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【実在】#30DaysFilmChallenge DAY6

「甘過ぎなくて美味しい」と言われるケーキ。

今日のお題もなかなか難しい。いつの間にか「お題に合う1本」を選ぶという縛りにしてしまったので、記事を書く手前の「選考会」に時間がかかってしまった。何本かピックアップする方が簡単だったかというと、そうでもない。あれもこれも挙げなければとなって収拾が付かなくなっただろう。この1本と決める選考会の最終段階では『パプリカ』と『ニンジャバットマン』のどちらを選ぶか迷った。どちらの作品も『このアニメがすごい!』的に、誰かに強く薦めたい作品ではあるけれども、「your favorite animated film」かと言われると…衝撃を受けた絶品スイーツを是非一度食べてみてよというような…違和感がある。結局、選んだのは「甘過ぎなくて美味しい」タイプの作品となった。

お気に入りのアニメーション映画

animation(アニメーション)は、ラテン語で「霊魂」を意味するanima(アニマ)に由来しており、生命のない動かないものに命を与えて動かすことを意味する…という定義が好きだ。実在するかのように作品そのものに命を吹き込むのがアニメーションなのだと思う。先に挙げた二作品はアニメーションならではの動きで(実写映画よりもはるかに)生きている感じが伝わってくる(えー、でも、キャラクター気持ち悪くない?とか言わない)。裏を返すと、いかにもアニメーションっぽい作品だ。結局、選んだのはこちら。

サマーウォーズ

特に今回のお題に含まれる「お気に入りの」というワードをきちんと踏まえるのであれば、この作品を選ばなければならない。アニメーションらしい表現もふんだんに取り入れながら、「アニメじゃない!」と言いたくなる「ホントのことさ」感を十分に保っている。

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青い空と白い雲、そして去る人が創る世界。

誤解を恐れずに言うと、アニメーションは「生命のない動かないものに命を与えて動かすこと」で成立する以上、登場するものの「居場所」と「存在意義」を(すべてあますところなく)描かなければならない。この作品は「青い空と白い雲」の世界にいる「家族」と「家族じゃない男の子」の話だ。

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作品と要となるのは、栄おばあちゃん…言うなれば、この作品世界の「神」とも言える存在だ。

全部置いていったとも言えるし、全部持っていったとも言えるよなあ。栄ばあちゃん、すてきやわ。思わず繰り返し観てしまう「存在」がこの作品にはあると思う。

「異世界」を本当の異世界として描いてどうする。

それにしても、大量生産される「異世界アニメ」はどうしたものか。売れるから作るのだろうけれど、世界ってそんなに軽いものかなあ、人ってそんなに単純かなあと首をかしげてしまう薄っぺらい作品(世界)が多い。すべてのアニメーションをチェックしているわけではないから、言い切れないのだけれど、アニメを観てアニメを作っている人が多いのかしら?画面に映るすべてのものをきちんと選んで描くのがアニメーションなのだから、アニメ的な文法に囚われることなく、作品を生み出して欲しいなあと願う。『サマーウォーズ』の監督である細田守の作品のすべてが『サマーウォーズ』のような上手い塩梅で仕上がってはいない(個人的にここ最近の2作品はイマイチだと思う)…好みの話だよと言われるだろうが、ただひたすら好みの話を書いているのだ。よろしくお願いしま~す。





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