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退職奮闘記:自分自身に許可を与えるということ

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メンタルブレイクの予兆を感じとり、退職を視野に入れるもなかなか決断ができないときに、Twitterで「キャリアブレイク」という言葉を見かけた。

キャリアブレイクとは、休職や離職などで働くことを辞めた期間を、ブランクと捉えるのではなく、自分を見つめ直し立て直す期間として捉える考え方、文化のこと。

そこで、自分に合わない会社から一時的に離職し、感性を回復させ、人生を立て直す「キャリアブレイク」という文化に着目しました。

そんなの逃げているだけ、と思われるかもしれませんが、「逃げる」という漢字も、「兆(きざし)」への「道(しんにょう)」と書きます。会社に人生を壊される前に正しく逃げて、人生を立て直すことが当たり前の文化になるために、「キャリアブレイク」という風穴が必要だと考えました。
北野さんのnote『キャリアブレイクを文化にするための会社を立ち上げました』より引用

北野さんはルクア大阪で働いてらっしゃった時から知っていて、妄想ショップやほめるBarなどなんだか面白そうな企画をしている人がいるなと思って何年も前からツイッターでフォローをしていた。

そんな人が考えることなんてきっと素敵に違いない!と思い、このnote記事を読んだ。何度も読み返した。自分が感じていた違和感、言葉にできなかった思いが書かれていた気がした。

自分が退職を決断できないのは、辞めた後の想像ができなくて不安だったからだ。だったら辞めた先をイメージできるといいのかもしれない。
身近にキャリアブレイクをしている人がいなかったので、キャリアブレイク中の人に会って話してみたいと思い、
この記事の中でも紹介されている、休職中・離職中の人や休職や離職を検討している人が集まる「おかゆのつどい」というイベントに参加した。

ちなみにこの「おかゆのつどい」に参加した日は、前の記事でも書いていたけど、22時まで残業して号泣した次の日だった。その日は特に月末で普段の仕事+経理処理もする必要があり、休むにしては最悪のタイミングだった。
だけど絶対に有休をとってこの日に行くと決め、なんとか仕事を終わらせて電車に飛び乗った。
自宅の玄関から出た時、電車に飛び乗った時、すごく気持ちがよかった。
行きたい場所に、行きたいタイミングで行っていいんだ、私は自由なんだと思えた。


「おかゆのつどい」では、自分の思い、最近感じたことをポツポツ話す中で、「そういえば私〇〇なんです」と何度か自分自身に対して思い出しながら語ることがあった。
忙しい日々を過ごしていると、働いている意味とか、本当は何をやりたいのかとか、わかっていたはずの自分のことをだんだん忘れていってしまっていることに気づいた。
それってすごい悲しいことだなと思った。
一生懸命働いているだけなのに、自分を見失っていくの、なんなんだろう。

あとは身近にキャリアブレイクをしている人がいなかったけど、その場で何人かキャリアブレイク中の人に出会い、話を聞く中で、単純に「なんだか楽しそうだな、いいな」と思えた。

キャリアブレイクのきっかけはなんであれ、自分自身と向き合い、やりたいことをやったり、人に会いに行ったり、ゆっくり休んだりする。そんな時間を持てることは尊いことだと思った。
そんな時間を私も持ちたいと思った。

次を決めないで会社を辞めることは世の中的にはまだまだネガティブにみられることなのかもしれない。
将来に対する不安、金銭面での不安、やっぱり一時的には収入が途絶えてしまうので、全員が全員、キャリアブレイクをしたいと思っていてもできないのかもしれない。
なにはともあれ、体験したことがないと「かもしれない」でしか語れない。
かもしれない想像で、休職・離職期間をネガティブなこととして捉えたくなかった。

だったら実際に体験してみよう。
そう思い、退職をする決断をした。

世間のイメージや「こうあるべき」から離れて、自分自身で許可を与えるということ。
実験してみる許可、ゆっくり休む許可、失敗する許可。
自分で決断して、それを実践するのはすごく気持ちがいい、生きてるって感じがする。

やっと決断できて、あとは上司に伝えるだけ。
そう思っていたけど、まだまだ知らない山があった。

▷退職奮闘記、次回へ続く

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