マガジンのカバー画像

『月獅』章ごとのまとめマガジン

19
大河ファンタジー小説『月獅』の各話を章ごとにまとめた<全文>を収納したマガジンです。まとめ読みをされるには、最適です。
運営しているクリエイター

記事一覧

『月獅』第4幕「流離(さすらひ)」          第16章「ソラ」<全文>

第1幕は、こちらから、どうぞ。 第2幕は、こちらから、どうぞ。 第3幕は、こちらから、どう…

deko
6日前
26

大河ファンタジー小説『月獅』第1幕「ルチル」<全文>

第1幕「ルチル」第1章「白の森」  ヴェスピオラ火山の火口から、何かがまっすぐに天に向か…

deko
1年前
40

大河ファンタジー小説『月獅』             第2幕「隠された島」<全文…

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第5章「漂着」  海から駆…

deko
1年前
34

大河ファンタジー小説『月獅』             第3幕「迷宮」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」は、こちらから、どうぞ。 …

deko
3か月前
35

大河ファンタジー小説『月獅』    第1幕「ルチル」第1章「白の森」全文

第1幕「ルチル」第1章:「白の森」    ヴェスピオラ火山の火口から、何かがまっすぐに天…

deko
1年前
108

大河ファンタジー小説『月獅』     第1幕:第2章「天卵」<全文>

第1章「白の森」は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第2章:「天卵」  異変を報せ…

deko
1年前
45

大河ファンタジー小説『月獅』    第1幕:第3章「森の民」<全文>

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第3章「森の民」  どのくらい祈っただろうか。  ごうごうと耳膜にこだましていた水音が、不意にぴたりと止んだ。ルチルは、おそるおそる目を開ける。  つい今しがたまで、白い水煙をあげ瀑布となっていた滝が消えていた。  滝のカーテンが開いた。白の森が開いたのだ。  舟がすべりだす。  向こう側にはまばゆい光の降りそそぐ空間が広がっていた。  この光を知っている。六

大河ファンタジー小説『月獅』    第1幕:第4章「蝕」<全文>

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

deko
1年前
36

『月獅』第2幕「隠された島」    第5章「漂着」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 * * * * *  海から駆けあがってくる風…

deko
1年前
33

『月獅』第2幕「隠された島」    第6章「孵化」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 「何もないが、昨日しとめた猪のシチューだ。猪は…

deko
1年前
32

『月獅』第2幕「隠された島」    第7章「もうひとつの卵」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第6章「孵化」<全文>は、こちらから、どうぞ。 …

deko
1年前
36

『月獅』第2幕「隠された島」    第8章「嘆きの山」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第7章「もうひとつの卵」<全文>は、こちらから…

deko
1年前
30

『月獅』第2幕「隠された島」        第9章「嵐」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第8章「嘆きの山」<全文>は、こちらから、どう…

deko
1年前
34

『月獅』第3幕「迷宮」          第10章「星夜見の塔」<全文>

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」は、こちらから、どうぞ。 第9章は、こちらから、どうぞ。 第3幕「迷宮」第10章「星夜見の塔」  群青の闇を月がうすく照らしていた。  シキは星夜見の塔へと続く石段を、銀水を満たした手桶を提げてあがる。塔までの石段は「星の径」と称し、石英のかけらが埋め込まれている。それらは星の位置によって光る場所が変わる。塔までの道は幾筋も枝分かれしながら螺旋でのぼる迷路になっている。光が示す道しるべに従って登壇しなければなら