【AIイラスト向け】PCスペック紹介【著者構成あり】
まっしろ(DeepWhite)です!
AIイラストユーザが増えてくれると嬉しいので、おすすめPC構成を記事にしました。
約2カ月のAIイラスト経験と、学生ですがAI研究開発に携わった経験をもとに書いています。
必要なパーツとスペック
GPU
もっとも必要なのはGPU(Graphics Processing Unit)です!
これがないとAIの本領はまったく発揮できません。
以下の図を見てください。
著者環境でイラスト生成の実行時間を比較したところ、CPUでは107秒であるところ、GPUでは3秒と、約35倍高速でした。
ここで使用しているCPUは13世代の新しいもので、スペックは高いはずですが、GPUには全く及びません。
このように、GPUを使用することで高速でAIを利用することができます。
そして、AIイラスト生成では条件を変えて何度も生成を繰り返すので、GPUがないと話になりません。
まずはGPUを買いましょう。
GPUの選び方ですが、大きく分けて2つの軸があります。
1つは計算速度で、もう1つはメモリ(VRAM)です。
これまでの話の流れから計算速度を優先するべき……と思うかもしれないですが、実はVRAMの方が断然重要です。
というのも、AIモデルの計算には多くのVRAMが必要で、VRAMが足りないとそもそも実行できなかったり、足りない分をCPUで補ってめちゃくちゃ遅くなったりしてしまうからです。
ではどのくらいのVRAMが必要か、ということですが、実行するだけであれば4GB、6GBでも工夫すれば可能だと思います。
しかし、高画質の画像を生成したかったり、もはや必須クラスの拡張機能であるControlNetを用いたりする場合には最低でも8GB、できれば12GB以上のVRAMが必要になってきます。
快適に使いたければ12GB以上と考えておけば良いと思います。
ちなみに、VRAMを大きくすることで同時に生成できる画像の枚数が増えるため、結果的に生成速度が上がるというメリットもあります。
SSD
次に必要になってくるのがデータを保存するためのSSDです。
AIイラストをどの程度やり込むかによって必要なデータ容量は変わってきますが、Stable Diffusionのローカル環境を用意する最大のメリットは大量のAIモデル、生成結果の保存が高速かつ容易に行える点だと考えています。
なので、できるだけ容量が多いものを選ぶと良いでしょう。
それぞれのデータサイズは大体以下のようになっています。
モデル(2~8GB)
生成画像(1024x1536サイズ560枚で約1GB)
気に入ったモデルを無計画にダウンロードしていると平然と100個、200個と集まってしまい、500GBくらい消費してしまいます。
また、モデルマージやLoRA学習など、やり込めばやり込むほど、どんどん容量を消費します。著者はダウンロードしたモデルだけで1.7TB使っていますがこれは極端な例です。
もちろんモデルを厳選すれば消費は少なく済みますが、逆に言えば容量が大きければ何も気にせずにイラスト生成に集中できるということです!
なので、最低でも1TB、できれば2TBはあったほうが良いと思います。
それ以降は足りなくなってから追加で購入すれば良いでしょう。
HDDでもいいですが、メインのストレージは高速で衝撃に強いSSDが個人的にはおすすめです。HDDはバックアップに使用しましょう。
また、値段の面でも格安のSSDを選べばコスパが良いですし、クラウドの選択肢としてGoogle Driveの2TBプランが月額1300円であることを考えると1年以上使うなら買った方が安いです。
著者が利用しているSSDは以下です。
CPU、マザーボード、メモリ、電源ユニット
必須なのはGPUで、次いでSSDという流れでした。
それ以外のパーツについては、よほど古いものでない限り、AIイラスト生成自体にはそれほど必要としません。
しかし、生成したイラストを修正するために画像編集ソフトを用いたり、最近流行りのlama-cleanerをcpuで動作させたりするのであれば、ある程度のスペックは必要になります。
そして当然ながら、ブラウザのタブを大量に開く、複数アプリケーションを起動する、AIイラスト生成を待っている間にyoutubeを見るなど、快適な作業をしたい場合にもある程度のスペックが必要になります。
また、マザーボードに関しては拡張性を考慮する必要があります。
大型のGPUを設置できるか、SSDは何枚挿せるかなど、自分の用途に応じて選びましょう。
まとめ
まとめると以下のようになります。
数字は優先順位です。
GPU(最低8GB、12GB以上推奨)
SSD(最低1TB、2TB以上推奨)
CPU(CPU-GPUボトルネックに準じるが、ほどほどで良い)
マザーボード(拡張性、耐久性、好みで選ぶ)
メモリ(16GB以上)
電源ユニット(電力消費量に応じて)
おすすめ構成
構成といっても本当に気にするべきはGPUだけです。
ハイエンド
ハイエンド利用であれば、VRAM24GBのGPUを選びます。
高速に複数枚の画像を生成したり、高解像度の画像を生成したり、モデルを学習したりするのであればこのクラスです。
GeForce RTX 4090
スペックが少し下がりますが、同様にVRAM24GBで、価格も安いものがあります。
GeForce RTX 3090
CPUはこのあたりです。
メモリは64GBあれば困ることはないでしょう。
電源は1000Wくらいで自由に選べば良いと思いますが、著者が購入したのはこれです。
コスパ
コスパを重視するならVRAM12GBもしくはVRAM16GBを選ぶと良いでしょう。
もっともコスパが良いのはVRAM12GBのGeForce RTX 3060です。
xformers導入で1024x1536くらいのサイズまで対応し、LoRA学習も十分可能です。
GeForce RTX 4060 Ti(16GB)
GeForce RTX 3060
CPUは性能面ではi5でも十分ですが、コスパを考えるとi7がおすすめです。
メモリは用途次第ですが、DDR4で32GBあれば十分だと思います。
電源は色々ありますがこのあたりです。
おまけ
サーバ用の型落ちGPUを利用する手もあります。
まったく初心者向けではないですし、おすすめはしませんが破格の安さです。
著者の構成
最後に著者のPC構成を参考として置いておきます。
2カ月利用していますが快適です。
たまにGPUのVRAMが物足りないときがあるので、お金がある方は上述のハイエンドGPUに換装すると良いでしょう。
GPU(GeForce RTX 3060)
CPU(Intel Core i7 13700K)
CPUクーラー(DeepCool LS720)
ちゃんと冷えました。
SSD(M.2 2TB x 2)
このSSDは格安なので本当におすすめです。
噂によると米国の輸出規制の影響をうけて本来iPhone用に作られていた高性能半導体が余ってしまい、格安で売られているとか。
マザーボード(MSI MAG Z790 TOMAHAWK)
このマザーボードのBIOSにはCPU lite loadという機能があり、高負荷時に100℃近くなってしまうCPUの熱を下げるのに使えます。
メモリ(DDR5 32GB x 4)
オープンソースのLLMであるVicunaをCPUで動かすのに128GB必要と聞いたので買いましたが、普通は64GBで十分です。
電源ユニット(XPG CYBERCORE 1000W 80PLUS PLATINUM)
名前がかっこいい。
PCケース(NZXT H7 Elite white)
かっこいい。あと光る。
モニター
4Kで安いやつを探してた。
以上です!
参考になれば嬉しいです!
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