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【沈鬱】#30DaysFilmChallenge DAY14

キャラクターに血を通わせるということは。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』を鑑賞した。前作にあたる『スーサイド・スクワッド』でハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーが自らワーナー・ブラザースにハーレイを主役とした作品の制作を打診したことから生まれた作品だそうだが非常に良かった。マーゴット・ロビーが、天真爛漫なキャラクターを演じることを楽しんでいるのが画面から伝わってきたし、暴力的な描写や表現は極力抑えつつ、あくまでフィクションの世界に閉じ込めたまま「もしかしたら私もハーレイ・クインになれるかもしれない」という感覚を与える「ええ塩梅」に感心した。

観ると鬱々とした気分になる映画

『ハーレイ・クインの…』は、ハーレイが恋人であるジョーカーと破局したところから物語が始まるのだけれど、こんなチャーミングなハーレイ・クインを振ったジョーカーって、どんなキャラクターだろう?と考えていたところに、今日のお題のキーワード「鬱々とした気分(depression)」が重なったので、やはりこの作品を選ぶしかないなと

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ついうっかり、キャラクター映画とは?という文脈とか、歴代ジョーカーとの比較といった流れで、ホアキン・フェニックスが演じた『ジョーカー』を語ってしまったこともあるのだけれど、この作品は「ジョーカー」という、キャラクターの映画ではなく、誰だって容易にジョーカーに成り得るのだというノンフィクション映画なのだ。ひどく生々しく、ひどく魅力的で、ひどく鬱々とした気分にさせられる。うん、何もええことないわ。踏んだり蹴ったり。出口がジョーカーという救いのない話。ホアキン・フェニックスの演技は圧巻だったけれども、ホアキン・フェニックスの方から、ワーナー・ブラザースに次回作を作ろうと打診することはないと思う(知らんけど)。

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出自を明らかにする意味なんてあるかしら?

という元も子もないことを書いて「鬱々とした気分」になる映画の話を終えようと思う。ホアキン・フェニックスの『ジョーカー』という作品は素晴らしかったけれども、ホアキン・フェニックスが生み出した「ジョーカー」というキャラクターそのものには力を感じない。「本当の悪は笑顔の中にある」という本作に付けられたキャッチコピーは確かに「ジョーカー」というキャラクターを示してはいるが、ホアキン版のジョーカーはそんなキャラクターではなかった。

6人のジョーカー

ジョーカーを演じた歴代俳優と並べたら良く分かる。ホアキン版ジョーカーはとても異質だ(だが、それでいい。そこがいい)。ジャック・ニコルソンとヒース・レジャー。どちらも甲乙付けがたいなと思っていたのだけれど、ジャレッド・レトのジョーカーが(今日現在では)一番好みだ。これといった目的もなく、ただただ混沌を望むという「爆笑キャラクター」がジョーカーというキャラクターのイメージだ(個人の意見です)。マーゴット・ロビーのハーレイ・クインと(もはや復縁することはないだろうけれど)ジャレッド・レトのジョーカーの作品、観てみたいなあ。まあ、作らないかあ。

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もう今さら作れないよなあ…残念。ワーナー・ブラザースが乱心してマーゴット・ロビーのハーレイ・クインと、ホアキン・フェニックスのジョーカーをペアリングする無茶苦茶な作品の方がまだ可能性ありそう(笑)。

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