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蒔いた種はご自身で刈り取って下さいね。【A子の場合】


右ポケットに入っているi phoneが音を立てた。


ロホマン氏からのライン、



"納車準備が出来ました、
いつでも大丈夫ですよ"


ついに来たか、

2度3度と車検が通らず、

八月の初めに予定されていた納車日は
一ヶ月伸びた。


台風10号"タンタン"は暴風域が無くなり、
雨台風となった。


明日行くか、
それとも台風一過、

晴れ渡った埼玉、東松山を走り帰ってくるか、、


納車を待ちに待つ気持ちは
車を買った事がある人ならば、
理解できるだろう。


待ち遠しい。


もう、明日行くか!

北東に進路をとる台風とまさかの鉢合わせ、
納車日に台風と真っ向から激突するなんて、


波瀾万丈な人生を歩んできた自分にとって

納車日が台風直撃で
納車日が廃車日になった。


なんて笑えるエピソードを
また作り上げてしまう、


そう思うと、

まだまだ自分は子供かもしれないな
と次にそう思ったのだ。


いや、まてよ?

キミはもう大人だ、、


台風一過、

雲や憂鬱、すべてを台風がぶっ飛ばした、
晴天の日を

私の記念すべき納車日にしよう。


年に一回、必ず来てしまう誕生日よりも

生涯に数回あるかないかの
納車日の方が価値があるに違いない。


私は台風一過、
晴れ渡る最高の納車日にすべく

ロホマン氏にメールを打った。


『台風が行ったら取りに行きます』


これが正しい大人の選択だ。

昔の自分なら、

もし台風が納車日と鉢合わせしたら

迷わず、
鉢合わせのエキサイトを選んだであろう。

これでよしと、、

私は大人な戦略をとれた自分を褒め、
もう少しだけ伸びた納車日を


待つ事になった。


つづく。


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