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質素な舞台人のもとに高級すぎるお肉がきた話
牛屋 ゼニジイさん。(twitter: @zeni_aoi_0083 )
岩手県の黒毛和牛を育てている牧場で働くゼニジイさんが「自身が育てたお肉の美味しさを知ってもらいたい」と始めた企画。Twitterで希望者の方にお肉をプレゼントしようという太っ腹すぎるキャンペーン。
私、その企画に当選しました。
普段どちらかというと運がない人なのですが、ここ一番の時の運は持っていたようです。
肉だー!肉だー!!!黒毛和牛だー!!!!!
…と喜んだのもつかの間。ある程度の自炊はすれど己の身分を超えた素材を調理したことがない私は悩みました。
どうやって食べるのが美味しいんだろう…。
昔とある料理人のコラムで読んだことがあるのが
一流の職人が一流の魚を手に入れられたとき、まず思い浮かべるのは刺身です。
というのがあって、「え、じゃあ肉の刺身的なものって何?生肉?」と考えが迷走してしまう私。
こういう時の格言。「餅は餅屋」
飲食店で働く、料理がとてもうまい後輩に相談することにしました。
私「もしもし後輩。今暇?俺のこと好き?」
後輩「矢部さんのその絡み面倒なので用件言ってもらっていいですか?」
後輩のドライすぎる対応にもめげず、事情を説明して得た答えは
後輩「どの部位か、どういう形で来るかにもよります。場所によって全然違うし、ブロックなのかバラなのか挽(肉)なのか。それによって多少変わると思いますが、共通して言えるのは(臓物でなければ)焼きすぎず、味付けはシンプルに塩胡椒で肉の味を楽しむのがいいと思います。」
私「なるほど。流石後輩有難う!」
そして届きました。
もうね、パッケージがおしゃれ。
そして分厚い包装の発泡スチロールから出てきたのは
これでもかというくらいのサシが見事なバラ肉とハンバーグ。
見た瞬間にわかりました。これ、絶対美味しいやつじゃん。
後輩の言うことがわかりました。本当においしいものは余計な手間は加えず、極力シンプルで素材を活かした方がいい。もう気分だけは一丁前の料理人です。
早速調理!
まずはハンバーグ。
(じゅ~)
肉汁めっちゃ出る。
わあ!どうしよう!うま味が勿体ない勿体ない!
よし、じゃあこの肉汁を使ってバラ肉焼こう!
(じゅ~)
肉汁さらに増える。何してるの?
あまりにも肉汁が出すぎて焼きながら「ごめん!」って言いました。一丁前の料理人気分は秒で消えました。
もし一流の料理人ならこれを完全に閉じ込めながら焼くことも出来たかもしれない。
調理する人が一般の素人だったがゆえに、君を100%活かしきれなかったという自責の念。
いや!諦めない!この肉汁は決して無駄にしない!すべてを平らげるために!
余った肉汁を使って急遽もやし炒めを作りました。完成!
実食
さあ、実際に食べてみましょう。
まずはバラ肉から。
パクッ
フッ・・・
消えました。マジで消えました。
美味しい肉は「舌の上で溶ける」という表現を用いますが、それを超えた肉は舌の上でうま味と香りを残して消えます。
しかし物足りないなんてことはなく、むしろ1枚・一口食べただけで肉の味が口の中全体に広がります。
美味い!本当に美味い!
次はハンバーグ。
パクッ
ギュッ・・・
すごい!味がものすごい凝縮された感じ!
やわらかい口当たりとは裏腹にガツンと牛肉の美味しさがやってきます。
そして噛めば噛むほど出る肉汁!さっきあれだけ出たのにまだあふれ出てきます。
で、もやし炒めも肉汁を吸いまくって「あれ?これ肉だっけ?」と思うほどのうま味。
本当ね、ご飯用意してよかったです。
この肉たちを受け止めるには白ご飯しかないと。
肉!米!肉!米!もやし!米!肉肉!……
もしかしたらと思って少し多めに炊いたのですが
丼ぶり二杯が瞬殺でした。
で、今でこそこうやって味をゆっくり思い出しながら文字にしてますが、食べてるときは
「(パクッ)…おっふ……うま……ん~……ん~……おっふ……うめ~……ん~…」
語彙力がゼロになりました。
今の時世、飲食店も大変ですがそこへ食材を届ける農家・畜産農家の方々も本当に大変だと思います。
そんな中でも頑張っている人を心から応援しています。方々で言っているのですが、農家・畜産農家の人たちは無条件で尊敬しています。
大手を振って岩手へ行くことが出来たら、是非恩返しを。
改めて、本当に美味しかった!ゼニジイさんありがとうございました!
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