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HSPの尺度について【エンパス人生向上計画】

これから、エンパス人生向上計画というテーマで、YouTubeとも連動しながら、HSPやエンパスの人たちがもっと楽になり、才能を活かして人生を楽しめるように知識やコツを共有していきたいと思います。

まず最初にHSPについて、2024年2月時点での最新の内容をお話ししていきます。

HSP(Highly Sensitive Person)は1996年、パーソナリティ心理学の専門家である心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱された心理学の概念です。

HSPについて、日本では2020年頃からテレビでも紹介されるようになり、本屋さんでもHSPに関する本を多く見ることができるようになりました。

しかし、SNSや書籍、ブログなど、世間に溢れるHSP情報には、学術的な根拠にもとづかない情報も多いようです。

たしかに、ポビュラー心理学や通俗心理学のような情報で救われる人も多いとは思います。

私自身は、2020年の末頃にエレイン・アーロン博士の本によって、自分が生まれつきHSP気質であったことを知り、さらに精神科医のジュディス・オルロフ先生の本によって、子供の頃から強力なエンパス気質でもあったことも知りました。

これまでは、ほかの人より敏感な感覚や、見ている世界や感じている世界が違うことにいろいろと悩んできましたが、自分がHSPでエンパスでもあった、と知ることよって、それまで感じていた生きづらさの原因や、敏感な感覚の謎が解けて、とても気持ちが楽になりました。

ただ、より幸せな人生を生きていくためには、自分自身の性格や気質について、正しい情報にもとづいた理解が必要だと考えています。

敏感な人、感受性の高い人が、よりよく生きるためには、まず第一歩として、正しい知識を身に着けることが大切です。

HSPとは、一言でいうと、聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚などに特異な感覚処理感受性が高い、高敏感性の人。あるいは「環境感受性が高い人」のことで、環境から良くも悪くも影響を受けやすい人たちのことです。

HSPとは

HSP は日本では「繊細さん」とか、敏感すぎる人たちと言われていますが、繊細というだけでは HSP と精神疾患、たとえば発達障害、ADHD、自閉症、うつ病、自己免疫反応、幼少時のトラウマから後天的に敏感になってしまった人の区別はつきません。

繊細は英語で Delicate、 Sensitive の正しい訳は「敏感」です。HSPとは本来は「非常に感受性が高い人」、または「高感度な人」という意味です。

HSP提唱者のエレイン・アーロン博士の自己肯定感に関連した本では、HSPの話は直接は出てきませんが、序文で「高感度(high sensitivity)」と翻訳されています。

心理学の現場では感受性を測定するためにアーロン博士とご主人のアーサー・アーロン博士の作成した27項目のHSPスケール、HSP尺度が使用されています。

HSPスケール(HSP尺度)

しかし、これら全てが日本人に当てはまるわけではないことが統計的にわかったため、日本では2016年にこの中から19項目の尺度(高橋 2016)が選別されました。

アーロン博士自身も2010年には、27項目から11項目に絞った短縮版のHSPスケールを発表されています。また子供用の12項目のHSPスケールも開発されています。

2022年には発達心理学を専門とする心理学者の飯村周平先生らの研究によって、日本人向けに10項目が絞られました。その10項目を紹介しておきます。これはアーロン博士らのHSPスケールの1,3,7,9,10,14,21,22,25,26に該当します。

これは一般的なHSP診断テストのように「はい」か「いいえ」で数を数えるのではなく、7段階の点数、まったくあてはまらないを1点、ほとんどあてはまらない2点、あまりあてはまらない3点、どちらともいえない4点、ややあてはまる5点、かなりあてはまる6点、非常にあてはまる7点で点数を合計し、10で割って、平均点を出します。

1.強い刺激に圧倒されやすいですか?
2.他人の気分に左右されますか?
3.明るい光や強いにおい、ごわごわした布地、近くのサイレンの音などにゾッと しやすいですか?
4.大きな音で不快になりますか?
5.美術や音楽に深く感動しますか?
6.短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
7.生活に変化があると混乱しますか?
8.微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
9.大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?
10.競争場面や見られていると、緊張や動揺のあまり、いつもの力を発揮できなくなりますか?
Shuhei Iimura, Kosuke Yano, Yukiko Ishii(2022)

飯村氏らの1600人以上を対象とした研究では、平均が4.1点、標準偏差が1.1とのことです。ここから、5.2点以上がおおむね上位15%以内に入っているようです。

ただし、これは一つの尺度に過ぎません。5.2点以上の高い点数だったからといって、自分は完璧なHSPだと決めつけないほうが良いかもしれまん。HSPの傾向がある、程度に理解しておいてください。

次回は、HSPは5人に1人の意味について、改めて。

今回の内容をYouTubeのスライド動画でご覧になりたいかたは、こちら。

Stand FMで音声だけ聴きたいかたは、こちら。


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