2020/07/06

起きた。今朝ははちみつトーストと草。今日は一日、具体的に何をしたか覚えていない。小説応募の最終日だったので、書き切って投稿した。大変な手間をかけた。完全に体力勝負である。昨日のうちに食べ物を多く買っておいたことは英断であった。いま先ほど短編SF小説の投稿を終え、遅めの夕食を採ってきたところだ。

この感慨に尽きる。好きで好きでたまらない。同時に苦しい。一文字一文字とのやり取りが苦しい。僕は最後にチェックする際は、まず原稿を紙に印刷して、疑義が生じたら赤いボールペンを入れて、それを解消すべく原稿と交渉し、またできた原稿を紙に印刷して、疑義が生じたら赤いボールペンを入れて、それを解消すべく原稿と交渉し……。

一人何役かやっているが、学校の教務課に過剰に厳格なバリデーションを受けながら提出書類を完成させるような、そんな手間そうことをやっていた。その間違い、もっと早く気づいてくれたら、印刷し直さなくて済んだよ??? 原稿くんと無駄な交渉に出向かなくても良かったよ??? でも仕方がない。今回の文章の提出先は、教務課ではない。大学の雀の涙のTA(ティーチングアシスタント)代について、給与同額以上の労力をかけて(時間で割ったら絶対最低賃金を下回ってるやろ)請求書を書くのとは違う。

本当に自分が書きたいと望んで書いたものだからだ。本当に書きたいもの、デフノートも書きたい。ごく稀に友人たちに送る近況報告なども書きたい。これまで書いたSF掌編の書き直しも書きたい。

でも、今回書いたものは、僕が本当に本当に書きたいと望んでいたものだった。おおよそ、何とか文学賞みたいなものに人並みには憧れてみた僕が、何年か大小の文章・小説を書いてみたところで、結局唯一できると気づいたのはあまり長くない文字数の枠組みの中で、手間のかかることを永遠に繰り返して「精密機器のよう小品」なる短編を創ることだった。

自分にはこれしか無いんだという実存をかけて、僕はこの一作を書いた。困難な目標に向かうときは、結果ではなくプロセスに注目せよ。僕はプロセスに注目した。やれることは全て尽くした。書いた一文字一文字に悔いはない。そして、完成した原稿は、もう僕の手を離れた。

これでいい。

明日もまた、起きるのは遅く起きるかもしれない。後輩からのプログラミングの質問、ゼミのアドバイザ役、仕事の相談なども待ち構えている。ようやく再開したゲームづくり、オーバーホールして磨きつつある数学の技芸もある。またしらばく小説とは別の、やるべきこと、やりたいことに、僕は帰っていくだろう。

それでも昨日までの僕とは、もう違う。自分の持てる全てを凝縮した2000字〜4000字のSF短編小説を「書けるかもしれないと思っていた自分」は、今日の2020年7月6日の20時35分に「書いた自分」になった。

この経験1つがあれば、僕はこれからも書いていける。人生と書くことの間に、小さいけど確かな橋がかかった。これからも本になるほど長くはない、不思議で心に届くものを書いていきたい。みなさん、見守ってくれてありがとう。(デフノートもよろしくね)

- 睡眠 3-11 (8h)

七夕はいつも、雨ですね。

(2020/07/07へ 続く)



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