見出し画像

「透明な力たち」展

「透明な力たち」展を見てきました。

アイデアといった数値にし難いものから、
感情の力や重力や、
DNAがもつ遺伝子を受け継いでいく力など
我々の周りに存在する目には見えない力たち。

それらをアートで見える化したり
再解釈したり、問題提起したりしていて、
展示からは時々美大の卒業制作的な
実験感も感じる企画展でした。

「透明な力たち」を正確に見える化するのは
力学や生物学や数学かもしれないけれど、
「透明な力たち」を感じる力は
世界をいくつもの角度で観察することができる
視点の柔軟さなのだなぁ、と思った。
目に見えない力のひとつが風だと
思うのだけれど、
今0歳の息子は風が大好き。

家の近くにある交差点では
高層ビル群が作り出す
強いビル風がいつも吹いていて
僕や妻は帽子を飛ばされたり、
せっかく整えた髪型をくずされたりして
辟易としていたのだけれど、
息子は信号待ちをしている間中、
両手をあげ、空気の流れを触ろうとくるくると手をまわして
キャッキャと笑い声をあげている。

風、
可視光の外に在る光の波、
僕らを地球につなぎとめる「重さ」という奇跡、
ナノすぎて見えない数々の存在。

気がつかれなくても、感謝されなくても
完璧な仕組みと調和の中で
動きをとめない「透明な力たち」。
常に僕らのまわりに在るのに
近くて遠い。
その関係性の、切なさ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?