連載型ショートショート「大人と教え」
会社からの帰り道。最寄駅に21時すぎ。決して早い帰宅ではないが、なぜだかいつもと同じ道を通って帰る気分ではない。寄り道として、いつもと違う道を通る。
商店街を通る。ガラス扉の塾。
ガラス扉は、看板代わりのシールが貼られているものの、中がよく見える。入り口前のカウンターに寄りかかる制服姿の女の子の背中がみえる。
カウンターの向こうにいる先生と話し込んでいるようにしか見えなかった。
直感で思った。女の子はきっとカウンターの向こうの男性講師に夢中だし、話したくて仕方がなくて話して