メルカリの「価格なし出品」で失敗しないためには

メルカリが先日から、「価格なし出品」というものを始めましたね。

これは出品時に価格を設定せず、出品された商品を見た人が「これくらいで買いたい」という価格をつけ、それを見た出品者が後に価格を設定して販売するというもの。

これの実装の背景には、「価格を設定する事が面倒に感じて利用をやめた」という人が多かったというアンケート結果があったそうです。

この、価格を設定、というのには色々あって。
「価格を考えること」
「値段交渉を受け(て価格を考え)ること」
が主で、更に細かく言えば
「相場や商品状態を考慮して価格を考えるのが面倒」
というものみたいです。

メルカリは「手軽に」をモットーにしていますから、ユーザーが面倒だと感じる事は排除したい傾向にあります。
アンケートを受ければ、今回の実装はなるべくしてなったといえるのかもしれません。

しかし、フリマアプリ等をよく利用する人は、すぐにこれの危険性を理解したのではないでしょうか。

その話をする前に、まず「価格なし出品」についての流れをおさらいします。

①出品者が価格の設定を行わず出品する(商品の価格には???と表示される)
②利用者がその商品に対して購入してもよい金額を提案する
③出品者は、②で提案された価格を見て取引を行うか判断する

販売者側から見れば、面倒な価格設定を購入者側に任せられるため、ただ出品するだけで販売が行えるというものです。確かに、手軽さから言えば、相場を調べたりしなくてもよく、商品状態と相場を考えた値段設定を行う事もないので、本当に楽に販売が可能になります。

しかしこれには、とても大きな落とし穴がありますね。

そう、提案はあくまで購入者が考えるものということは、めちゃくちゃな価格をつけられる可能性があるということ。
そして、それがめちゃくちゃな価格であるかどうか理解するには、結局相場を知っていなければなりません
相場を知らなければそれがめちゃくちゃな価格であることがわからず、例えば相場1万円のものを3千円で販売してしまう可能性もあるわけです。

メルカリが始めたこのシステムは、

利用者が確実に誠意を持ったマトモな人間であることが前提

となっています。

ここまで言わなくとも、人間誰でも欲しい物はできるだけ安く買いたいものです。相場をしっかり理解していても、それよりも安く買いたいと思うのが当たり前です。
多少であればそれも問題はないと思いますが、それが多少かどうかは、結局の所相場を知っていなければ判断できないことです。
本当に相場を知らないままに出品するのであれば、詐欺レベルの不適正価格をふっかけられてしまうこともあると理解した上でやるべきです。

敢えてはっきり書きませんでしたが、やはり書いておきます。

出品者が相場等を知らないこと、面倒がって調べないことをいいことに、相場よりも物凄く安い価格を提示する人が出てきます。
そして、安く買い叩いたそれを、適正価格で転売します。

もしかして販売者はそれでもいいかもしれませんが、結局のところこのシステムは、面倒を排除するためのものではなく、
本当に面倒を排除したければ、騙されたと言ってもいいレベルの提案を受け入れる覚悟が必要
というのを浮き彫りにしただけですね。

勿論、適正な形でこのシステムが使われる事もおおいにあるでしょう。
しかし、うまい話などありません。
面倒でも、損をしたくないのであれば、最低でも相場の把握は行うべきです。

こういう状況にうってつけの言葉がありますね。

働かざるもの食うべからず。

きちんと相場を調べたりせず面倒がると大損する可能性がありますよ、というお話。

しかし、このシステムは悪い事ばかりではありません。

表題どおり、失敗しないためにできる事は幾つもあります。

それには、先に書いた悪い話を頭に入れておく必要があります。
なのでつらつらとシステムの悪い部分を書きました。


まず、失敗しないためにどうしたらよいのか。答えを書いておきます。

相場を理解しておくこと

これだけです。
だけ、というと語弊がありますが。
このシステムのデメリットって大損する可能性があるっていう事くらいで、それ以外については、メルカリの目論見どおり、かなりありがたいシステムなんです。
悪い部分に目が行きがちですが、きちんと準備して使えばとても良いものになるでしょう。

メルカリの謳い文句もあまりよくないですので無視します。

このシステムが、本当に、良いといえる部分は
価格交渉をしなくてすむ
自分で、価格を設定しなくて済む
です。

相場をきちんと知っていれば、提案された価格について、それを見るだけでどうであるか判断できます。

販売者は、できるだけ早くお金にしたい、という場合も多いです。
そのためには、多少なら安くなってもかまわない、という人も少なくないでしょう。
そういう人にうってつけのシステムです。
送られてきた価格が、相場より少しだけ安い程度であれば、これでいいかとすぐ販売ができるわけです。

売るほうは、できるだけ高く売りたいです。
買うほうは、できるだけ安く買いたいです。
このせめぎあいになったとき、ユーザーは面倒を感じます。
値段交渉になった際、どちらからも値段の提案がしにくいですよね。メルカリは話し合うことを極力避ける人が多いですから、提示した価格で買って(売って)くれなかったら(話が終わってしまうので)どうしよう、と思ってなかなか自分から価格を言い出せないわけです。いやですよね、この感覚。
なんと、これを排除できるわけです。

アホ安くしてくる提案は受けずに無視したり排除したりすればよいのですから、これならと思う提案を受ければいいだけです。
このように、適正な形で流れができれば、確かにありがたいものですね。


しかし……

どうしても排除できない問題も更にあります。

提案を受け入れたのに、購入されない

おそらく、大損する可能性以上に問題となってくるのは、これでしょう。
このシステムはこの可能性をおおいに秘めており、これが嫌で販売をやめる人も増えそうです。

これ、ペイペイフリマでも同じようなシステムがあるのですが、ほんと値下げ依頼はよくくるけど、その値段にしても購入されることはあまりないです。
カテゴリや商品にもよりますが、経験上、8割は提案だけして購入はされません。転売ヤー達の策略の場合もそこそこありそうですが。

つまり、本当に欲しいと思って提案してくる人は、存外少ないということです。


では、これらを踏まえて何をすべきか。

ひとつは、相場の把握。

もうひとつは、説明文をきちんと書くこと、です。

読まない人も多いです。書く事が面倒と思うのもわかります。
けど、これを利用して適正に販売を行いたいのであれば、必要な努力です。
アンケートではトップの投票率を誇る内容ですが。

どういうつもりで価格なし販売をしているか書くだけでも違います。
「購入の意思なき提案はやめてください」
「相場は把握しています」
これくらいは書いてしまっていいでしょう。面倒な人と思われてしまうかもしれませんが、大損や別なイライラを抱えないためと思えば、結果から見れば小さな被害です。

急がば回れに似ているものがあります。
無駄な提案ばかり届いて、結局のところストレスと面倒を抱えることになりかねないので、できる事はやっておくべきです。


とりあえずは、これくらいでしょうか。
上手な出品方法や、実際のトラブル対処法などは、またいずれ書こうと思います。
それでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?