見出し画像

畳のうへに寝そべりて

今日は、バイトがない
洗濯をして、そのあと2月分の金銭出納帳の整理をした。
金銭どうたれ?
いや、家計簿だよ
さぼっていたから、いま2月の整理をしてるわけさ

それが終わると、ビミョーに手持無沙汰になった。

アルバイトとかで困窮してるので
給付金があたまをよぎり、パソコンAIのcopilotに国と市がやってる給付金はないか聞いてみた。
copilotは申請期限の切れてる給付金をひとつだけ挙げてきた

「それは、申請期限が切れてます。真面目にやってください!」と返すと
「Ī appologize……」どうたれこうたれと英語でなにかを述べ
「この話題は終わりにして、次のトピックにうつりましょう」とはなしをそらされた

市行政のサイトは絶望的にわかりにくいので、アクセスする気がおこらず
市役所員に電話などで尋ねるのも難易度が高いことに思えた。

給付金などに頼ろうとした自分に恥がつきかえされたような
かといって、アルバイトなどをガンガン頑張るのはかなりの齢になっているので、軽く天を仰ぐ

まだ、午前10時台だったが
さきほど、せっかくたたんだ毛布と掛け布団と枕を押入れからふたたびだす

万事休すだね

もう1回寝ることにした。

しかし、さっぱり眠くない

本でも読むか
難しいヤツがいいだろう

押入れを開けて、岩波文庫のベルクソンという人の書いた『時間と自由』という本を引き抜いた。
押入れには、昔、虚栄心で買った、まだ読んでない本が結構ある。

おもむろに4行ほど読んでみる

何が書いてあるのかよくわからない
齢のせいもあるだろうけど
20数年前ひきこもりだったころにも
やはりベルクソンの『創造的進化』を寝転んで読んで、ちんぷんかんぷんだったのを思い出した。

でも、寝転んで、本を読むのはそれなりに贅沢な経験だと思う。

金に困らなければ、あのだらしない日々がむしろ懐かしい

ベルクソンなんて哲学者の著述を読むのは、一般社会でまず何の役にもたたないのだけれど
ガンプラつくりにせよ、ギターを弾くにせよ
社会に役立たないことは大抵たのしい

赤十字に勤めることになった皇室の方のフレッシュな姿に、フレッシュマンはいいなと思いながらも、自分は、その対極にいる。

自分も、ひきこもりを脱して、それなりに奮闘してきたのだが
一般社会生活というのは、いま思い出しても、そんなに愉快ではない
給料や評価が低いというのもあるが
個人的にこたえたのは、スーパーで働いた15年、誰とも性交渉がなかったことだ。
恋愛がなかったわけではなく、超絶非モテというわけでもなかったのだが
若いころにありがちな、ルックス志向がわざわいしたか
挨拶をするのも難しい人が本命だった。

いや、私小説は危険なこころみだと、どちらかといえば考えるほうなので
あんまりノンフィクションな私生活の語りはこの辺でやめておこう

作家の太宰治も、サービス精神のあまり、読んでおもしろくなるよう私生活をどんどん破壊した部分がある。

金銭苦はあるのだが、気持ち的には引きこもりたくなってる部分がある

社会生活のハードルが上がりすぎると、必然的に適応不全は増加する。

いまは、NGな個人をバンバンたたいて、どんどんハードルを上げている

半分くらいは、社会参加より、ひきこもり……
部屋でだらしなく寝そべって、本をペラペラめくったり、思い出したようにギターを触ったり
そんな願望があるのかもしれない

というのは、いまは社会のレベルが高すぎて
しかも、多少頑張ったところで現物支給(?)が望みにくい状況だからだ

思うに、いま日本の社会は季節にたとえれば「冬」ではないか?

相当の自信家以外は、部屋に隠れてじっとしてるほうが理にかなってるのでは?と思うこともある。

人手不足?
わかってるよ、そんなの!
でも、それも、無意味にホワイトカラーを増やしたツケではないのか?
僕なんて、原付免許もないんだから、ドライバー不足なんて、まったく何の役にも立てないし

今日、引きこもりは半分正しい……

ふと、そんなことばがあたまをよぎった
バイトのない日の午前中でした。

以上『畳のうへに寝そべりて』でした。

御一読どうもでした。

終わりに、時間と持続という概念にこだわった哲学者アンリ・ベルクソンの著書のアマゾンリンクを貼っときます
あなたも、本棚に少し難しい本を、是非!



サポートされたお金は主に書籍代等に使う予定です。 記事に対するお気持ちの表明等も歓迎しています。