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科学的根拠に基づくフロセミドの使い方

「心不全で溢水があるから利尿剤で水を引こう!」
「引き過ぎによる腎前性腎不全も怖いから1/2Aだけフロセミドivして!」
こんな指示を良く聞きます。
そして次の日、「腎機能が悪化しているな。引きすぎたから利尿はやめて輸液負荷だ!臓器障害が悪化しないようにwetに管理して行こう」「なかなか良くならないな、抜管は程遠いな…」
皆さん、こんな会話していませんか?

普段の心不全、溢水治療を行う上で
①溢水の治療を始めた後に腎機能データが悪化した場合には引き過ぎなのか?
②フロセミドの投与量はどのくらいが適切か?
③wetな管理は臓器保護的なのか?
④何を基準に水引を終了するか?
などなど様々な臨床疑問をお持ちの方が多いと思います。
これらの疑問に科学的根拠に基づき答えを出していきたいと思いスライドを作りましたので参考にしてください。

ここでヒントとなる状況を提示します。
全く利尿がない透析患者に大量輸液をした後で採血をすればCre、BUNは希釈されて低下します。→これは腎機能が改善したのでしょうか?違いますよね。
CreやBUNは純粋な腎機能だけでなく、水分量の変化にも鋭敏に動きます。これを無視してはいけません。

※ちなみに、今回のスライドでは分かりやすいように、圧の上昇を「うっ血」。ボリュームの上昇を「溢水」と表現して区別しております。

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