共通テスト(センター試験)現代文の解き方を語る話


この文章について


 しがない会社員が,共通テスト(センター試験)現代文の解き方を語っていく。現役で受験したときのセンター国語は満点だったから,それなりに伝授できるノウハウはあると思う。各年度の解説は別途投稿予定。ここでは基本的な解き方をまとめておく。何かまとまった理論があるわけではなく考えながら書いていくから,過不足があれば都度,加除修正をするつもり。前半は自分語りが多分に含まれているから,解き方だけ知りたい人は飛ばして読んでほしい。

なぜ共通テスト国語(現代文)を解説するのか?


理由1.問題解説への怒り

 国語(現代文)の解説って,いくら読んでも納得できないことが多い。少なくとも僕は現役時代,適当で言葉足らずな解説に出会すたびに青臭く憤っていた。実は解説を作る立場の人間あるいは作問者が能力不足で,突き詰めた解説を作ることができず,逃げた結果なんじゃないかと疑うことしばしばであった。そして,自分が解説を作る立場だったらもっと丁寧な解説を作るのになあと妄想したことも多々あった。自分のほうがもっとわかりやすく徹底的な解説を作れるとさえ思った。でなければ,一生懸命にこの問題を解いた受験生諸君が浮かばれないと,余計な正義感まで芽生えてくる始末であった。そんなことを漫然と考えていたあの時間が,受験勉強からの逃避でなかったとは言わない。
 あれから10年以上が経った。僕はふと,あの頃の僕を納得させるために共通テスト国語を解説しようと思った。

理由2.共通テスト国語を勉強することを勧めたい

 結論から言うと,共通テスト国語を勉強すると以下のメリットがある。

①論理的な考え方が身につく
②コミュニケーションに応用できる

 ①について,「論理的(な考え方)の定義は?」などとロジカルそもそもおじさんに突っ込まれる可能性があるので先に説明しておくと,

「発信する情報に論理の破綻がないこと」

と僕は定義している。これは大マジだ。「情報には論理的である情報と非論理的である(論理が破綻した)情報の2種類しかない」と前提すれば,ある情報に論理の破綻がなければその情報は論理的といえ,これは自明だ。またあえて「発信する情報に」としているのは,思考が論理的であるかどうかを判断するためには「他者の目」が必要であり,他者の目に触れるためには思考のアウトプット(情報の発信)が必要だからだ。厳密にいえば「思考は論理的だがアウトプットは非論理的」ということもあり得るのだが,「論理的な考え方をできているか」を判断する以上,どうしてもアウトプットの出来栄えで判断するほかないということだ。では「論理の破綻とはどういうことか?」という新たな問いが生まれるわけだが,その問いには「情報は命題の集合からなり,命題同士は何らかの意味をもって接続され,接続された故のメッセージを持つ必要がある。命題と命題を接続する過程におけるルールは発信者と受信者との間で共有されていなければならない。(なお,情報伝達の都度ルールを定める必要はなく,多くの場合は社会において何らかのコミュニティに所属することで互いにルールに同意したと見做すことが多い)そのルールから逸脱した方法で接続された命題の集合からなる情報を,論理が破綻した情報という」くらいにここではしておいて,とりあえず先に進みたい。脱線した。。。
 さて,共通テスト国語を勉強することで論理的になれるよ!という話だ。前述の通り共通テスト国語とは,選択肢を削る作業と言い換えられる。選択肢を削るためには論理の破綻している箇所を見つける能力が必要であるから,自然と論理的な考え方が身につくようになっている。論理的であることがそのまま善ではないが,仕事ができる人はみな論理的に物事を考えている。
 ②について,数学などの理系科目との差別化だと僕は思っている。コミュニケーションとは,
情報を受け取り,その意味と意図を正確に理解できる。

情報の内容を咀嚼して,自分の言葉で目的に応じ再構成できる。

他者に必要十分な情報を伝えることができる。
 上記ができていれば齟齬のないコミュニケーションが可能となる。共通テスト国語を勉強することで,そのための土台づくりができる。

解き方

STEP0.根底の考え方・心構え

 その一,共通テスト国語(現代文)を解くということは,選択肢を削ることと心得る。「適当なものを選べ」と問題文に書いてあっても,正解を選ぼうとしてはいけない。不適当なものを削っていき最後に残った選択肢を解答とする。
 そのニ,一度マークした解答を見直さない。選択肢を選び直すと間違えると思ったほうがいい。解答を見直すとき,自身が犯してしまっている誤りに気付きたいというバイアスがかかるため,正解の選択肢を選んでいても誤りに思えてくるケースが多い。(だからこそ,要素の見落としがないように一発で正しい解答を導くスキルが求められる。)
 その三,文章を咀嚼(自分が納得できるように理解することの意)する上で自分の主観を入れない。文意の要約(言語化するかどうかはともかく)は必要だが,自分の主観を交えないよう十分に注意すること。評論は,筆者の意見に共感できないとしても自分の主観を交えて読まないこと。小説は,感情移入して読まないこと。

STEP1.本文はでっかく読む

 まず最初に,本文を最初から最後まで通して読み,概要を理解したい。この時,理解が難しい表現があれば一旦飛ばしていい。何となく内容を把握できればOK。
 大問1(評論)で意識したいコツは,肉付けより骨組みを先に理解すること。難解(に見える)文章というのは肉付けが多い。他人の意見を引用したり,対立意見の誤りを指摘したり,具体例を示したり,色んな肉付けのしかたはあるが,全ては筆者の意見に説得力を持たせるためのもの。その文章が伝えたいメインメッセージを掴みたい。
 大問2(小説)の場合,登場人物の心情の動きをメインに問う場合が多い。感情移入して読んでしまいがちだが,意識して冷徹に,あくまで文字を読むこと。少なくとも試験において行間を読む必要はないし,想像の余地はいらない。この読み方がクセになると小説を普通に楽しめなくなったりもする。

STEP2.問題文はきっちり読む

 問題文は一言一句漏らさずきっちり最後まで読む。何を問われているのか反復して理解する。実はこれを意識できていないケースが多い。 
 そもそも選択式の国語の試験では,誤った選択肢を選ぶから減点されるわけだが,何故誤った選択肢を選んでしまうのか?それは,選択肢の中の,いかにも正しそうで実は誤った表現に気付けないから。「選択肢単体で見たら間違ったことは言っていないが,問題文で問われていることとは違うことが書いてあるから×」というパターンに対応する必要がある。そのためには,後述する選択肢の削り方に加え,「問題文で問われていることを正確に理解する」ことが大前提となる。

STEP3.選択肢は誤りを探す

 前述したが,共通テスト国語とは誤った選択肢を削る作業と言い換えられる。いくら問題文で「最も適当なものを選べ」と書いてあったとしても,「これが一番正しそうだな」なんて解き方はしてはいけない。問題を解く際に実際に行う作業は,
①選択肢の誤った箇所に線を引く
②誤った選択肢の番号に×をつける
③最後に残った選択肢を回答用紙に書き込む
以上だ。
 実際の削り方は個別の解説記事を参照してほしい。選択肢を削る作業については,「本文の構造を理解していること」「問題文で問われている内容を正確に理解していること」が必須となるため注意したい。本文を適当に読んで答えようとしてもどこかでつまづくので注意。ましてや問題文から読むとかいう小手先のテクニックはお勧めしない。(先に問題を読むことで文章構造の把握に先入観が加わり,微妙に悪問だった時に間違える)文章を読む時間は訓練次第で短縮できるので,正攻法こそ近道と思ってほしい。

終わりに

 とりあえず現時点で書きたいことは書いた。


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