【後編】こうやってD.Oは作られていった -D.Oが歩んで来た音楽の遍歴-
やはり昔のことをさらけ出すのって、若干抵抗がありつつも
過ぎ去った過去はもう過去でしかないのだから
まあいいじゃないかと言い聞かせ、
その過去があって今の自分があるのなら
消えることが無いようにと綴っておくのも、
きっと役に立つと思いながら
前回に引き続き、遍歴をご紹介いたします。
D.Oの人生が激変する -25歳から現在まで-
前回の最後に締めくくった、EXILEとの出会いのこと。
それが僕にとってどれだけデカかったか。
それくらい、自分の考え方やこれからへの価値観が
ひっくり返ったことはありませんでした。
デスメタルをやっていた自分の絶頂だったと言える頃に
地元で演歌歌手をやっていた彼女とお付き合いをしていたんですが、
複雑な恋愛でもあったので(演歌の歌詞の世界まんまな感じの)
壮絶な展開などあってお別れに至ったのですが、
その失恋もあってか、自分の生き方について
かなり考えさせられてはとことん見直していた時期に、
本屋の音楽雑誌コーナーにあった
「月刊EXILE」の創刊号を買って読んだんです。
それまでEXILEのことはもちろんアンチでした。
けど一旦リセット状態になっていた自分は
しみついた音楽生活を全くの無にはできず
欠片のような気持ちも残っていて、
当時世の中を湧かせていたあの調子の良さそうな集団が、
なんであんなに愛されているのかが知りたくなって、
その本を買ってみたんです。
特集に、リーダーHIROのロングインタビューが載っていまして、
その記事をゆっくり読んでいきました。
そこには、なぜEXILEはこのような音楽でやっているのかや、
ZOOでブレイクをした自分がずっと抱いていた苦悩や葛藤、
そして、EXILEを結成したことやその大切な想いが掲載されていました。
その時のことをよく覚えていますが、
インタビューの内容が、その時の自分からしたらとにかく衝撃的で、
何に一番胸を打たれたのかというと、
僕がデスメタルをやっていた時に抱いてた強い想いと、
HIROさんがEXILEをやっていることに対する強い想いが、
ほぼ一緒だったのです。
こんなにもジャンルやスタイルが違っているのに、
暴虐な思想や声明を発する音楽と、
愛や平和や絆を唄っている音楽と、
どう見ても相反しているのに、
中身は一緒だったんです。
それからの僕は、抜け殻だった自分に、
EXILEをどんどん取り込んでいったのです。
その当時のEXILEは、SHUNが脱退して、
TAKAHIROとAKIRA加入した直後の7人だった頃で、
どんどんノリに乗っていた時でした。
彼等のCDアルバムの、
「EXILE EVOLUTION」
「EXILE LOVE」
「愛すべき未来へ」を
擦り切れるくらいに聴いて、
この曲いいね!で終わらずに
メンバーそれぞれの生き様や
眼差しの向いている方向まで、
すべてを取り込んで行ったんです。
それからの僕は、以前のように
拳やプライドを粋がっておっ立てたり
常に何かに対して刃向かうようなことは無くなり、
ジェントルにオシャレに着こなすことでエスコートさをまとう心となり
日常や将来にホッコリさや爽やかさを描くようになり
ホントちょっとした毎日の一コマに幸せを感じたりと、
今までにない感覚に感謝しながら
こんな自分が好きになっていったのです。
その後は、優しく優雅に歌い上げる歌唱スタイルで音楽をやり
R&BやSOULなミュージックでさりげないシーンを演出し、
最終的には、社交的な自分で、ビジネスを営みながら
司会や講演を行うまでに変貌を遂げて行ったのです。
音楽って本当は、人が生きていくために必要なエレメント -EXILEはそれを知っていた-
最近は、多岐に亘る活動スタイルに及んでいるため
世間を騒がすほどのEXILEでは無くなりましたが、
やはり現在も、音楽で夢や未来を伝え続けている代表なグループだと思います。
本当に、希望を与えてこの時代を支えて救って元気にした彼等こそが、
真の音楽のアーティストだと思います。
音楽を愛し、音楽で生きて、
強い意味を持ちながら、
闇と絶望を表現し続けては、
身体を張って舞台から訴えた時代を越えて
それでも人として、最後には共感し分かち合える表現を選んだ
この僕が一番伝えたかったこと、それが、
音楽って本当は、
人が生きていくために必要なエレメント。
EXILEはそれを知っていた。
ということです。
ということで、デスメタルとかは、
ネタにするまでにしましょう(笑)
こうやって顔塗って髪立ててパフォーマンスをやってたら、
「てめえら、デスメタルをチャラくすんじゃねえ!」って
ガチ勢に目の敵にされて来たけど、
デスメタルを一番分かりやすくお茶の間化したこの経験は、
今、自身の事業活動や慈善活動に
むちゃ生きています。
なので、D.Oは今も昔も、
やっぱD.Oだということです。
舞台の活躍から人生の経験まで
全てがエンターテインメントなのが、
D.Oなのです。
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