雨宮処凛「死なないノウハウ」

今勤めている会社が大嫌いだが、何だかんだで16年ぐらいいる。

「生活費を稼ぐために行く」と割り切っているが、この先のあの会社に勤めていて明るい未来は全くない、明るい未来どころか、暗い未来しか待っていないと思う。

例えば一日いるだけでもあまりに腹の立つことや嫌なことが多い、しかし自分は表面的には殆ど怒っていないように見えるかもしれない。

何故ならいちいち気に障りことに怒っていたら一日中怒っていないといけないからだ。

とにかく色々とネガティブなことが多い。

今更辞める理由を考える必要はない、理由をいちいち上げていたらキリがないので「やってらんねぇから」で十分だろう。

もし辞める場合、溜まりに溜まった怒りを爆発させようかとも思うが、それもバカバカしくもあるので無駄なエネルギーを使わず静かに辞めるのが良いのかもしれない。

しかし辞めても解決する問題ではない、人生はまだ続く、また新しい職場を見つけなければならない、しかも転職したらもっと悪い環境になる場合もあるし、そもそも転職できるかも分からない、この歳で会社の面接を受けるのも骨が折れる作業だ、アルバイトだと生活はカツカツだろう。

結局カネがないとその家賃すら払えない、しかしホームレスは誰だってキツい、人間簡単に自殺もできない。一見平和な日本だが、スレスレの状況で生きている人は多いかもしれない。

そういった人に読んで欲しいのは雨宮処凛氏著の「死なないノウハウ」である。

この本は病気になろうが、仕事がなくなろうが、一文無しになろうが、ビクともしない「無敵」の状況を作ることができる、らしい。

金の問題、仕事の問題、介護、健康、トラブル、と5章に分かれている。

生死を分けるのは「情報」だという、例えば借金の取り立てに逃げて路地生活者になった男性だが、弁護士に相談したら直ぐに問題は解決した。

10年以上返済していない状態からだったので、返済義務は無くなっていた(条件等はあるみたいだが)例えばそういった情報がこの本には凝縮されている。

失業したらどうするか、勿論生活費が足りなくなったらどうするか等の情報も書いてあるが、一つ一つ書いていたらきりがないので気になった人は各々読んで欲しいが。

雨宮処凛という人はかなり不器用な人で若い時から生きづらさを感じ仕事をクビになったことがあるらしい、根本の原因は資本主義社会や政治経済のシステムにあると考え、自身のフリーター経験を経て、貧困問題や生存問題に取り組んでいる人みたいだ。

しかしこれだけ貴重な情報が凝縮された本が1000円以下というのは安い、将来の不安に帯やかされないためにも重要な本かもしれない。

難しいことも色々書いてあり、読んで理解するのに時間がかかりそうだが。

よく「人生なんてあっという間」という人がいるが、自分からしたら人間なんて「家賃を払うために生きている」だけに過ぎないにも関わらず「長すぎる」と思う。

そしてこの本を読みながら思ったのが

「戦争もしてない日本で何でこんな本読まなけゃなんねぇんだよ」

などと考えてしまった(笑)

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