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青年H君vol.2-マッチングアプリ-

平日だけど休みのとある日

遅めのお昼ご飯を何にしようか考えながら商店街を歩く。
久しぶりにマクドナルドでも行くかな。

お店の前に到着。

コロナの影響やウーバーイーツの影響でデリバリー配達員が増えた。
マクドナルドはデリバリー注文される件数が多いのだろう。

店前には大きい真四角で便利そうなリュックを持っている配達員の姿が、何かのカルチャーかと思わせる。

店前でデリバリー注文が入るのを待機しているんだろうなと思いながらお店に入店。

着席してからマクドナルドのアプリで注文しようと思い、席が空いていないか見渡しているとどこかで見覚えのある人がいる。

その人は真四角のリュックを手に持ち、デリバリー商品を受け取り、そそくさと出口に向かってくる。


青年だ。

私は気付いた。だけどめんどくさくて話しかけなかった。
そういえばウーバーの配達してるって言ってたもんな。


席についてバリューセットを食べ終わり、店も空いてきていたので本を読んでいた。

すると、二回目の青年が目の前に。

さすがに声かけるかな。

私「青年久しぶりだね!」

と声をかけたはいいものの、予想とは裏腹な一言目が返ってきた。

青年「また一緒にのみたいです!!!」

いきなり?「久しぶり」の返しにそのパターンは初めてだった。

私「またいつでも飲もうね!」
日にちを決めないただの社交辞令な言葉だと青年は気付かないだろう。

青年「今からでも大丈夫です!」

そうきたか。笑

私「じゃあ少し行こうか!」


こうして青年との二回目の酒席を設けることになる。

場所は商店街から少し離れた大衆酒場。
レモンサワーが有名なお店だ。

このレモンサワーが兎に角ストロングで、一時間もすると酔いが回ってきた。

酔っているとはいえ、青年とは二回目。
人見知りである私は特に話すことも思いつかない。


私「そういえば彼女はいるの?」
いないことを覚えてる上での質問。
青年「いないです。」
私「どうやって出会ってるの?」
青年「マッチングアプリをやっています。」

そうか。
今の若い子はマッチングアプリを普通にやっているんだよな。
僕の時代には出会い系はあっても、こんな便利なものは存在していなかった。

興味本位で今やってみてよと青年に伝えた。

するとアイフォンを卓上に出し、人差し指を高速で左右に動かし始めた。

なにやっているんだ?!と酔っぱらいながら凝視していると、

右右右右左右右右左右

右と左を不特定のリズムで仕分けだした。

なにそれ?!と私は問うた。

指の超高速回転が収まると、画面に映っているのは女の子の姿ではないか。

青年「いいね、とそうではない人を右と左でさばいていました」


すばらしい眼筋。それに指の瞬発力。

青年よ。必ず幸せになってください。


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