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ロッテ・ライニガーの常設展示(ドイツ/テュービンゲン) 2018年04月19日

ドイツ南西の町テュービンゲンはヘーゲルやヘルダーリンやヘッセなど哲学者・詩人を多く輩出したところとして知られる大学町。ちなみに私もこの大学の哲学科で勉強しました・・・

テュービンゲンは、人形劇にとっても重要な町。現役の人形劇団もあるし(https://www.figurentheater-tuebingen.de/)、日本の「ファウスト」人形劇受容を研究している私にとっては、ファウスト物語の原典であるいわゆるシュピース本が出た直後、1587年にテュービンゲンの神学生がこれを韻文形式で書き直して出版したという事実も面白い。

でもテュービンゲンといえばやっぱり、ロッテ・ライニガー(Lotte Reininger, 1899-1981)の影絵! 

影絵映画で有名なロッテ・ライニガーはベルリン生まれ。ロンドンに移住したが、最期に住んだのはテュービンゲンで、ここで亡くなった。そのためテュービンゲンの町立美術館はワンフロア全体をロッテ・ライニガーの常設展にしている。
美術館のHP: https://www.tuebingen.de/stadtmuseum/14816.html

非常に力の入った展示。ライニガーの原画や使っていた道具、バイオグラフィー等が豊富な資料と共に展示されている。たとえば、ライニガーは1930年代後半にギリシャを旅して、トルコ由来の影絵人形芝居カラギョズ(Karagöz/ギリシャ語だとΚαραγκιόζης)をギリシャ人から学んだそうだ。下の写真は、ライニガー自身が作ったもの。カラギョズ式の構造は、西洋式の影絵よりも人形を大きく動かすことが出来る。ライニガーは、比較的大きな舞台で影絵を上演する場合にはこのカラギョズ式を用いて人形を作ったとのこと。

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この展示室には、沢山の展示品の他に、影絵映画の構造を実際に触って体験できるスペースがある。子供たちも愉しむことができた。

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