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早起きが得意な私と、爆音で般若と化した早朝の妻。

爆音目覚ましが苦手です。

私は大きな目覚まし時計の音が苦手です。静寂の中でけたたましく鳴り響く爆音が好きだという人は少ないと思うのですが、「目を覚ますためのものだから爆音に限る!」という人は意外と多く、むしろそういう「爆音好き」の方を対象にした爆音目覚まし時計はいくつも販売されています。以前「何個も目覚ましをセットするんだけど、なかなか起きられない」という知人に爆音目覚まし時計を贈った際にはとても喜んでくれました。朝の始まりは人それぞれだけど、朝起きが苦手な人はどうしてもこの「複数目覚まし&爆音セット」に行きつくらしい。

寝起きが良い私に爆音目覚ましは不要。

うちの妻は朝が苦手なタイプ。一方私は「昨晩は一睡もしてないの?」と心配されるんじゃないかと思うほど寝起きが良いです。早朝だろうが真夜中だろうが関係ありません。ある深夜、妻がスヤスヤ眠る私に何の気なしに、「マナブくん」とささやいたところ、間髪入れずに「どうしたの?」と反応したから驚いたのだとか。以前ホテルに宿泊した際、暖房の効きすぎでのどが渇いて目が覚めた妻が水の入ったペットボトルを探していた時、その物音で目が覚めた私はスッと起き、「ペットボトルは空だったから捨てたよ」と伝え、おもむろに財布を取り出し、その足で廊下に出て自販機で水を買い妻に渡して寝る、という夢遊病のようなことをやってしまい、それをみた妻が驚いた事がありました。私はそれくらい寝起きが良いです。

かわいい妻を般若にしたのは誰だ

最近は、睡眠が異様に浅い事を心配されることもありますが、そんな私はとにかく爆音目覚ましが苦手。朝起きに爆音が必要ない私にとってただうるさいだけの存在なのです。静かな朝に鳴り響く爆音はもはや恐怖でしかありません。朝が苦手な妻は大きなアラームを鳴らして起きるのですが、その時の嫌そうな顔といったら、私の理想とは真逆の表情。眉間にしわを寄せギュット両目を瞑り、こじ開けるように片目を見開いたあの表情は、誰が見ても幸せそうには見えません。こんな表情で迎える朝は気持ちいいはずがない。どこの誰がうちのかわいい妻をこんな可哀そうな表情にしたんだ!朝が悪いわけじゃない。すべては爆音目覚ましが悪いのだ。

悲しき「爆音目覚ましジャンキー」は存在する

毎朝こんなつらい気持ちさせられながらも、毎晩爆音目覚ましをセットする妻はまるで朝起き中毒者のよう。「やめたいけれどやめられない。私にはこれしかないんだよ!」と言わんばかりのその選択は、私にはジャンキーにしか見えません。「あなたにはもっと小さな音の目覚ましがおすすめよ?」といっても「これじゃあ全然きかないんだよ!」と聞いてはくれないでしょう。

妻をはじめ多くの爆音目覚ましジャンキーたちは、なぜか多くの目覚まし時計所有者でもあります。私の知人にも3,4個の目覚ましを扱うジャンキーがいます。上級者たちは目覚まし時計を部屋中に分散させて設置しているらしく、爆音攻撃だけでは効かない彼らは、自らを布団から強引に引っ張り出させる物理攻撃を与えているらしい。爆音により般若のような顔になったジャンキーが暗闇の中に眠い目をこすりながら音を頼りに部屋中を徘徊する地獄絵図。穏やかな朝な訳がありません。

別人格が生み出す「二度寝」の恐怖

問題はこの後。彼らはなぜこんな拷問を自らに強いているのか。それは「ただ朝起きる為だけ」なのです。しかし悲しいことに、鬼と化したジャンキー達がこれだけの苦行により朝起きできるのかといえば、残念ながらそうとも限りません。昨晩あれだけ念を込めてセットした目覚ましをOFFにすればまた眠りにつくことが出来るからです。私からしたらあれだけ辛い思いをして目が覚めたのに、また眠りにつくことが理解できません。そして、彼らも私と同じように「理解できない!」と言います。なぜなら二度寝する彼らは、もはや彼らではないからです。

なんとしても起きたい彼らは、爆音目覚ましを選び、一つでは足りないと数を増やし、寝る前にあれだけ慎重にセッティングを行い、トラップのように部屋中に仕掛け、翌朝鳴り響く複数の目覚ましを止め歩いた結果、また寝てしまうのです。「え!何で?!何でまた寝るの!」彼らの努力を知っている私は悲しくなります。しかし、自らの意思に反して二度寝する彼らにその選択はなく、気が付けば朝になり「また寝てしまったー」と後悔するのだとか。二度寝は別人格を生んでしまうのです。

おはよう日本!

現在朝の7時。私が起きてもうすぐ2時間。すっかりぬるくなった白湯を飲みながらこの文章を作っています。外にはかわいい鳥のさえずり。カーテンを開ければ世界で一番新しい今日が始まります!おはよう日本!今日は何をしようかな!まずは寝ている妻を起こしてこよう!


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