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リスケにおもう

「久々に会いたい」と言われ、ランチの約束をしていたママ友から、予定日の数日前に「体調不良で」とリスケの依頼が入った。

もちろんOK。体調は大丈夫?と返した。

2回目の約束日の1週間前、今度は「週末パパが出張で、下の子の習い事の送迎をしなきゃなの」と再度リスケ依頼が入った。

3回目の約束は私が変更をお願いした。日頃、娘には「何があっても先約優先だよ。後から来たお誘いに乗るのは、お友達一人失うってことだからね」と口を酸っぱくして言っているというのに。その日しか会えない幼馴染を優先させたのだ。


同期のイズミはドタキャン、リスケの常習犯だった。休日は複数の約束を2時間3時間ごとに入れ、前の会合が盛り上がると、次の約束をキャンセルしちゃうのだ。

よく電話に立つ人だな、という印象はあった。だけど、誰かにドタキャンの連絡をしているとは思いもしなかった。

ある時、同期の新居祝いで集まって、トイレに立ったら廊下でイズミが「あぁ、うん、でも待たせちゃうから」「ホントごめんね。そうしてくれると助かる」と電話口で謝っていて、まさにデジャブ。自分も同じやり取りをした記憶がよみがえってきた。

イズミはよく約束の30分~1時間前に「仕事が長引いて、ちょっと遅れそう」と電話をしてきた。こちらはさぁ出るか、というタイミング。

土日もなく働いていたので、同期の間では仕事関連は仕方ない、お互い様という雰囲気はあった。

あるとき「OK。どっかでお茶してる」というと、「あぁうん、でも2,3時間待たせちゃうかもしれないから」と歯切れが悪い。

こっちはドタキャンだと思わないから「どうするのがベスト?」と聞いてもはっきりしない。ここでやっと察して「別日にする?」と言うと「ホントごめんね。そうしてくれると助かる」。

リスケ希望なら自分で言え!こっちに言わすな!!着替えてメイクも完璧なのに、どうしてくれようぞ!!!と腹が立ったけれど、まぁイズミだからなぁ、と。

恐らくみんな、その「まぁイズミだからなぁ」が積もりに積もったのだろう。私も10年ちかく疎遠だし、同期の集まりにイズミだけが呼ばれない。誰も彼女の悪口を言ったことはないのに。だけど、彼女の不在に誰一人「あれイズミは?」「誰かイズミに声かけた?」とも言わない。まるで最初から存在しない人というか。正確には「静かにご退場いただいた」という感じなのだ。


昨日はママ友と4回目となるランチ予定日。この日を指定されたときに「3連休だけど大丈夫?」と聞いたのだ。

彼女の家には高学年とはいえまだ小学生がいるし、よくお出かけする家族だから。「大丈夫。4度目の正直!楽しみにしてる」と明るいLineが届いた。

そしたら再度リスケ依頼が。もはやメッセージには、理由すら書かれておらず「何度もごめん、次こそ絶対に!」とあった。

次なんてあるのか?

おもえば3回目に私が幼馴染を優先させた時点ではすでに、私の中では何かが終わってたのだ。年を取るということは他人へのキャパが狭まるということなのかもしれない。怒ってるわけじゃなくて、この感情をなんと説明すればいいのかよくわからないのだけど。雑に扱われてるなぁというガッカリ感?なんだ?

近所なんだから、約束などせずに当日「暇?お茶しない?」と誘いあった方が、きっとずっと仲良くいられたんだろうな。


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