Megadeth 「rust in peace」

このアルバムは1990年にリリースされたものだが、翌年にニルヴァーナの「nevermind」がリリースされ「グランジ旋風」が吹き荒れる前だ。

まだ「グランジロック」というのはアンダーグラウンドに止まっていたが、スラッシュメタルというジャンルも既存のLAメタルのアンチとして生まれたものだった。

LAメタルというのはグラマラスなファッションとパーティー、享楽的な歌詞が特徴だった、しかしスラッシュメタルは曲のスピードを上げ歌い内容は「死、戦争、破壊」だった。

同じ時期にメタリカの「master of pappets」やスレイヤーの「rain in blood 」がリリースされたが、その2作よりも演奏が複雑でレベルの高い作品だと思う、デイヴムステインはメガデスのことを「インテレクチュアルスラッシュメタル」といっていたが、その名の通りハードなサウンドで暴力的な歌詞でありながら演奏や曲構成は複雑で「知的」な作品である。

腕を組んだデイヴムステインをみると「どうだ、これが本当スラッシュメタルってもんだ!」と言っているように思える、マーティーフリードマンとデイヴムステインのギターバトルはまさに「華麗」でありながら「壮絶」でもある、もちろんギターだけでなくベース、ドラムもバチバチ火花を散らしている。

ライブでは必ず演奏する「holy wars」「hanger18」「tornado of souls」を始め、全ての曲が高難易度な曲しかない。

2010年に行われた再現ライブではデイヴムステインもかなり大変そうだったが…2023年現在ではメタル界全体が当時よりテクニックが向上しているにしても、ここまで気合いの入ったメタル、スラッシュメタルはそうないだろう。

メガデスは2017年に「dystopia」でグラミー賞も受賞し、次作の「the sick the dying …」でも勢いのあるメタルを展開し、「第二期黄金期」を迎えていると言っても過言ではない。

とにかくこの作品を聴いたことがない人は聴いてみて欲しい、1991年にメガデスが生み出した不屈の名盤である。リフ、リフ、リフ…ソロ、ソロ、ソロ…の応酬で現在メインストリームにはないものなので逆に新鮮かもしれない。

関係ないが日本でスラッシュメタルバンドっているのだろうか?例えばメタリカが日本でコンサートをやれば大勢人が入るが、日本で同じような音楽性で売れているバンドっていうのは聞いたことがない。

マキシマムザホルモンとかだろうか…いや違うか(笑)

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