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ポルトガルのトロピカルなディープハウス 新生レーベル Kombava :レーベルオーナー Sinusic インタビュー

 ポルトガルはスペインのとなりで、北海道よりふた回り大きいくらいの面積で、東京都と大体おなじくらいな人口の、海に面した美しい国です。
 ヨーロッパの一番西側にあたるポルトガルの都市、リスボンで去年発足されたニューレーベル、Kombava (コンバヴァ)ですが、音がかっこいい上に、"Tokyo Night Train"や"Kagoshima Bay"など日本にまつわる曲を沢山リリースしていてかなり気になる…! レーベルの活動についてインタビューを行ってみました!

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 Kombavaは昨年始まって以来、既に7枚の上質なディープハウスのEPを発売しています。オーナーのSinusicはディープハウスDJで、もともとフランス出身、リヨンに住んでいた頃はVantageも在籍していたDJクルー Happiness Therapy の一員だったそうです。(インタビュー後発覚しました。)

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 音楽の話を始める前に、Kombavaレーベルを運営している、お二人について教えていただけますか?

 私(アレクシス・ペレイラ)は何年もの間、Sinusic 名義でエレクトロ・ミュージックのDJとプロデューサーをやっていて、2019年にKombavaレーベルを立ち上げました。)
 私のパートナー、ヴェロニカがレーベルのマネージメントをしていて、送られてくるいくつものデモを彼女が聴いて、それに対する考えを共有しています。
 そして彼女は将来に向けての活動、例えば、パーティのオーガナイズや、レコードレーベルのリリースに向けた準備など、レーベルの発展にも協力しています。

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 どのようにレーベルを始めましたか?

 私は私の全てのクリエイティビティ(音楽もグラフィックも)を表現できる場所が欲しいと思っていました。自分の作品や、気に入ったアーティストなど、私が好きだと思った作品を気軽にリリースできるような私のレーベル。私自信はグラフィックデザイナーでもあるので、全てのEPのカバーアートや、ロゴ、Kombavaにかかわるグラフィックの全ても手掛けています。

 なのでKombavaは私にとって、サウンド、ビジュアルを自由に表現できる、素晴らしいプレイグラウンドになります。

私はフランス人ですが、ヴェロニカはスロヴァキア出身で、私達は今、ポルトガルのリスボンに住んでいます。私達は、この海のそばの素晴らしい街、リスボンで私達のレーベルを発展させています。

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 Kombava(コンバヴァ)というのは緑の小さい果物(コブミカン)ですよね?すごくトロピカルな印象を受ける名前だと思うのですが、レーベル名にしたいきさつなどはありますか?

 その通り!私達は1年のうち、1~2ヶ月をタイで生活していたんだけど、そこで見つけた果実でした。未来のレーベル名を探していたとき、小さいコンバヴァ(Conbava)がテーブルの上においてあり、最初の一文字を に変えて、Kombavaが誕生しました。
 フレッシュで、エキゾチックな果実の雰囲気が私達がレーベルにイメージしていた音楽のカラーとぴったりマッチしたんだ。

 ポルトガルのクラブシーンはどのような感じですか?フランスから移住して違いは感じましたか?

私が、リスボンに一番感謝しているのは野外のパーティ、ビーチのパーティや町のアイコニックな場所でのパーティです。フランスでは人気のあるアンダーグラウンド・ミュージックでもイベントはクラブで行われるけれど、それに比べてリスボンは自治体がとてもオープンなんだ。

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 この写真のようにアンダーグラウンドな素晴らしいDJ達がビーチでプレイしていたり、博物館の屋上でパーティをしたり、もしくは街全体を見下ろせる景色の良いポイントなどでもパーティが行われます。その事自体が、音楽に新しい可能性を与えます。日が落ちたあとのデカいクラブパーティと日が沈むのを感じられるパーティとの違いです。
 クラブで全く使った事のない素晴らしい曲を、サンセットを浴びながらプレイできます。私はそういった、場所が音楽を昇華させる瞬間がとても好きです。

 より、音楽的な事についてお話したいのですが、KombavaのレーベルサウンドやSinusicさんのサウンドからは 00年代のディープハウスやフィルター/フレンチハウスのようなテイスト/インフルエンスを感じます。音楽のバックグラウンドについても教えていただけますか?

 たしかに。私はその時代のハウスミュージックが好きだし他に替えがたいグルーヴがあるよね。私は普段から、"心地よいハウスミュージック (feel-good house music)"が好きで、それがこのレーベルのモットーでもあるんだ。
 私がエレクトロミュージックに出会ったのはJusticeや、Paul KalkbrennerWoraklsなどからで、今より消費的で/エレクトロ/テクノよりなモノだったけれど、その後すぐにハウスミュージックの恋に落ちてしまったよね。
 エレクトロに関係なくたくさんのアーティストが好きだけれど、例えば、Henrik SchwarzDJ KozeDennis FerrerFolamourCesaria Evora などなど…

 Kombavaのメンバーは皆同じくらいの年齢層でやっているんですか?

大体は20~30歳くらいのアーティストで構成されているね。

 そういえば、Danyl Brookの"Funkulture EP"を 2018年に Bandcampで見つけて、それからずっと好きだったんだけど、彼がKombavaから出したのを見て驚きました。どうやってこのリリースが実現しましたか?

 Denyl Brookが、レーベルのアルバムカバーが好きでデモテープを送ってきてくれたのが始まりでした。彼が南フランスの人だから、私がフランス人だしコミュニケーション取り易かったというのもあります。彼のEPは私達が普段リリースしている音とはちょっと毛色が違うけど、"Route 47"という曲が気に入ったので私達はEPを出そうと決めました! 

 インターネット外での活動はされていますか?例えばKombavaのパーティをしていたり。

 パーティはこれからやろうと計画していたんだけどコロナの影響で状況がかなり複雑になってしまって頓挫してしまっています。リスボンの美しい場所でパーティを開けるのが待ち遠しいです!

 そういえばSinusicさんは去年東京にきてサーカスでDJをしていましたよね?その時のストーリーを教えていただけませんか?

 ヴェロニカと私は旅行をたくさんしていて、年のうち、必ず2ヶ月はアジアの国々ですごす事にしているんだ。
 私達は、タイや日本、フィリピンについてはよく知っているよ!
 私が東京にいたとき、Toyokazu Yoshiokaに、彼なら私の音楽を気に入ってくれると思って連絡を取ってみたんだ。そして彼がサーカストーキョーのパーティに入れてくれてくれたんだ。
 魅力的で、とても好きな国でプレイできるチャンスがもらえて、とても最高だったし、とても素晴らしい体験だったよ!

 SinusicさんのLisboaという曲は日本のアニメ、サムライチャンプルーのエンディングの曲がネタですよね?

 フランスでどれくらい有名かはわからないけど、たくさんの私の友達はサムライチャンプルーを知っています。
 はじめは、私の曲 "Lisboa"はリリースするつもりありませんでした。あるとき、リヨンのパーティでかける事があって、その時フロアが爆発しちゃって…特に私の友達でDJ、プロデューサーのVantage(彼は日本大好きなんだけど!)クラブでフロアからやってきて、"この曲なんなん?"って言うから、その時の彼の顔がマジだったのでハードディスクに眠ってた曲を取り出して、皆とシェアする事に決めました。

 そういえば八神純子の黄昏のBay Cityネタの曲のタイトルに"鹿児島・ベイ"ってタイトルを付けていましたよね!何故鹿児島を選んだんですか?

 私達は去年鹿児島を訪れて、とても良いところで気に入りました!この曲を聴くと、鹿児島に訪れた時の思い出がよみがえって来るので曲名にしようと決めました。私達は日本の文化のファンだったけど、日本の南側の事を何もしりませんでした。ヤシの木が生えていて…それは最高でした。日本の大好きな場所のひとつです。

 今後の予定を教えてください!何かリリース予定などはありますか?

 もうすぐ、私のSinusic名義でのリリースがある予定です。レーベルでかなりの時間が取られてしまっていたけど、これからは自分のリリースにも注力するつもりでこれから沢山のリリースをしていく予定です!

 最後にリスナーの皆さんに何かメッセージをお願いします…!

 日本のカルチャーを皆さんを心から愛しています。この5年間、毎年日本に行っていますが、一度も日本に行けない年が来るのは今年が始めてでとても寂しいです。すぐに訪れて皆さんに会える日が来るのが楽しみです!

Sinusic (Kombava Founder)

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