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こころをからだに繋ぐ呼吸法Bodywork 第1章 II 1)~2)

こころをからだに繋ぐ呼吸法Bodywork 第1章 II 1)~2)
 
II. 足芯呼吸 足の裏から息を吸い上げる不思議な呼吸
近未来医学のフロンティアになるか?
 
1)立ち上がる
 
西野流呼吸法を習うと身体感覚に鋭敏になる。
例えば手を挙げるにしても、自分の意志で揚げると意識するのと、上から引っ張られているイメージで持ち上げるのと、働く筋肉群の違いを味わう。
 
これが何を意味するのかは、おそらくそう簡単に解析できることではない。
西野流呼吸法を続けていると、こうした我々の常識の世界とイメージの世界の差が、身体感覚として理解できるようになる。
 
座位で丹田と両手の「三元充足」のエネルギーバランスを確認する。
そしてゆっくり立ち上がる。
 
このときもイメージを使って動作する。
「丹田は太陽。太陽が地平線から昇る」
こうしてイメージでゆっくり立ち上がる。
立ち上がって丹田、両手の充足、「三元充足」を確認する。
 
 
2) 足の底から息を吸う -なぜ足の裏のイメージか?
 
次の動作に入る準備として、まず身体を前屈させて行く。
この時腹部は凹ませ気味にして、両手は力を脱いで床につける。
こうすると足底と頭部が近づき、足底をイメージしやすくなる。
足の裏は身体の端、進化的には魚類の腹鰭が陸上で進化したもの。
(Wikipedia、鰭(魚類)リンク、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B0%AD_(%E9%AD%9A%E9%A1%9E)

だが、地上では足の裏でしっかり大地を、重力を感じている。
この身体の端を意識する。
 
不思議な稽古である。
なぜこんな場所を意識するのか?
しかも実際の空気は鼻から吸うことになるので、吸い上げるものはイメージである。
あるいは吸い上げている身体の位置とその部を実感(body awareness)することに意味があるのかもしれない。
 
だからこの動作は、身体をゆっくり起こしながら、

足の裏、足首、ふくらはぎ、膝、太もも、足の付け根(会陰部、これは体幹の実質的な端である)、そして丹田にいっぱいと、

身体の各部を意識する(感じ取る)トレーニングであるとも言える(西野流呼吸法「天遊」、リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=P55ImvSTTd8&list=PL81Fzu_6Vqk1DYeQ2049vcyM2bUuZ-0hG)。
 
したがって呼吸法でありながら、肺を膨らませるような動作は足芯呼吸には一切ない。
この点が、「なぜこの稽古が呼吸法なの」と聞かれる理由だ。
(参考:呼吸とは? エピソード(6)呼吸生理学at a glance、リンクhttps://note.com/deepbody_nukiwat/n/n328550f37a0a
 
息は自然に何度ついでもいいから、むしろ移動していく身体のイメージに集中する。
沸々と湧いてくる疑問はしばらく無視して、こうした身体意識に集中しよう。
 
疑問はAIが答えてくれるが、自分の身体を感じるのは自分自身である。
こうした自己身体感覚は、対気という稽古で、相手の身体を感取する訓練である可能性もある。


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