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詩『森林限界』

菌類の蔓延る泥沼の畔で
緑は雷鳴のように私の肌を伝う。
生命を阻む等高線の縁で
湿度高めの言語を放つ森林。

重力は奇跡の球体を造り
その腕の中で私達は孤独になる。

藻類の蠢く水溜まりの陰で
白は大蛇のように私の肌に絡まる。
曙がなぞる等高線の端で
目醒時計を黙らせる私。

旅立ちの時は今だろう。

解放されたのか 隔絶されたのか、
森林は言葉なく私に手を振る。
幻の連鎖を断ち切って、
私は限界を超えていく。

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