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育児お悩み相談

はるか遠い昔(←おおげさかな。でも気分はこんな感じ)、まだ娘が可愛かったころ(←もちろん過去形)、私のお悩みが新聞の育児相談コーナーで取り上げられたことがあった。

自分で投稿したわけじゃなくて、新聞社で働く知人から電話がかかってきて、「ねぇ、なんか子育てで悩んでることない? いま手元にある相談、どれも既に似たようなのを掲載しちゃってて」と早口でまくしたてられたのだ。

「えー何だろう。そうだなぁ『ママ、死なないで』って毎晩泣かれることかな?」と答えたら、「いい悩み持ってるね」と即採用された。

当時、娘は4歳か5歳だった。ベッドに入ると、毎晩のように「ママ死ぬの?」「死なないで」と涙ぐむから、かなり閉口した。

わが家は長寿の家系で、そのころはまだ100歳に手が届きそうな私の祖父母も存命だった。私はといえば健康保険組合から「1年間保険証を使わなかった」という理由で文具セットをもらうくらいピンピンしていた。納めた保険料に比べて、文具セットというのはいかにもケチなうちの会社らしいなんておもってたけど。

「まだ死なないよ。この間ハサミとノリあげたでしょ。あれはママが元気だからもらえたんだよ」「大きくなるまで一緒にいるから大丈夫だよ」と励ましても、娘は「でも死ぬんでしょ」とメソメソしている。

ある朝、職場で新聞を開いたら、私の悩みに育児のプロが回答してくれていた。「まだ死なないよ」じゃなくて「ママは死なないよ」と断言しなさいとあった。なるほどと唸った。

アドバイス通り「ママは死なない」と断言するようにしたら、娘はいつの間にかメソメソしなくなった。

以来、すっかりその回答者のファンで、もう子どもはすっかり大きいのに、子育て相談コーナーを読むのはやめられない。毎回「いやぁすごい。今回も名回答だわ」としびれている。

あぁ~それにしてもメソメソを録画しておけばよかった。こんなにかわいい時代が君にもあったのだぞ。それに比べて今のその不機嫌&不満げな態度はなんだ!と猛省を促せたのに。

まぁ私もあの頃は、今とは比べものにならないくらい優しい声をだしていた自覚はあるけれど。






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