大河ファンタジー小説『月獅』26 第2幕:第8章「嘆きの山」(6)
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第2幕「隠された島」第8章:「嘆きの山」(6)
「おまえたちは、ギンについて家に戻れ。俺はすこしビューと話をする」
小さくなったグリフィンを掌に乗せて告げると、ノアは傍らの岩に腰かけ、早く行けとばかりに手を振る。
「さて、と」
ノアは小さなビューの奥にいるものに話しかける。
「ビュイック、聞こえるか。そして答えられるか」
「なんとか」
「そうか。いったいどうなってる」
「ノア……生きてたん