「1984」マスターミックス!! マツモト・ヒサターカー・インタビュー Part.2
「1984」マスターミックス!! マツモト・ヒサターカー・インタビュー Part.2をお届けします。
Q20.自由に制作する。自分の価値基準でしかない。それこそ職人ですかね?ちなみにアナログ・トゥ・アナログなのでミックス・テープの音が太いような気がするんですよね。
職人はちゃんと商売もできる人のことやと思うんで職人ではないですね。ただの趣味です笑。音が太いってのは狙ってはないですね。そう聴こえたら聴こえたで良いんですが。
Q21.この企画に関しては趣味ということで笑。僕がラジカセで聴いたっていうのもあるかもしれません。確実に太かったと言い切りたいです。テープをゲットした方はなるべくラジカセで聴いてほしいと思います。
販促用インタビューでこういう答え方はどうかとも思いますけど「俺が楽しい」それしかないです。もし気に入ってもらえたらうれしいですけど、ああいうので狙ってやれることはもうないですわ。
Q22.それがさっきの「趣味」という部分にリンクしてくるんですね。最後に選曲について少しだけ。あのセレクトにした理由というか、もし、こだわりみたいなものがあれば教えてください。
イギリスの音源は意識的に多くしましたかね。
Q23.そう言われてみれば、、、その理由は?
(レコードの)買い付けやらなんやらで(アメリカへ行って)当時のDJの人の話聞く機会があってイギリスとかヨーロッパのもんを特別な目で見ていたようなことを聞いたので。
Q24.そうなんですか!その特別な目というのは国産よりも重要楽曲としてプレイしていたと?それは入荷が少ないからレアだったとか?
どういうあれなんですかね?「いやー、ニュー·オーダーとかチャス·ジャンケル、ヤズーとかっておしゃれやわー」くらいのニュアンスしかわからなかったんですけど笑。ソウルやR&Bみたいなとこだとアメリカのもんが強いんですけど80年代ダンス·ミュージック(ポスト·ディスコ?ニュー·ウェイヴ?プレ·ハウス?)ってなると急にイギリスのもんが強くなるのはおもしろいなー、と思って。
Q25.笑。そうことなんですね。すっごくいい話ですね。米産ディスコ~エレクトロを英国のDJが輸入してクラブでプレイし、ミュージシャンがそれを聴いて影響されてオリジナルのアクを落としたような仕上がりで曲を作る、、、言われてみれば曲自体はおしゃれですもんね。
やっぱり「DJ文化」みたいなの強いんでしょ。ロンドンは。行ったことないから知らんのですけど。レアグルーヴがUSメジャー·レーベルのイギリス·ブランチから山ほどコンピ出てたのとかにそのへん感じます。
ああ、〈アーバン・レコーズ〉がありましたね。
〈アーバン·レコーズ〉が〈UKポリドール〉傘下で業務回してたのはロンドンのDJ達でしょ。そのへんです。
コールド・カット、サイモン・ハリス、ノーマン・クックあたりでしたね。
昔のアメリカのDJが「"I Believe In Miracle"がなかなかわからなかった」って言ってたのとかめちゃおもろかったすよ。
わはははは、リアルな話笑。その点、日本のDJにはめっちゃハマりましたよね笑
あー。そういうところでイギリスのもんを特別視するのかって。
すっごい伝わります!そのニュアンスは大事かも。
なんかそういうのがおもしろいなと思ったのでアメリカでもヒットしたイギリスの音源はちょっとだけ意識して入れましたね。
Q25.マツモトさんが前に言っていた、アメリカが新しいダンス音楽を産んでイギリスがその音楽を洗練させるって話面白かったなぁ。おしゃれは大事ですね笑。最後にこのマスターミックス・テープを買ってくれた方に一言お願いします。
特にないです。掃除のBGMにでもしてください笑。
笑。長い時間ありがとうございました。
最後に彼のブログから言葉を引用して〆たいと思います。
わざわざテープ・エディットで作ってるんで「テープ・エディット最高!」みたいなことをソーシャルメディアなんかに書きまくっても良いんですけどね。時間かけてみてわかるのはそう言うのはダサいんだなーってとこだったりするんですよ。聴いてる人にとってはそんなことはどうでも良いでしょ?もし聴いた後に「テープ・エディット最高!」って思ってくれたら嬉しいですけどね。そう思ってもらえるように作ったり紹介したりするのと、自分から「テープ・エディット最高!」って言いまくるのとはなんか違うんすよ(あ。でも自分で作ってて楽しいし、ある程度のとこまでできるようになると「おーこりゃすごい」なんてことも思うので動画をアップしたりそれなりの文章を書いたりはしましたけどね)。
エディット熱はすっかり冷めたといいつつ手間暇かけてオープンリールを使った昔ながらのテープ・エディットでマスターミックスを作るマツモト・ヒサターカー。
気の遠くなるような面倒臭い作業を「PCで済む作業を昔の手法でやるのってあっという間に時間過ぎて良いですよ笑。商用作品じゃないので気楽だし」と言ってのける。
彼にとってそれは箱庭~ジオラマを作るような感覚だという(盆栽いじりとも言っていた)。つまり、このミックスは、ヒップホップやブレイクビーツの音源制作やマスタリング・エンジニア、DJ、エディター、レコード店店主などいくつもの顔を持つ彼の究極の遊びのひとつ、音を楽しむを地で行く行為だった。
初期衝動を通過し何周もした結果、辿り着いた老練なる趣味の境地。そんなもん楽しいものができあがるに決まってる。マツモト・ヒサターカーのマスターミックス・テープ「1984」!! ぜひ聴いてください(Tシャツも楽しんでください!!)。
https://delicatessen.thebase.in/items/73004819
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