テーマ「お疲れさまです2025迎春」の読み解き方
疲れてなんかないぞ!2024
行政デジタル改革共創会議(通称:デッカイギ)実行委員の澤です。
『行政デジタル改革共創会議』のサブタイトルとして、テーマである「お疲れさまです2025迎春」が添えられています。今回はこのテーマについて、読み解き方とその誕生について書きたいと思います。
一見してユニークで親しみやすい「お疲れさまです2025迎春」のワードですが、「疲れている?」と尋ねられて、素直に「うん、とっても疲れている!」と答えられる人は少ないと思います。
やはりここは突っ張っていきたい。けっして疲れてなんかいない、と。まだまだやれるのだ。むしろ憑かれている。取り憑かれたかのようにDXに邁進している。
デッカイギに関心を寄せている皆さんの中には、そういう方が多いのではないかと存じます。
テーマの解説を読んでみる
これまでのテーマを振り返ってみると、第1回の「ビヨンド2025 トータルデザインを乗りこなせ」、第2回の「火中の栗拾いツアー2024」と、確かに型にはまらないテーマを掲げてきているわけですが、ここにおいて「お疲れさまです」と、まるで一段落ついてしまうような言葉を用いています、それは何故なのか。
ここで、公式サイトからこのテーマについての説明文を引用します。
「お疲れさま」という言葉は、もちろん、ストレートに現状の認識であります。そして、行政デジタルに関わる私たち全員の努力を労い、共に成し遂げんとたゆまぬ歩みを進めていることへの感謝を示しています。
デッカイギでは言葉どおり、日頃の努力に感謝し「お疲れさま」と言える瞬間を共有することで、振り返りつつ、如何ともしがたい現実に対して歯ぎしりをしながら、次のステップへの勇気を得られるような機会にしたいと考えています。
ここまでは、裏表なく受け取っていただけるのではないかと思います。(あまりにも歯ぎしりをしすぎて研いであった牙がすり減ってしまった人もいるかもしれませんが……)
しかし、そんな通り一遍の「お疲れさま」を表現したいってだけじゃあないんです。
再び説明文をよく読みますと『そんな現在(ルビ:いま)だからこそ、歪みの正体を見つめ、基礎自治体・広域自治体・中央省庁、民間企業、アカデミア、そして住民など行政デジタル改革に関わるステークホルダーの間での“信頼の再構築”が必要なのではないか。』とあります。
そう。この疲れの根底には、薄れゆく信頼感があるのではないか――。
これが、顔を合わせて「お疲れさま」と声を掛け合う中で見つめたい、裏のテーマなのです。
スクラップ・アンド・リビルド
このテーマは、デッカイギ実行委員によるオンラインミーティングにて決定されました。簡単なワークショップ形式で、まずメンバーの思い描いている課題意識やテーマ感を、制約無く、とりとめなく書き出していき、そこから意識的・無意識的に共有されている概念は何なのかを掘り下げました。
すると、最初に出されたキーワードには、面白いことに「再○○」「RE:○○」「取り戻せ」という再び何かを求める、あるいは立ち返るという方向のもの、そして「仲良く」「共に」「愛」「ハンドシェイク」といった互いの関係性を示すものが複数出てきたのです。
ひょっとしたら、明確に言葉にはできないけれど、今は関係性が壊れていて、再びそれを作り直して共に歩みなおさなければならないと、漠然と皆が思っているのではないか――。
確かに、何の案件かを特定して語るものではないのですが、「ちゃぶ台返し」「ハシゴ外し」「手戻り」「ぶん投げ」「押しつけ」というイメージに誰もが辟易し、疑心暗鬼だけなら心の問題で済むのですが、この期に及んで、実際に何の案件かを特定できるものでもないのですが、そいつを成し得ない可能性が高まっている。
え? さっきから特定できるものでもないって言いつつ、何の案件かはイメージしているんだろうって? いや、ぼくにそれを訊かれても、ご質問の意図がよく分かりませんが……。
さて、そこから、委員が皆コピーライターになったつもりで、キーワードを組み合わせたりしながら、チャット欄にどんどん書き込んで、ピンときたものがあれば「いいね!」をつけるという作業に入りました。
「いまふたたび手を取り合おう」「愛を取り戻せ」「ともにかんがえ、ともにつくる」「しんらいのさいこうちく」「ほんとうにいいものをつくろう」……etc.
※註:ひらがなが多いのは、思いつくままに書くことを優先し、漢字へ変換する一手間を挟むことで思考が止まってしまわないように、というところです。
誰もが有能なコピーライターではないわけですから、言いたいことは頭の中にあるのに、しっくりくる言葉が出ず、なかなかもどかしい。そんなとき……。
「お疲れ様です」
遅れて入室してきたメンバーが、挨拶として書き込んだこの一言。
チャット欄に晴天の霹靂です。
「お疲れ様です」
そうだよね。行政デジタルに関わる人々が今、一番言いたい言葉、そして一番聞きたい言葉がこれだよね。
キャッチコピーにつけられていくはずの「いいね!」が、みるみるうちに「お疲れ様です」の一言を飾っていきます。
もう、これだよね。
漢字どうする? 「疲れ」ってパワーありすぎだから「様」はひらかない? そんな会話が行われ、「お疲れさまです2025」になりました。
でもこれ、何か年号が入っていると、往年の名作ドラマ『北の国から』っぽいよね。年号の後ろに季節を示す言葉なんかが入ってなかったっけ。1/10開催って冬?それとも春?
「……迎春だろ。DXを成功させて、春を迎え撃つ」
副委員長の一言で、季語(?)が決定。
タイトルに組み込んで「行政デジタル改革共創会議 in 羽田〜お疲れさまです2025迎春〜(略称:羽田デッカイギおつ)」が誕生したのです。
公募企画・LTにテーマを盛り込む100の方法
……と、ここまでテーマについてのこぼれ話をしたわけですが、皆さんご興味のある通り、このテーマをどう「公募企画・LT」に盛り込むか、というのは悩みどころだと思います。
なにしろ「評価項目」の1番目に『デッカイギの主旨と今回のテーマ「~お疲れさまです2025迎春~」に沿っているか(デッカイギの主旨や今回のテーマについてはトップページの記載を確認ください)』って書いてありますからね。この項目を見て「お疲れさまって、迎春って、いったいどうすりゃいいんだよ…!?」と頭を抱えた方もいるんじゃないでしょうか?
「お疲れさまです」はとても普遍的な言葉ですし、なんなら毎日のように言っています。言い過ぎて「おつぅあっしゃしゃ~」みたいに適当な言い方しても伝わるくらいに日常語です。
ですが、「パネルディスカッション」「ワークショップ/ハンズオン」のいずれを企画するにしても、前述しましたとおり、ストレートな現状に根ざした発想をするうちに、自然と「共創」の考えのもと、「感謝」や「労い」や「信頼」あるいは「関係性」、「未来」や振り返ってみての「再構築」等々に触れてしまうものだろうな、と思っています。
ですので、ここでは「100の方法」なんて構えてみましたが、100人100様、皆さんの心の中にあるDX魂を爆発させていただければ、問題なく合致する、と考えています。(実際にすでに送られてきている企画案も、とんでもなくテーマから外れているというものはなさそうです!)
というわけで、今回はテーマについて書かせていただきました。平易なのに難解な「お疲れさまです」について、伝われば幸いです。