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卵アレルギーについて

卵アレルギーについて
 3大アレルゲンの一つで子どもの食物アレルギーの中で最も多い食材です。特に、初めて食べる 0〜1 歳の発症が多いです。成長とともに自然と治ることが多いといわれますが、特異的IgEの値が高い場合やアトピー性皮膚炎、喘息を合併すると治りにくいといわれています。
 卵アレルギーはほぼ卵白アレルギーともいえます。卵黄 1個 (約 20g) でアレルゲンは卵白 1g くらいなので、だいたいの子は卵黄は多量でなければ、食べられます。
 卵アレルギーでは、少量は安全に食べられることも多いので、安全な量が分かれば生活の質が向上します。例えば卵黄 1個食べられれば、調理のときに結構扱いやすいですよね。また、安全な量を食べていくことで完全に除去するよりも治りやすいということがだんだんわかってきていますので、必要最小限の除去を意識しましょう。

診断について
 血液検査では主に 卵白オボムコイド特異的IgE を測定します。病院によっては皮膚検査を行うこともあります。
 オボムコイド(オボ=卵のことです)は卵のタンパク質の一つで、加熱に強いので、加熱卵を食べられるかの判断に重要です。卵白特異的IgEは生卵としての評価が主体ですが、特に乳幼児期にはオボムコイド陰性、卵白陽性でも加熱卵に反応が出る卵アレルギーの子もよくいます。 
 なお、血液検査・皮膚検査は参考程度で、同じ数値でも人によって異なります。大切なのは食べて実際に症状が出るかなので、確定診断には食物負荷試験(実際に病院で食べてみる)を行います。
 

タンパク質の特徴
 卵に含まれる最も多いタンパク質はオボアルブミンですが、オボアルブミンは十分に加熱するとアレルゲン性はほとんどなくなります。注意するタンパク質はオボムコイドです。オボムコイドは熱に強いので、十分に加熱しても多少は残ります。
 卵黄はアレルゲン量は少ないですが、ゆでた後に白身と分けずに置いておくと、卵白から卵黄にアレルゲンが入っていってしまいます。茹でたら、早めに分けましょう。
*ゆで卵に残るアレルゲンの目安
 → 12分ゆで卵 約 20% 20分ゆで卵 約 10%
 

 ★ 紛らわしい食品や注意すべき食品

うずらの卵:鶏卵とかなり近いので、鶏卵と同様の対応が必要です。

鶏肉、魚卵:タンパク質が違うので、除去する必要はありません。

加工品:マヨネーズ、パン、揚げ物、アイス、ハムなど多くのものに卵は使用されています。ただし全てが多量ではないので、摂取可能かどうかは医師と相談してみましょう。
* ちなみにマヨネーズは、通常のマヨネーズなら卵白と同じくらいの量は意外と大丈夫です。ただ、カロリーハーフなどは卵白を主体で作られているので、いわゆる普通のマヨネーズよりアレルゲンが多いので注意が必要です!

調理品:茶碗蒸し、かき卵汁、電子レンジで加熱した卵料理はタンパク質が残りやすいです。また、卵ボーロもアレルゲンが残っていることが多く、症状が出やすいので注意が必要です。

* 栄養面で注意すること
 卵は栄養豊富ですが、他のものから問題なく摂取できるのであまり注意は必要ありません。

* 少量ずつ食べていく場合のコツ
 量によりますが、20分ゆで卵や薄焼き卵を刻んで冷凍しておくと手間が減ります。だいたい1週間に2回くらいは作り直しましょう。だいたい米粒大に刻むと 1粒 0.02gくらいになります。

 食べてくれないときはアンパンマンミニパックカレー®、ブルーベリーヨーグルト、(卵不使用)チョコレートアイス、(卵不使用)コーンスープ、ポテトサラダなどが食べやすいと言われます。他にも味・香りのしっかりしている好きな食べ物に混ぜても良いと思います。

* 予防について
 卵アレルギーは予防法についても研究が進んでいます。全員が全員に必要というわけではないですが、ご家族にアレルギー疾患が多い、生後早期から肌が荒れているお子さんなどではリスク因子になるので、ぜひ予防の情報をいれておきたいです。
 予防のポイントは肌をとにかくツルツルにして、安全な量を離乳食初期から食べ始めることです。詳細は必要があるかも含めて、お近くのアレルギーを得意とする小児科医院でご相談ください。


 今回は卵アレルギーについてまとめてみました。一般的なことですので、個々の患者さんでは少し違う部分もあると思いますので、参考程度に読んでいただければ幸いです。
 食物アレルギーはとくに小さいお子さんでは珍しくないものですが、正確な情報をみつけることが難しいです。いくつかの病院を渡り歩き、どこも言ってることが違う!!どれが正しいの!?もよく聞くお話です。
 ご心配なときには、なるべくアレルギーを得意としている病院、可能なら食物負荷試験を行っている病院で相談してください。

現在はアウトプットの練習という段階なので、読みづらさなどあったかもしれません。頑張って続けていきたいなと思います。

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