ライトコインの半減期!そもそもProof of Workって何だ?
「ライトコインが半減期を迎える」ニュースを目にする機会が増えてきました。
今回の記事では、今注目を集めているライトコインはどのような暗号資産なのか、Proof of Workの仕組みと共に解説させていただきます。
何が半分になるから半減期?
そもそも「半減期」とは何か
例えば、暗号資産Aという暗号通貨があり、その暗号資産の供給量を管理するために半減期を導入しているとしましょう。
暗号資産Aの半減期は、ある特定の条件を満たす間隔(例えば4年ごと)で発生します。暗号資産Aのブロックチェーンネットワークは、Proof of Work(PoW)アルゴリズムを使用して新しいブロックを追加します。新しいブロックを追加することで、新たな暗号資産Aの単位(暗号資産トークン)がマイニングされます。
しかし、半減期が訪れるたびに、新しいブロックの報酬が半減します。
これにより、新しい暗号資産Aの供給量が減少します。
半減期が継続すると、新しいブロックの報酬が徐々に減少し、新しく生成される暗号資産Aのペースが緩やかになります。これにより、暗号資産Aのインフレーション率が制御され、供給量が限定されることで、価値の安定やデフレーション的な経済モデルを実現することが可能になります。
このように、半減期は暗号資産の経済モデルにおいて、供給量の管理や価値の安定化を目指す重要な仕組みとして利用されています。
ライトコインとは?
ライトコイン(Litecoin)は、ビットコイン(Bitcoin)に基づいて作られた暗号資産の一つです。ビットコインが2009年に登場した後、他の暗号通貨が次々と開発される中で、2011年にチャーリー・リー(Charlie Lee)によって作られました。
ライトコインは、ビットコインと同様にブロックチェーン技術を使用していますが、いくつかの点で異なる特徴を持っています。主な違いは以下のような点です。
ライトコインは、一般的に高い普及率と流動性を持ち、多くの暗号資産取引所で取引が行われています。また、ビットコインと共に、暗号通貨市場における主要なデジタル通貨の一つとして広く認知されています。
Proof of Workについて
それではビットコインとライトコインに半減期をもたらしているProof of Work(PoW)とは何なのでしょうか?
PoWは、ブロックチェーン技術における一種のコンセンサスアルゴリズムの一つです。PoWは、ブロックチェーンネットワーク上のノード(コンピューター)が新しいブロックを追加するために必要な作業を証明することによって、ネットワーク上の取引を承認し、ブロックチェーンのセキュリティと整合性を維持します。
PoWの基本的な仕組みは以下の通りです。
ブロックの作成:新しいトランザクション(取引)がネットワークに送信されると、これらのトランザクションを含む新しいブロックが作成されます。
ハッシュ関数:新しいブロックを追加するノードは、ハッシュ関数と呼ばれる特定の数学的な関数を使用して、ブロックのヘッダー(ブロック内のデータのサマリー)を計算します。しかし、ハッシュ関数は予測困難であり、必要な出力値を見つけるには試行錯誤が必要です。
マイニング:ノードは、ブロックのヘッダーに含まれる特定の条件(例:特定のゼロの数を含むハッシュ値)を満たすまで、ハッシュ関数を連続して試行します。この作業を「マイニング」と呼びます。
難易度調整:ブロックチェーンプロトコルは、ネットワークのハッシュパワーに応じて難易度を自動的に調整することで、新しいブロックの平均生成時間を一定に保ちます。
ブロックの追加:一つのノードが有効なProof of Workを見つけると、そのブロックは他のノードによって検証され、新しいブロックチェーンに追加されます。
PoWは、ブロックの追加に対して競争的でエネルギー消費が高いため、より多くの計算能力を持つノードがブロックを追加する確率が高くなります。これにより、攻撃者が過半数以上の計算能力を持っていない限り、ネットワークのセキュリティが確保されると言われているのです。
ただし、PoWはエネルギー効率が低いという欠点があり、これに対してよりエネルギー効率の高いコンセンサスアルゴリズムであるProof of Stake(PoS)が提案されています。2023年8月時点で時価総額2位のイーサリアムは、この点も考慮してPoWからPoSへと移行しました。
コンセンサスアルゴリズムを正しく理解しよう!
今回の記事では、Proof of Workの仕組みをはじめ半減期や、それを直近で迎えるライトコインについて解説しました。
コンセンサスアルゴリズムは暗号資産の持続性を決定する重要な要素の一つです。2023年現在は、PoW以外にも様々なアルゴリズムが存在し、その優位性を競い合っている状況です。投資をする際も、自社でトークンを発行する際も、考慮するひとつの項目にしておきましょう。
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(文:いくら)
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