【ナゴヤのタルトンネ】東海市と名古屋市緑区に跨る謎のバラック村「上大廻間住宅」を訪ねる
古今東西、スラムだの貧民窟だのバラックだのといったワードを聞くとついつい血が騒ぐ我々取材班。これまで日本国内に留まらず海外にまで足を伸ばしてそうした場所を訪ね歩いてきた。
隣の国、韓国では貧民窟を指して「タルトンネ」(달동네)と呼ぶ。月が手に届くくらいの丘の上に広がるスラムという意味合いで使われる言葉だが、実際あちらに出向いた時にソウルや釜山のタルトンネというものをいくつか見てきた。有名な九龍村だとか白沙マウル、峨嵋洞、甘川洞といった所である。
平地が少なく常に山がちなのが朝鮮半島の街の特徴であって、急な斜面に掘っ立て小屋を窮屈に並べて暮らしているあちらの貧困層の生活空間は日本とはまた違う趣きの町並みを形作っている。
日本だと神戸市長田区房王寺町の“火葬場スラム”なんかはそれに近い風情を放っている。これはこれで壮絶極まりない場所であるが、今回は東海地方・名古屋近郊にキョーレツな謎のバラック村が存在すると聞いて現地へ馳せ参じた次第である。
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