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大河ファンタジー小説「月獅」

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天卵を宿した少女と、天卵の子の物語です。
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#創作

大河ファンタジー小説『月獅』 3

はじめから読む。 前話<第1章:白の森(2)>から、読む。 第1幕「ルチル」第1章:白の…

deko
1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』4   第1幕:第2章「天卵」(1)

第1章「白の森」(全文)を読む。 前話(第1章「白の森」(3)から読む。 第1幕「ルチル…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』5   第1幕:第2章「天卵」(2)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』4 「天卵」(1))は、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』6   第1幕:第2章「天卵」(3)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』5)は、こちらから、どう…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』7     第1幕:第3章「森の民」(1)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、ど…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』8   第1幕:第3章「森の民」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』9   第1幕:第3章「森の民」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』8)は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第3章「森の民」(3) 「ルチルか、久しいな。天卵を宿したか」  足音は聞こえなかった。近づく気配もなかった。  ルチルはびくっと反射的に身を強張らせる。  おそるおそるふり返ると白く輝く鹿の王がいた。  だが、よろこびに染まりかけた笑顔は一瞬で固まり、安堵の吐息は喉の手前で霧散した。  記憶の奥底にたいせつにしまっ

大河ファンタジー小説『月獅』10  第1幕:第4章「蝕」(1)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、ど…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』11  第1幕:第4章「蝕」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』12  第1幕:第4章「蝕」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』13   第2幕「隠された島」第5章(1)

いよいよ第2幕をスタートさせます。 お楽しみいただけると幸いです。 * * * * * …

deko
1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』14   第2幕「隠された島」第5章(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』13)は、こちらから、どうぞ。 …

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』15   第2幕:第6章「孵化」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』14)は、こちらから、どうぞ。 …

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』16   第2幕:第6章「孵化」(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(15)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第6章:「孵化」(2) 「お互い、まだ言えないことを腹に抱えているだろ」  ディアのよくとおる高い声が遠ざかるのを待って、ノアがルチルの前に湯気のたゆたうカップを置く。窓辺でにぎやかにさえずっていた小鳥たちはいっせいに姿を消し、明るい歌声を輪唱で追って飛んでいった。もちろんヒスイも。 「ここには、好きなだけ居てくれていい」 「頼るあてのない私にはとてもうれしい。でも、迷惑を