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読みたい本『ケアとは何か』

読みたい本はたくさんあります。
新聞で紹介されて気になる本。その一つです。

『ケアとは何か』村上靖彦著

その紹介記事(朝日新聞2021,10,20夕刊)の中から印象に残った言葉を引用、要約します。


「たとえば小児がん病棟の看護師が患者の母親から「何でこの子は死ななきゃいけないんだろう?」と問われ、答えることができない。答えがないことはわかっている。できるのは苦しみのただ中にある人と共にいることだけでしょう」

「医療行為は科学的根拠に基づいた治療方針を、多くの人に同じように適用しようとする。ケアは一対一の出会いの中で生まれるもの」
「一人ひとり個性も来歴も異なる」

「ケアを必要とする人の多くが孤立の中にあるという。声をかけることが大切」

「共感や想像力を働かせるより、まず動く」

「困難を抱える当事者たちが平等な立場で集まりお互いの話に耳を傾けるピアサポートの活動も広まっている」

「人を気遣うことは、自分自身の存在を深く支えることにもなります」
「誰かから見守られ、誰かを気遣うことで私は存在するとも言えるのでは」

<引用・要約終わり>

この本は著者がケアの現場を支える人々へのインタビューを続けてきて、その人達から教わった「大切にしていること」のエッセンスをまとめたそうです。

1人ひとりが皆違うように、ケアも違ってきます。医療も1人ひとり違うでしょうが、ケアは病気や障害ではなく、その人の存在と向き合います。共にいます。

「孤立」している人はたくさんいます。家族の中にいても「孤独」です。
必要なのは「共にいること」だと思います。
「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」に出てきた「シンパシー」そして「エンパシー」ですね。

記事の最後に著者は、「私たちは弱い存在であることを認めようという意識の変化は確実に起こっています」と述べています。

記事の前文にも
「人間は『独りでは生存することができない仲間を助ける生物』とも定義できるのでは」とあります。

人は弱いから支え合う。人を気遣い、気遣われる存在なのですね。



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