いている横の、すぐ手の届くところで料理人が作業をして、そのまま作ったスイーツを食べながら開発に没頭しているような状況でした。
アプリ開発を含めてすべて一ヶ月以内でリリースするということを目標にして開発していった時は、どうやったらサービスを伸ばすことが出来るかを常に考えていました。もちろん、リリースするだけでは伸びていかないので、ユーザさんのことをとにかく研究することが大事だと思ったんです。どういった課題を持っていて、それをどのように解決していくか。だから、それを判断する材料として判断基盤をしっかり作ろうとして、「Logpose」という基盤を開発しました。これはサービスを伸ばすためと、ユーザーをもっと知ろうというための技術なので、PDCAを早くすることが出来ます。
クラシルは、ログをアプリ側でとっているのですが、基本的には全てのユーザーコードをここで分析しています。事例としては、うちでは検索離脱率を強く追っています。例えば「ハンバーグ」などの料理名で検索する場合よりも、「豚肉」と検索するのは少し抽象的であるため、離脱率が高くなるんです。その結果を受けて、ページの見せ方などをもう少し改善する余地があるかもしれないね、というようにコンテンツ部とも協力しながら開発を進めていきました。
大竹のプレゼンが終わり、ここから審査員の方々からの質疑応答に移ります。
・最初、機能開発をするのと、ログ解析基盤を作るのとでは、どうしてもログ解析の優先度が下がってしまいそうなのですが、どのような意識で進めていったのですか。
何も考えなかったら機能開発の方に意識がいってしまいますが、そこは強い意思決定が大事であると思っています。クラシルの場合、半分くらいのリソースは分析基盤を早めに作るということを意識していたんです。というのも、最初の頃はどういうことをやっていたかということを他社の先輩CTOにひたすらアドバイスを聞いて回ったことがありまして。やっぱりまずはとことんユーザーの事を分析して、継続的な改善が出来るように基盤を作り上げるべきで、主観で色々やっていると伸びないよとアドバイスをもらった事も大きかったです。だから、アプリをリリースして、1、2か月くらいの段階からはすでに着手し始めていました。
・分析基盤を作るだけでなく、そこからどういう結論を導き出して、どうプロダクトに反映させていくかということが大事だと思いますが、そのあたりはどのように進めていっているのでしょうか。
まず、基本的な分析の手法というのは、チームのみんなで話し合いながら行っています。その中で一番意識していることは、人の言葉で説明すること。例えば、「ここのCTRを上げるためにこう言う数値を打とう」とかって、全然人の言葉が介在されていないんです。そうじゃなくて、「ユーザーさんはこういう心理状態で、こういう欲求があるから、こういうコンテンツを見せてあげよう」というように。人間の言葉で進めていくとみんなもしっかり納得感を持って進めていくことが出来るし、大筋間違った施策にはいかない。それが、僕が今取り組んでいることです。そうやってユーザーのことを愚直に知っていった結果、テレビCM放映を11ヶ月で始められたり、レシピ動画数世界No.1になったりと、着実に事業を伸ばしていくことに成功しました。プロダクトに良い手応えをつかむことが出来たと思っています。
・サービスの調子が悪くなると、社員のモチベーションが下がる。そのサイクルは定期的にやってくるものだと思います。今後もそういうことはあると思うのですが、次にそのサイクルが来たらどうするつもりですか。
最初の時に取り組んでいた事業の時には技術志向であるとか、プロフェッショナル型の人を多く集めていました。しかし、クラシルを運営してみて気がついたことは、サービスが傾いた時こそ、会社が好きとか会社のミッションに共感しているとか、そういう人が集まった方が強い組織になるということです。だから今は採用に一番力を入れていて。カルチャーフィットをとにかく意識しています。何にモチベーションがあるかという時に、技術ももちろん大切ですがそれよりも、こう言うサービスを作りたいとか、熱意がある人を特に採用したいと思いますね。今後、そういう人がdelyにどんどん増えていってほしいです。
優勝ボードを手に、嬉しそうなたけさんでした。
以上、「TechCrunch CTO Night 2017」にてCTO大竹が語った全貌を大公開!でした。
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