見出し画像

我が師、アシモフ

稀代の黒魔術師(私調べ)五島勉によって拓かれた「ムーへの道w」。ニュータイプ、イデの発動、と順調に広き道を歩んでいた私を引き留めてくれたのがSF作家、アイザック・アシモフです。

わが惑星 そは汝のもの

わが惑星、そは汝のもの (ハヤカワ文庫 NF 25 アシモフの科学エッセイ 5) アイザック・アシモフ https://www.amazon.co.jp/dp/4150500258/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_eX1XEb4RD0RZA @amazonJPさんから

ファウンデーションシリーズもロボットシリーズも超一級のエンタメですが、私はエンタメ作家を師とは呼びません。「空想自然科学入門」にはじまる彼の科学エッセイシリーズは、「さんすう」や「りか」の点が絶望的に悪かった私にとってまさに「福音の書」とも言えるものでした。
得られる知識そのものは1960年代、70年代のものであり、今となっては古いものも多いです。ただそれより何より私が彼に教わったのは「科学する心」「合理的思考」です。これは古びることはありません。もちろん、それが「西洋式合理主義」という一つの「型」に過ぎないという可能性は否定しませんが、今に至るまで私のよりどころの一つです。

それほど厳格な一神教の根本の文書に、こともあろうに、みずから「われわれ」と名乗る複数の神々が現われた。これはどういうことなのだ。(宇宙人 謎の遺産)
五島勉氏が力説した「複数形の神」の矛盾。
アシモフ先生はこともなげにこう言います。
聖書に出てくる古代の文書は、多神教的だった過去からの未教化の痕跡を躍起になって根絶しようとした・・・(中略)・・・だが、削除は完璧ではないのである。(わが惑星、そは汝のもの)

これは完璧な反論でした。旧約聖書はゼロから編み出されたものではない。ベースとなる神話や伝説の上に成り立っていると思い至れば、五島氏の主張はにわかに色褪せて見えます。相手が提示する材料だけを見るのではなく、多角的に合理をもとめる。詐欺師対策のマニュアルみたいですね(笑)

まったくの話が、聖書の奇蹟を、こんな支離滅裂の天文学や、浅薄な物理学や、半可通の化学の寄せ集めで説明されるくらいなら、私はいっそ聖書にあるとおりそのままでうけとったほうがいい。(わが惑星、そは汝のもの)

正しい知識と合理的な思考。「科学する」ことの楽しさと大切さを教えてくれたアシモフ先生ありがとう。テストの点は上がらなかったけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?