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【憧憬】#30DaysFilmChallenge DAY5

「好きを仕事にする」なんてボクには出来ない。

チャレンジ5日目のお題は「憧れの職業に就いているキャラクターが登場する映画」だ…元ネタの原文は a film where a character has a job you want…とある。まずはボクにとっての「憧れの職業」というものが何かを定めないことには始まらないのだけれど、これが結構難しい。現実にちょっとした不満があれば「憧れ」も具体的になるのかもしれないけれど、ボクが就いている仕事は、いわゆる「憧れの職業」だとは言い切れないが、それでも十分に「job you want」だと思う。一方で絶対に就きたくないという職業は昔から明確にある。映画やアニメやゲームの「監督」だ。サッカーチームの監督も加えておこう。映画もアニメもゲームもサッカーも好きだからこそ、業界の裏話などもそれなりに知ってしまったので、職業として関わりを持ちたいと思わなくなってしまった。いやはや、難しい。この年齢になってあらためて「憧れの職業」は何かについて答えるのは。

主人公が憧れの職業に就いている映画

割と大真面目に考え続けてみた結果、自分は「人と関わりの多いゼネラリスト的な仕事」をしているので、何となく(ハードルの高い)「孤独なスペシャリスト」に憧れというか敬意のようなものを感じているのではないかと思い至った。「宇宙飛行士」や「小説家」はキューブリック作品のせいで(おかげともいうか?)えらい目に遭う職業という刷り込みがされてしまった。うーん、他にないか?映画ならではのケレンミで颯爽と描かれる「孤独なスペシャリスト」的な職業が…うーむ、「飛行機乗り」も「モビルスーツ乗り」も何だかしんどそうだもんな、わざわざ選びたくないなあ…などと、悩み続けたのがウソのように、腹に落ちたのがこの職業、この作品だ。

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コードネームとガジェット、師匠と弟子が欲しい。

元々「スパイ映画」は好きなジャンルのひとつだったのだけれど、この一本という推しの作品はなかった。『キングスマン』はスパイという「憧れの職業」とスパイ映画というジャンルそのものを愛した人が作った作品だと思う。ほぼ100%、スパイ映画ならではのケレンミだけで出来ているのがよろしい(娯楽作品にしては凄惨な殺戮シーンがあって批判も多いが)。

この作品に登場するスパイたちは決して完璧ではない。なかなかの頻度で大きな失敗する。そこがいい。成熟という未熟、未熟という成熟…スパイ師弟の絶妙なバランスも本作の魅力だ(職業ってそういうものだと思う)

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とにかく古き良きスパイ映画のええとこ取りアップデート版。娯楽に徹するという基本スタンスに、ベタな師弟関係&チームワークという王道エッセンス。スパイ映画の代表格である『007シリーズ』を挙げようとは思わなかった。ジェームズ・ボンドはちょっと深煎り過ぎる。もうちょっと浅煎りで酸味が立っている方が好みだ。『キングスマン』には007シリーズのようにガシガシと続編を作って欲しいが、娯楽作品としての路線は守っていただきたいものだ。だって「憧れの職業」だもの。あまり生々しい心理描写はいらない。日常との隔たりをきちんと守って欲しい。

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